「子どもの歯が前歯からではなくて横の歯から生えてきた」、「発達障害や栄養不足が原因で歯の生える時期が他の子とズレることがあるって本当?」と疑問に思っている人もいるのではないでしょうか?
結論からお伝えすると、乳歯の生える順番や時期は非常に個人差が大きいので、そこまで心配しないで大丈夫です。
この記事では、乳歯の生える時期や順番をはじめとした、以下のポイントを解説していくので、お子さんの歯の状態に不安を抱えている人はチェックしてみてくださいね。
- 歯が生える順番や時期が通常とは異なるのは発達障害や栄養不足が原因?
- 赤ちゃんの歯はいつ生える?一般的な歯の生える時期や順番
- 子どもの歯のトラブルで注意したいこと
- 子どもの口腔内トラブルを予防・早期発見するには定期検診が重要
歯が生える順番や時期が通常とは異なるのは発達障害や栄養不足が原因?
通常と異なる歯の生え方をする子は発達障害や栄養不足の可能性があると言われることがあります。
しかし、本当に歯の生える時期や順番が発達障害や栄養不足に関係しているのでしょうか?
まずは、歯の生え方とこれらの関連性について解説していきます。
歯に関するインターネットの噂は本当?
インターネット上で語られている噂の中から、子どもの歯の生え方に関する噂の真偽に絞って紹介します。
- 歯が生えるのが早いと栄養不足の可能性がある
- 発達障害の子どもは歯が生える順番が違う
- 歯が生えはじめたらすぐ離乳食をはじめた方がいい
- 歯が生えたらデンタルケアが必要
歯が生えるのが早いと栄養不足の可能性がある
「歯が生えるのが早い赤ちゃんは、栄養不足の可能性がある」という噂が語られています。
実際は、歯が生えるのが早い赤ちゃんは、発育がよく成長が早い子が多いです。
栄養不足の赤ちゃんの場合、歯質が弱かったり、欠損してしまう可能性があります。
発達障害の子どもは歯が生える順番が違う
「発達障害の子は、通常よりも歯が生えるスピードが遅かったり、歯の生える順番が違う」という噂があります。
歯の生えるスピードや順番は、同じ発達障害の子でも個人差が大きいです。
発達障害の子であっても通常通りの成長過程を見せることも多いので、歯の成長で発達障害の有無を判定することはできません。
歯が生えはじめたらすぐ離乳食をはじめた方がいい
「歯が生えはじめたらすぐに離乳食をはじめた方がいい」と噂されることもありますが、離乳食の開始時期は消化器官が発達する5か月〜6か月頃です。
早い赤ちゃんであれば4か月で歯が生えはじめることもあるため、歯の生えはじめを離乳食の開始時期の目安にするのはおすすめできません。
離乳食を開始する目安は、唾液の増加具合や食への興味・関心、月齢を参考にしましょう。
歯が生えたらデンタルケアが必要
「歯が生えたらすぐにでもデンタルケアをしたほうがいい」という噂については、正解といえます。
デンタルケアを開始するタイミングとしては、歯が生える前からはじめるのが理想です。
歯が生えてから歯磨きをはじめるのもいいですが、その前に歯磨きシートなどで歯茎をなぞり歯磨きに慣れさせておくと、赤ちゃんも違和感なく歯磨きをさせてくれます。
赤ちゃんのデンタルケアの方法について
赤ちゃんの歯をケアする場合、月齢にあった歯ブラシや歯磨き粉を使って、歯をブラッシングしてあげてください。
歯磨きに慣れていない離乳食前の赤ちゃんは、歯磨きシートや濡れたガーゼで歯茎や歯を磨いてあげるのがおすすめです。
赤ちゃんの歯医者さんデビューはいつから?
お子さんの歯医者デビューとしておすすめな時期は、歯が生えはじめた頃からです
早い段階で歯科医に通いはじめると口腔内を見てもらうことになれるので、歯科医への恐怖心が払拭され、スムーズに診察や検診が進むためお子さんへの負担も少ないでしょう。
赤ちゃんの歯の成長には個人差が大きいから焦らなくてOK!
