この記事では、子どもの歯がグラグラしているのに生え変わらない理由を解説します。
乳歯の生え変わり時期や生え変わり時期に気を付けたいことも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
- 子どもの歯が抜けない理由
- 自分で抜いてはいけない子どもの歯の見極め方
- 自分で乳歯を抜く方法
- 自分で乳歯を抜くときの注意点
- 抜けた乳歯はどうする?
- 抜けない乳歯を放っておいたらどうなる?永久歯への影響は?
- 永久歯が生えてきたのに乳歯が抜けないときはどうしたらいいのか
- 乳歯が抜ける順番や永久歯に生え変わる時期
- 永久歯に生え変わったときに注意したいこと
グラグラと動いている子どもの歯が抜けない!自分で抜いてもいい?
「子どもの歯が動いているのに抜けないのにはなにか理由があるのだろうか?」、「歯医者に行かずに抜いてもいいかな?」と不安に思っている人もいるでしょう。
そこで、子どもの歯が抜けない理由と、子どもの歯を自分でぬいてもOKな場合の見極め方を解説します。
乳歯を安全に抜く方法も紹介しているので、歯の抜き方に悩んでいる人はチェックしてみてくださいね。
子どもの歯が抜けない理由
グラグラしている子どもの歯がなかなか抜けない理由は、大人の歯の成長がゆっくりなことが原因に考えられます。
永久歯の成長がゆっくりだとなかなか子どもの歯が押し出されないため、グラグラした状態が長く続くのです。
ほかにも、子どもの歯が抜けない理由として以下が考えられます。
- 永久歯がズレた場所に生えている
- 乳歯が癒合している
- 永久歯が骨に埋没している
- 永久歯が先天的に欠如している
- 乳歯がむし歯で弱っている
- 乳歯がなんらかの原因で折れている
永久歯がズレた場所に生えている
通常大人の歯は子どもの歯の真下から生えてきますが、ズレた場所から生えてきてしまうこともあります。
子どもの歯の横から大人の歯が生えてしまうと、乳歯の根っこが吸収されず残ってしまうので、歯が抜けません。
この場合、歯科医で子どもの歯を抜歯する必要があります。
乳歯が癒合している
乳歯同士が癒合してしまっている場合、大人の歯が成長しても根をうまく吸収できず、永久歯の邪魔をする可能性があります。
大人の歯に生え変わるタイミングで子どもの歯を抜歯できれば、その後の歯並びにはほぼ影響しません。
乳歯の癒合が見つかったら、定期健診をかかさないようにしましょう。
永久歯が骨に埋没している
永久歯が顎の骨に埋まった状態を埋伏歯(まいふくし)とよびます。
大人の歯が埋伏歯の場合は、子どもの歯を温存する場合もあるので、レントゲンで状態を見てもらいましょう。
永久歯の状態によっては、外科手術によって埋伏歯が生えてくるように促せます。
永久歯が先天的に欠如している
10人に1人の割合で、永久歯が欠如していることがあります。
永久歯の先天的欠如は珍しいものではなく、成人後に歯科矯正やインプラントなどの治療を受けることが多いです。
なかなか乳歯が生え変わらないというときは、歯科医に相談してみてください。
乳歯がむし歯で弱っている
乳歯がむし歯で弱っている場合も、動く状態のまま子どもの歯が残ってしまうことがあります。
自分で抜いてしまうと、途中で欠けて歯茎の中に残ってしまうこともあるので注意が必要です。
乳歯がなんらかの原因で折れている
転んだりぶつけたりした後に子どもの歯がグラグラしはじめた場合、歯茎の中で乳歯が欠けたり、折れたりしているかもしれません。
歯をぶつけたあとにグラグラしはじめたら、すぐに歯科医で診察してもらいましょう。
歯が根本で損傷している場合は、両わきの歯との固定を行います。
グラグラしている乳歯は自分で抜いてもいい?
「グラグラしている子どもの歯がなかなか抜けないとき、歯医者に行かずに抜いてしまってもいいだろうか」と疑問に思っている人もいるでしょう。
気軽に抜いてしまう人もいますが、後々治療が必要になるかもしれません。
ここからは、子どもの歯を親が抜いてもいい場合の見極め方法や抜き方などを解説していきます。
- 自分で抜いてはいけない子どもの歯の見極め方
- 自分で乳歯を抜く方法
- 自分で乳歯を抜くときの注意点
- 抜けた乳歯はどうする?
