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子どもの歯ぎしりの原因は大人と違う?正しい対処法を解説

子どもが睡眠中、歯ぎしりをするのを知って驚いたり、やめさせたいと思ったりする親御さんは多いのではないでしょうか。

そもそもどうして子どものうちから歯ぎしりをするのか、歯ぎしりをそのままにして大丈夫なのかということが気になりますよね。

この記事では、子どもの歯ぎしりの原因と対処法についてお話しします。

歯ぎしりは大人だけがするものだと思っている方も多いのですが、子どもの頃に歯ぎしりをする人も多いのです。

ですが、子どもの場合は大人と違う理由で歯ぎしりをすることがあるため、ぜひ確認していただきたいと思います。

また、子どもが歯ぎしりをすることによる危険性や、考えられる原因とやめさせる方法についてまとめたのでご覧ください。

〇この記事から分かること

  • 歯ぎしりとは
  • 大人の歯ぎしりと子どもの歯ぎしりとの違いについて
  • 子どもが歯ぎしりをする理由について
  • 子どもが歯ぎしりをすることによる影響について
  • 子どもの歯ぎしりをやめさせる方法について

歯ぎしりとは

歯ぎしりとは

そもそも歯ぎしりというのは、上下の歯を擦り合わせたり、歯を食いしばったりすることを言い、多くの場合、睡眠中や起きているときでも無意識のうちに行っています。

ギリギリと音を立てる歯ぎしりは自分では気付きにくく、他人から指摘されることがほとんどですが、歯を噛み締めるタイプは他人からも気付かれにくいです。

まずは歯ぎしりにはどのようなタイプがあるのか、大人の歯ぎしりにはどのような危険性があるのかを説明します。

歯ぎしりの種類

歯ぎしりは、大きく分けて以下の4種類に分類でき、歯ぎしりの動きや音が異なっています。

  • グライディングタイプ
  • タッピングタイプ
  • クレンチングタイプ
  • ナッシングタイプ

それぞれの特徴について説明しますので、お子さんに当てはまるものを確認してみましょう。

グライディングタイプ

グライディングタイプは、上下の歯を擦り合わせる一般的な歯ぎしりと言われるものです。

睡眠時に無意識に起こりやすい症状のため、自分では自覚がなく、他人からの指摘で気付きます。

下の顎を左右に動かすため、ギリギリとした音が出るのが特徴です。

タッピングタイプ

タッピングタイプは、上下の歯をぶつけ合う歯ぎしりです。

このタイプの歯ぎしりをする人は4種類の中でも珍しく、下の顎が細かく上下に動くため、カチカチ、カンカンといった音が出ます。

他の歯ぎしりのタイプに比べて歯や歯茎のダメージは少ないとされています。

クレンチングタイプ

クレンチングタイプは「噛み締め型」とも言い、上下の歯を強く噛み締める歯ぎしりです。

睡眠中に限らず、日中起きている間にも無意識のうちにしているケースがあります。

歯を噛み締めたまま動かさないことが多いため、音が出ず、気付きにくいです。

ナッシングタイプ

ナッシングタイプは「きしませ型」とも言い、歯の特定の部分で擦り合わせる歯ぎしりです。

睡眠中に無意識のうちに起こりやすく、キシキシときしむような音がするのが特徴です。

特定の部分を擦り合わせるために、歯の一部分がすり減りやすくなっています。

大人の歯ぎしりは要注意

大人の歯ぎしりは要注意

大人の歯ぎしりはギリギリといった不快な音がするだけでなく、歯や身体に以下のような悪影響を及ぼす恐れがあります。

  • 歯がずれたり欠けたりする
  • 歯の詰め物が割れたり取れたりする
  • 歯周病や歯槽膿漏になる
  • 顎関節症を引き起こす
  • 頭痛や肩こりを引き起こす

このように、歯ぎしりは歯や歯茎にかなり大きな力が加わって負担になってしまい、歯以外の部分にも影響があるのです。

歯ぎしりは子どもでもすることがある

歯ぎしりをするのは大人に多いイメージなので、もし赤ちゃんが歯ぎしりをしていれば驚いて心配になってしまうかもしれません。

ですが、約1〜2割程度の乳幼児が歯ぎしりをすると言われています。

子どもの歯ぎしりについて、早ければ生後8ヶ月前後から乳歯が生え揃える2歳半頃までの乳幼児期、そして永久歯が生え始める6歳前後から始めることがあり、それほど珍しくはないのです。

