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むし歯になりやすい歯の王様「6歳臼歯」って?痛いときの対処法

「6歳臼歯は親知らずとは別物なの?」、「6歳臼歯は生え変わらないって聞いたけれど本当なの?」など、6歳臼歯について疑問に思うことは多いですよね。
むし歯になりやすいという噂を耳にして、不安に思っている人もいるのではないでしょうか。

この記事では、6歳臼歯の生えてくる時期や特徴、むし歯の予防・対処方法を紹介するので、ぜひお子さんのむし歯対策の参考にしてみてくださいね。

この記事を読むとわかること
  • 歯の王様「6歳臼歯」とは?
  • 6歳臼歯がむし歯になりやすい理由とは?
  • 6歳臼歯がむし歯になると起こること
  • 6歳臼歯のむし歯を予防するにはどうする?
  • 6歳臼歯がむし歯になってしまったらどうする?
  • 6歳臼歯にはむし歯以外にもトラブル発生の可能性がある

歯の王様「6歳臼歯」とは?

「そもそも、6歳臼歯ってなに?」という人もいるでしょう。

6歳臼歯は歯の王様とも呼ばれる、はじめて生える永久歯のことを指します。
6歳臼歯の生えてくる時期や、特徴をくわしく解説していきます。

6歳臼歯が生えてくる時期

6歳臼歯とは、5歳〜6歳頃に生えてくる奥歯(第一大臼歯)のことです。
この歯は永久歯なので、今後生え変わることがありません。

まれに親知らずと混同されることもありますが、親知らずは17歳以降になってから生えてくる「第三大臼歯」を指します。

6歳臼歯が生えてくるサイン

6歳臼歯が生えてくる頃になると歯茎がポッコリと盛り上がり、触ってみると歯茎の下に歯が生えてきているのがわかると思います。

6歳臼歯は一番奥に生えてくる歯なので、歯が生えてきても歯茎にかぶってしまい、仕上げ磨きの際に見落としてしまうことも多いです。
歯が生えてくるのを見落としてしまうと、むし歯や歯茎の腫れなどのトラブルに繋がるので、6歳臼歯が生えてくる年ごろは注意して口内を観察しましょう。

6歳臼歯の特徴

6歳臼歯の最も特徴的な点は、「生え変わらない」ということです。
はじめて生えてくる永久歯なので、大切にメンテナンスをしながら使う必要があります。

それ以外にも、以下のような特徴があるのでくわしく解説していきます。

  • 生え変わらない
  • 噛む力が最も強い
  • 歯並びに大きな影響を与える
  • 顎の骨格形成に影響する
  • むし歯になりやすい

生え変わらない

6歳臼歯は永久歯なので、これまで生えていた乳歯のように生え変わることあがありません。
日々のブラッシングや定期検診でむし歯や口内トラブルを防止して、大切に使っていきましょう。

6歳臼歯がむし歯になると、他の歯にも影響を与える可能性があるので要注意です。

噛む力が最も強い

6歳臼歯は歯の中で一番大きく、臼のような形をしています。
そのため噛む力が最も強く硬い食べ物もしっかりすりつぶせるのです。

歯並びに大きな影響を与える

6歳臼歯は、咬み合わせ・歯並びの要となる歯です。
6歳臼歯が生えてきたら、今後はこの歯を基準として歯並びを見ていきます。

6歳臼歯が真っ直ぐ生えてこなかったり、むし歯になったりすると、問題のないほかの歯にも大きな影響を与えるかもしれません。

顎の骨格形成に影響する

6歳臼歯は顎の骨格形成に影響するので、この歯の有無によって顔の形も変わる可能性があります。

奥歯でしっかり食べ物を咀嚼すると、顎の骨や筋肉を鍛えてくれます。
しかし、柔らかいものばかり食べたり、奥歯を使って食事をしなかったりすると、顎の骨は小さいまま成長しない可能性もあるでしょう。

むし歯になりやすい

6歳臼歯は非常にむし歯になりやすい歯です。
今後の筋骨形成や歯並びの基準となる大切な歯なので、健康な状態を保てるように日々仕上げ磨きをしてあげましょう。

歯のはじめから2年間は歯質が弱い状態なので、特に注意が必要です。

6歳臼歯がむし歯になりやすい理由とは?