歯の成長は個人差が大きく、100人いたら100通りの成長ペースがあります。
歯が生えるのが早かったり、遅かったりすると、「うちの子は大丈夫だろうか」と心配になってしまいますが、過度に不安にならなくても大丈夫です。
ただし、あまりにも早く歯が生えてしまった場合は、歯で歯茎を傷付けてしまう可能性があるので注意してあげてください。
赤ちゃんの歯はいつ生える?一般的な歯の生える時期や順番
乳歯が生える時期や順番をふくめた、下記のポイントを紹介していきます。
デンタルケア用品を準備する目安として、活用してくださいね。
- 乳歯が生える時期
- 乳歯が生える順番
- 乳歯が抜ける順番(永久歯が生える時期)
乳歯が生える時期
乳歯が生える時期は、一般的に離乳食がはじまる生後6か月頃といわれています。
まず下の前歯が生えてから、その1か月程度後に上の前歯が生えてきます。
歯の生える時期には個人差があるので、以下の表は参考程度に考えてください。
歯の場所 | 生える時期 |
前歯(乳中切歯) | 6か月~10か月 |
前から2番目の歯(乳側切歯) | 7か月~12か月 |
前から3番目の歯(乳犬歯) | 18か月~24か月 |
前から4番目の歯(第一乳臼歯) | 14か月~18か月 |
一番奥の歯(第二乳臼歯) | 24か月~30か月 |
乳歯が生える順番
最初に生える乳歯は、下の前歯です。
その後、上の前歯やその隣が生えていきます。
下記に歯の生える順番をまとめていますが、歯の生える時期同様参考程度に考えてください。
- 下前歯(乳中切歯)
- 上前歯(乳中切歯)
- 上の前から2番目の歯(乳側切歯)
- 下の前から2番目の歯(乳側切歯)
- 上の前から4番目の歯(第一乳臼歯)
- 下の前から4番目の歯(第一乳臼歯)
- 上の前から3番目の歯(乳犬歯)
- 下の前から3番目の歯(乳犬歯)
- 下の一番奥の歯(第二乳臼歯)
- 上の一番奥の歯(第二乳臼歯)
乳歯が抜ける時期(永久歯が生える時期)
最初に生えてくる永久歯は、「6歳臼歯」と呼ばれる5歳〜6歳頃に生えてくる奥歯です。
その後、前歯から順に生え変わっていきます。
永久歯は親知らずを含め32本ありますが、近年では歯の先天性欠如によって奥歯が生えてこない人も多いです。
歯の場所 | 永久歯に変わる時期 |
前歯(中切歯) | 6歳~8歳 |
前から2番目の歯(側切歯) | 8歳~9歳 |
前から3番目の歯(犬歯) | 11歳~12歳 |
前から4番目の歯(第一臼歯) | 10歳~11歳 |
奥から3番目の歯(第二臼歯) | 10歳~12歳 |
奥から2番目の歯(第一大臼歯) | 5歳~6歳 |
一番奥の歯(第二大臼歯) | 11歳~12歳 |
子どもの歯のトラブルで注意したいこと
子どもの歯が生えてきたら、トラブルが起こらないように日々のデンタルケアや歯科医での定期検診を受けることが重要です。
ここからは、子どもの歯のトラブルで特に多いものや気をつけて起きたいことを紹介します。
- むし歯
- 歯をぶつけてしまった
- 口がポカンとあいている
- 歯が横から生えてきてしまった
- 乳歯がなかなか抜けない
- 歯茎が腫れている
- 歯並びが悪い
- 歯の生え変わりに左右差がある
むし歯
子どもの歯は大人の歯よりも柔らかいため、むし歯になりやすく、むし歯になってしまうと進行が非常に早いです。
乳歯のむし歯を放置してしまうと、歯が通常よりも早く抜けてしまったり、大人の歯の成長に影響を与える可能性があります。
乳歯のむし歯を発見したら、永久歯に生え変わるからと行って放置せずに、歯科医で治療を受けましょう。
歯をぶつけてしまった
小さなお子さんは活発に動き回るため、「転んで歯をぶつけてしまった」というケースが非常に多く見られます。
歯をぶつけても、ぐらつきや変色、痛み、出血が見られない場合はそのまま様子を見ていて大丈夫です。