子どもが歯ぎしりをする理由

子どもが歯ぎしりをする理由

大人の歯ぎしりの大きな原因は「ストレス」だと言われていますが、子供のうちから歯ぎしりをするのは大人とは違う理由が大きいです。

子どもの歯ぎしりは成長に必要な行為であるとされています。

どうして子どもが歯ぎしりをするのか、考えられる原因を解説しますので、ぜひチェックしてください。

歯並びや顎の位置を調整している

歯が生え始めた頃の赤ちゃんが行う歯ぎしりは、噛むための顎の位置を調節しているという動きです。

さらに、歯ぎしりをすることで顎の筋肉の発達にも繋がっています。

赤ちゃんは成長とともに「吸う」行為から「噛む」行為に変わり、食べ物をしっかり噛めるための準備を無意識に行っているのです。

歯がかゆい

幼児期は乳歯が抜けて永久歯に生え変わる時期でもあります。

歯が生え始めると歯茎がかゆくなってしまい、かゆみを解消するために自然と歯ぎしりをしているのです。

この場合、歯が生え揃うと自然と歯ぎしりがなくなることがほとんどなので、あまり心配ありません。

永久歯のスペースを調節している

幼児期の子どもの歯ぎしりは、永久歯が生えるためのスペースを確保するために無意識に行っているとも言われており、成長とともに歯ぎしりが無くなるケースが多いです。

乳歯と永久歯が混在している状態では、歯の高さが揃っておらず、歯ぎしりをすることで噛み合わせのバランスを整えているという考え方もあります。

ストレスや睡眠不足

子どもの歯ぎしりのほとんどが先ほど紹介した理由によるものですが、まれに大人と同じようにストレスや睡眠不足によって歯ぎしりをしてしまう場合もあります。

大人よりも行動範囲が狭い子どもは、少しの環境の変化でもストレスを感じやすく、それによって眠りが浅かったり、単純に睡眠時間が足りていなかったりするケースもあります。

自身の家庭の生活環境と照らし合わせて、子どもの睡眠時間が足りないと感じるのであれば注意しなければなりません。

子どもの歯ぎしりによる影響について

子どもの歯ぎしりによる影響について

子どもの歯ぎしりに気付いたとき、将来的な影響を心配してしまう親御さんは多いかと思います。

では、子どもの歯ぎしりには危険性が潜んでいるのでしょうか?子どもの歯ぎしりが与える影響についてお話しします。

基本的には心配しなくても良い

小さい頃から歯ぎしりをしていれば、歯がどんどん削られて危険なのではないかと心配になりますよね。
ですが、子どもは顎の関節の動きが多く、乳歯が抜けたり永久歯が生えたりするなどの歯に大きな変化が歯ぎしりの大きな要因になっています。
つまり、子どもが歯ぎしりをするのは「成長のしるし」とも言えるでしょう。

基本的には様子を見ておく程度で問題はなく、多くの場合、歯が大きく削られる要因にはなりませんし、子どもの成長とともに歯ぎしりはなくなっていきます。

歯ぎしりが悪影響を及ぼすこともある

こどもの歯ぎしりは大人と違い、ほとんどの場合成長の過程で起きる症状なので心配ありません。

ですが、永久歯が生え揃う6歳を過ぎても歯ぎしりが続いていたり、ストレスや睡眠不足によって歯ぎしりをしたりするようなら注意が必要です。

場合によっては歯がすり減ったり、欠けたりする危険性があります。

また、歯ぎしりによって歯並びが著しく悪くなるケースもあるため、このような症状が目に見えて分かった場合は歯医者を受診する必要があるでしょう。

子どもの歯ぎしり対策

子どもの歯ぎしり対策

子どもの口腔内に悪影響を及ぼす歯ぎしりを改善させるためには、どのような対策が考えられるのでしょうか。

皆さんの生活の中で子どもの歯ぎしりをやめさせる方法を紹介します。

成長過程で本能的に行っている歯ぎしりをみやみにやめさせる必要はありませんが、歯が生え揃っても歯ぎしりが続き、心配なようでしたら試してみてください。

姿勢や歯を食いしばる癖を治す

日常的に歯を食いしばる癖や歯を擦り合わせる癖がある子どもの場合は、寝ている間も歯ぎしりをする傾向にあります。

そのような癖がある場合は、早めに対処しないと歯へのダメージにつながるので、きちんと説明してさめさせた方が良いでしょう。
また、背中を丸めた姿勢になっている子どもも歯ぎしりを悪くするため、座っている時の正しい姿勢を教えてあげてください。
反対に、普段うつ伏せや横向きに寝ている場合は、仰向けで寝させてみることで噛み合わせが良くなるケースもあります。