6歳臼歯がこれほどむし歯になりやすいのには、複数の理由があります。

6歳臼歯が生えてきた子どもの約半数は、この歯にむし歯を作ってしまううという統計もあります。

  • 食べかすがたまりやすい
  • 歯ブラシを当てにくい
  • 生えているのに気づかない場合がある
  • 生えたばかりは歯質が弱い

食べかすがたまりやすい

6歳臼歯は歯の溝が多く、食べかすがたまりやすい構造になっています。
そのため、歯ブラシがしっかり当てられずにむし歯になってしまう可能性があるのです。

6歳臼歯の溝が深い場合や多い場合は、歯科医に相談してみましょう。

歯ブラシを当てにくい

6歳臼歯はしっかり生えてくるまで歯肉が被った状態になっています。
歯ブラシが当てにくいので、むし歯になりやすいといわれているのです。

生えているのに気づかない場合がある

まれに、6歳臼歯が生えているのに気づかず、歯ブラシを当てられていないときがあります。
とくに、6歳臼歯の生えはじめは歯に歯肉が被っているため、歯が生えていることに気づかないことがあるようです。

お子さん本人がする歯磨きだけでなく、保護者の方が仕上げ磨きや目視確認をすることが大切です。

生えたばかりは歯質が弱い

生えたばかりの歯歯質が弱く、唾液中に含まれるカルシウムやミネラルを取り込んで少しずつ本来の歯の強さになっていきます。

目安としては、歯の生えはじめから2年間程度は歯質が弱いと考えて、丁寧な歯磨きを心がけてください。
この時期に歯磨きを怠ると、永久歯である6歳臼歯がむし歯になってしまいます。

6歳臼歯がむし歯になったらどうする?他の歯への影響は?

6歳臼歯は大人の歯なので、今後一生使い続けなくてはいけません。
もしもむし歯になってしまったら、初期段階で治療を行いましょう。

ここからは、6歳臼歯がむし歯になったとき、ほかの歯へどのような影響があるのか?予防する方法を解説していきます。

6歳臼歯がむし歯になると起こること

最も大きな影響では、歯並びや咬み合わせに影響する可能性があるということです。
6歳臼歯は歯並びの基準となる歯なので、この歯に異常が生じるとほかの歯にも影響する可能性があります。

  • 6歳臼歯がむし歯になると起こること
  • 歯並び・咬み合わせに影響する
  • 健康な歯もむし歯になる可能性がある
  • 痛みでうまく咀嚼ができなくなる可能性がある

歯並び・咬み合わせに影響する

6歳臼歯にむし歯ができると、歯並びや咬み合わせに影響する可能性があります。

左右どちらかの歯がむし歯によってしっかり咀嚼ができなくなると、もう一方の歯でばかり噛むようになります。
その結果、歯並びが左右非対称になってしまい、顎や顔の形にまで影響するかもしれません。

健康な歯もむし歯になる可能性がある

6歳臼歯がむし歯になってしまうと、口の中でむし歯菌が繁殖しやすくなります。

とくに、6歳臼歯がむし歯になってしまうと、隣の歯や生え変わったばかりの前歯はむし歯になるリスクが上昇します。

痛みでうまく咀嚼ができなくなる可能性がある

6歳臼歯のむし歯は進行が早いので、少しでも発見が遅れると咀嚼に痛みを生じます。
うまく咀嚼できないことで、食事を嫌がることもあるかもしれません。

6歳臼歯のむし歯を予防するにはどうする?