しかし、下記に当てはまる場合は治療が必要となる可能性があるので、早急に歯科医へ相談にいきましょう。
- ぶつけた歯がグラグラしている
- 歯の位置がずれてしまった
- 歯や歯茎が変色している
- 歯茎が腫れている
- 痛みが強い
口がポカンとあいている
常に口が閉じずに、ポカンとあいたままになっている場合は、口唇閉鎖不全症の可能性があります。
口唇閉鎖不全症は、歯並びや舌の姿勢不良・鼻炎・癖など、様々な要因があり、自然に治癒するのが非常に難しいといわれています。
下記のようなデメリットがあるため、口がポカンとあいている状態が気になる人は、歯科医で相談してみましょう。
- むし歯のリスク増加
- 歯周病のリスク増加
- 前歯の変色
- 口臭
- 猫背
- いびき
- ウィルス感染のリスク増加
- アデノイド顔貌
歯が横から生えてきてしまった
乳歯から永久歯に生え変わるとき、永久歯が乳歯の真下から生えてこずに、少しズレた位置から生えてくることがあります。
この状態を放置してしまうと、歯並びが悪くなったり乳歯が抜けなかったりすることがあるので、歯科医で乳歯を抜歯してもらいましょう。
早い段階で乳歯を抜歯してしまえば、永久歯がしっかり生えてきたときに矯正しなくてもすむ可能性があります。
乳歯がなかなか抜けない
永久歯が生えてきて乳歯がグラグラしているのに、なかなか乳歯が抜けないという場合もあるでしょう。
グラグラしている乳歯を揺らして、痛みがなく、ほぼぶら下がっている状態であれば、保護者の方自身で抜いてしまっても大丈夫です。
しかし、痛みがある場合や二週間すぎても抜ける気配がない場合は、歯科医に相談して歯の状態を確認してもらってください。
歯茎が腫れている
歯茎が腫れて痛みがある場合、歯と歯茎の隙間に雑菌がたまり、炎症が起きている可能性があります。
歯茎が腫れている原因によっては、治療が必要なので歯科医で診察を受けましょう。
子どもの頃に歯茎が腫れる原因としては、以下が考えられます。
- 歯をぶつけて根が傷ついている
- 歯肉炎
- ヘルペス性口内炎
- フィステル
- ストレス
- 体調不良
歯並びが悪い
歯並びが悪いとむし歯や歯周病のリスクが上昇するだけでなく、咀嚼がしにくかったり、発語しにくかったりするといったデメリットがあります。
歯並びを放置すると顎の骨の成長や顔の形にも影響するため、早い段階で歯科医に相談して治療が必要か?いつから治療が必要か?などを診察してもらいましょう。
歯の生え変わりに左右差がある
生え変わりの時期に左右差があるときは、何らかの問題を抱えているかもしれないため歯科医に相談してみましょう。
歯の生える時期は人それぞれなので一概にはいえませんが、どちらか一方の歯が生え変わってから2年以内にもう一方の歯が生え変わらない場合、萌出遅延や埋伏歯の可能性があります。
萌出遅延や埋伏歯を放置すると、歯並びや骨格形成に悪影響を与えたり、歯と骨が癒着したりすることもあるので注意してください。
乳歯の生えはじめがあまりにも早い場合は歯科医に相談
乳歯が生えはじめる時期は個人差が大きく、早いから・遅いからといって発達障害や栄養不足が疑われることはありません。
しかし、あまりにも歯の生えはじめが早い場合は、先天性歯や余剰歯である可能性があります。
赤ちゃんの歯茎や授乳時におっぱいを傷つける可能性があるので、生後2か月以内に歯が生えてきたときは、歯科医で診察を受けてください。
子どもの口腔内トラブルを予防・早期発見するには定期検診が重要
子どもの口腔内トラブルを予防・早期発見するためには、歯科医での定期的な検診が非常に大切です。
口腔内に問題がある場合、少しでも早く治療をはじめれば、治療期間が短くすみます。
子どもの歯や歯茎の状態が気になったら、自己判断せずに歯科医に相談しましょう。