よく噛んで食べさせる

ものをよく噛まない子どもほど、顎の成長が阻害され噛み合わせが合わなくなるため、歯ぎしりをする傾向にあります。

ですから、噛み合わせをよくするためにも、子どもによく噛んで食べる習慣を身につけさせることが大事です。

食事中は噛むことに集中させ、例えば「ひとくちに20回以上噛む」といった具体的な目標を決めておくと良いでしょう。

ストレスを溜めさせない

歯ぎしりの原因がストレスであると考えられる場合には、子どもの生活環境を見直すことが大切です。

子どもは小さな環境の変化でも精神的なストレスを感じやすくなっています。

子どもの状態を日々チェックし、悩みや悲しみを抱えている様子はないのかをよく見てあげましょう。

家族で楽しく過ごすことでもストレスを解消し、歯ぎしりが改善されるかもしれません。

睡眠をしっかり取らせる

日本人は睡眠時間が少ないと言われていますが、子どもも同じで睡眠不足と言われています。

年齢によって必要な睡眠時間は変わってきますが

  • 0歳児…14~15時間程度
  • 1歳児~3歳児…12~14時間程度
  • 小学生…10時間程度

上記の睡眠時間が推奨されていますが、大人の睡眠時間が子どもにも影響を及ぼし、睡眠時間が足りていない家庭が多いのです。

歯ぎしりを改善させるには睡眠も関係がありますので、子どもにとっての睡眠時間を確保するのはもちろん、睡眠の質を上げるためにも部屋の電気をつけたままにせず、テレビなどの音が聞こえる環境で寝させないように気をつけましょう。

それでも寝つきが悪いようなら、寝具を見直すのも方法の一つです。

マウスピースを使う

ナイトガードと呼ばれるマウスピースを睡眠時に装着することで、歯ぎしりによるダメージから、歯を守れます。

マウスピースを装着すると、クッションのような役割を果たし、歯を噛み締めたときに歯に力が強くかかりません。

マウスピースは保険適用の範囲内で作成できるものもあります。

子どもの歯ぎしりで歯医者を受診する目安

子どもの歯ぎしりで歯医者を受診する目安

子どもの歯ぎしりで将来の歯並びや噛み合わせが心配な親御さんは多く、歯医者を受診させるべきなのか迷われるかと思います。

子どもの歯ぎしりは大人と違い成長に必要な行為のため、基本的には受診する必要はありませんが、悪影響を及ぼす可能性があり、受診して改善した方が良い歯ぎしりもあるのです。

歯医者を受診する目安として

  • 歯が生え揃っても歯ぎしりをしている
  • 歯の先端が斜め・平らになっている
  • 日中の歯ぎしりの癖をやめない
  • 歯がしみる
  • 出血がある

上記の項目に当てはまる場合に検討しましょう。

子どもの歯ぎしりはまず様子を見ましょう

子どもの歯ぎしりはまず様子を見ましょう

子どもの歯ぎしりの原因と対処法について解説しました。

ネガティブなイメージのある歯ぎしりですが、子どもの歯ぎしりは大人と違って成長に必要な一時的なものであり、ほとんどの場合は成長とともになくなりますし、歯が削れることはないため、それほど心配する必要はありません。

ですが、ごくまれに歯ぎしりが習慣化してしまうことで、歯が削れたり噛み合わせが悪くなったりするというトラブルが発生する場合もあります。

今回紹介した原因と対処法を確認していただき、心配な方は、様子を見ながら子どものストレスになる要素を取り除く、睡眠時間をとらせるなどの自宅でできる対策を試してみましょう。

乳歯や永久歯が生え揃っても歯ぎしりが長く続くようなら歯医者を受診することをおすすめします。

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