6歳臼歯のむし歯を予防するためには、日々のブラッシングが何よりも重要です。
毎食後の歯磨きに加えて、定期検診でフッ素やシーラントを処置してもらうと、よりむし歯になりにくい口内環境へと近づけられます。

下記の内容を実践して、6歳臼歯のむし歯を予防しましょう。

  • 日々の歯磨きを丁寧に行う
  • 定期歯科検診でフッ素を塗布する
  • 歯の溝にシーラントを処置する

日々の歯磨きを丁寧に行う

6歳臼歯が生えかけの段階では、ほかの歯との段差ができてしまいしっかりブラシを当てられていないことがよくあります。
6歳臼歯をブラッシングするときは、歯ブラシを斜め奥にいれるイメージで動かすと、しっかりと歯の段差や溝を磨けるでしょう。

保護者の方が仕上げ磨きをするときは、目視で汚れがとれているかも確認してくださいね。

定期歯科検診でフッ素を塗布する

むし歯予防には、定期的に歯科検診を受けてフッ素を塗布してもらうことも大切です。
定期的に高濃度のフッ素を塗布することで、丈夫でむし歯になりにくい歯をつくります。

また、定期的な歯科検診はむし歯の早期発見・早期治療にも大切です。

歯の溝にシーラントを処置する

シーラントとはレジンで歯の溝をうめてしまう処置のことです。
奥歯は他の歯よりも歯の溝が深く、溝の磨き残しによってむし歯に発展してしまうため、その部分にシーラントを処置することで、むし歯リスクを下げられます。

シーラントは保険適用で施術できるので、定期検診のときに相談してみましょう。

6歳臼歯がむし歯になってしまったらどうする?

6歳臼歯のむし歯は進行が早いので、むし歯になってしまったら早期段階で治療を行う必要があります。
むし歯が小さいうちは、むし歯になっている箇所を取り除き、樹脂(レジン)や銀歯をかぶせるだけの治療で済みますが、むし歯が進行してしまうと最悪の場合抜歯になります。

この時期に第一大臼歯(6歳臼歯)を抜歯してしまうと、次に生えてくる第二大臼歯が前傾して生えてきてしまい、歯並びが悪くなります。

6歳臼歯にはむし歯以外にもトラブル発生の可能性がある

6歳臼歯は、むし歯以外にもトラブルが発生する可能性が高いとされている歯です。

6歳臼歯に多いトラブルとして、「萌出性歯肉炎」「異所萌出」というものがあります。
それぞれの症状や治療方法を解説していくので、6歳臼歯が生えてくる年ごろのお子さんがいる保護者の方は、チェックしておいてくださいね。

萌出性歯肉炎

6歳臼歯が生えてくる時期に歯茎の痛みを訴えるお子さんがいますが、これを「萌出性歯肉炎」といいます。
萌出性歯肉炎とは、成長途中の6歳臼歯の上に歯茎がかぶさり、細菌が溜まって歯茎に炎症を起こしている状態です。

治療方法

歯周病などの歯茎の腫れには、抗菌薬で炎症の緩和を図ることが多いですが、萌出性歯肉炎では投薬治療などは行いません。
基本的に清潔にしていれば萌出性歯肉炎の痛みや腫れは改善するので、歯科医では経過観察をすることが多いです。

ただし、痛みが強く膿が溜まっているような状態では、抗菌薬や歯茎を切開し、膿を摘出するといった処置を行います。

異所萌出

異所萌出とは、本来生えてくる場所とは別の場所から歯が生えてしまう症状のことです。
6歳臼歯の異所萌出では、前の乳歯にかぶさって新しい歯が生えてこられないことがあります。

6歳臼歯がしっかり生えてくるスペースを確保できないと、むし歯や歯肉炎のリスクが上昇し、痛みが生じる可能性があるので、定期的に検診で口内の状態をチェックしておくのがおすすめです。

治療方法

6歳臼歯が異所萌出によってしっかり生えてこられない場合、矯正治療によって手間の乳歯の位置をずらし、6歳臼歯が生えてこられるようにスペースを確保します。

異所萌出を放置してしまうと、手前の歯の根っこが通常よりも早い段階で抜けてしまい、永久歯が生えてくるスペースがなくなってしまう可能性があります。

5歳~6歳で奥歯に歯が生えてきたらむし歯にならないよう仕上げ磨きをしてあげよう

6歳臼歯は、5歳〜6歳頃にかけて生えてくるはじめての永久歯です。
2年〜3年の間はむし歯になりやすいので、保護者の方が仕上げ磨きや定期的な歯科検診に連れて行ってあげてむし歯を予防しましょう。

もしも6歳臼歯にむし歯や歯のトラブルが生じた場合は、自己判断せずに歯科医に相談して、適切な処置をしてもらってください。

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