自分で抜いてはいけない子どもの歯の見極め方
大人の歯の生え変わりで子どもの歯が動いている場合は、保護者の方が歯を抜いても構いません。
しかし、歯を痛がる様子が見られたり、ぶつけた歯がグラついている場合は速やかに歯科医で診察を受けてください。
そのほかにも、以下に当てはまる場合は自分で歯を抜かず、歯医者に相談しましょう。
- グラつきはじめてから2週間たっても乳歯が抜けない
- 歯を痛がっている
- 歯をぶつけてからグラつくようになった
- むし歯を放置した歯がグラついている
- 乳歯が残ったまま永久歯が生えてきた
グラつきはじめてから2週間たっても乳歯が抜けない
乳歯がぐらつきはじめてから2週間たっても抜けない場合、乳歯の根っこが正常に吸収されていない可能性があります。
無理に乳歯を抜くと歯茎に根っこが残ってしまうので、歯科医で診察を受けましょう。
歯を痛がっている
ぐらついている乳歯を痛がっている場合、何らかの原因で炎症が起きている可能性が高いです。
痛みが強い場合は切開や投薬治療をする可能性があるので、歯科医で診察を受けてみましょう。
歯をぶつけてからグラつくようになった
歯をぶつけてから子どもの歯がぐらつくようになった場合、歯の根に近い部分で折れたり欠けたりしている可能性があります。
治療が必要になる場合があるので、すぐに歯科医の診察を受けてください。
むし歯を放置した歯がグラついている
未治療のむし歯になっている歯がグラグラしてきたという場合、むし歯がかなり進行している可能性があります。
抜歯を含む治療が必要になるかもしれません。
健康な歯への悪影響も考えられるので、早急に歯医者で治療を受けましょう。
乳歯が残ったまま永久歯が生えてきた
子どもの歯が残ったまま永久歯が生えてきてしまった場合は、歯並びに影響がでるので歯科医で抜歯してもらいましょう。
早期段階で抜歯すれば、それほど歯並びや咬み合わせに影響はでません。
しかし、抜歯する時期が遅くなるほど、歯科矯正が必要になります。
自分で乳歯を抜く方法
自分で子どもの歯を抜く場合、清潔な手で揺らすとポロっと抜け落ちる場合があります。
歯を揺らしてもポロっと抜け落ちない場合は、歯を動かしても痛みがないことを確認して、真っすぐ引っ張ってみましょう。
歯が抜けて出血していたら、清潔なガーゼを噛んで止血してください。
自分で乳歯を抜くときの注意点
グラグラした子どもの歯を手で揺らして痛みがある場合、まだ抜けるまでに時間がかかります。
2週間たっても抜けない場合は、歯科医に相談しましょう。
また、痛みがある場合や歯茎に腫れがある場合は、自分で抜かずに歯科医で診察を受けてから抜歯してもらってくださいね。
抜けた乳歯はどうする?
抜けた子どもの歯は水でさっと洗い、水気をふき取ってから不織布などに包み保管しましょう。
専用のケースを用意する場合は、防虫・防カビ効果がある桐箱がおすすめです。
抜けない乳歯を放っておいたらどうなる?永久歯への影響は?
抜けない子どもの歯をそのままにしておくと、むし歯になりやすくなったり歯並びが悪くなったりする可能性があります。
永久歯への影響をくわしく解説していくので、心配な人はチェックしておいてくださいね。
- むし歯になりやすい
- 歯並びが悪くなる
- 永久歯が生えてきたのに乳歯が抜けないときはどうしたらいいのか
むし歯になりやすい
子どもの歯は大人の歯よりも柔らかくむし歯に弱いです。
とくに、グラグラして痛みがあると、意識して歯磨きを避けてしまうので、磨き残さないように注意しましょう。
乳歯のむし歯は進行が早いので、他の健康な歯を守るためにも乳歯がなかなか抜けない場合は歯科医に相談してみてくださいね。
歯並びが悪くなる
子どもの歯が抜けずに大人の歯が歯茎から頭を出してしまうと、歯並びや咬み合わせが悪くなってしまう可能性が高いです。
また、永久歯に生え変わらずそのまま放置してしまうのも、かみ合わせに影響を与えるためよくありません。
「永久歯が生えてきたのに乳歯が抜けない」、「永久歯が生える気配がない」というときは、歯科医の診察を受けましょう。
永久歯が生えてきたのに乳歯が抜けないときはどうしたらいいのか
大人の歯が生えてきたのに子どもの歯がなかなか抜けないということもあるでしょう。
乳歯を避けて永久歯が生えてきてしまうと、いわゆるガチャ歯と呼ばれる状態になってしまいます。
なるべく早く歯科医に行き、乳歯を抜歯してもらいましょう。
乳歯が抜ける順番や永久歯に生え変わる時期
子どもの歯が抜ける順番が最も早いのは、下の前歯です。
前歯4本が抜けたところで、前歯から2番目、3番目と順に抜けていきます。
生え変わりの時期は個人差が大きいですが、目安は以下の表の通りです。
歯の場所 | 歯が抜ける年齢の目安 |
---|---|
前歯 | 6歳~8歳 |
前から2番目の歯 | 7歳~9歳 |
前から3番目の歯 | 9歳~12歳 |
前から4番目の歯 | 10~12歳 |
奥歯 | 10~12歳 |
永久歯に生え変わったときに注意したいこと
子どもの歯から大人の歯に生え変わったばかりの時期は、慎重に歯や歯茎を観察しておく必要があります。
万が一、歯茎の腫れなどの異常が見られる場合は、すぐに歯科医で診察を受けましょう。
歯茎の腫れ以外にも、下記ポイントには注意が必要です。
- 歯茎から頭をだしたばかりの永久歯はむし歯になりやすい
- 永久歯が乳歯を避けて生えてきたら歯科医に相談する
- 生え変わり時期に歯茎が腫れたら歯科医に相談する
- 念入りに歯磨きをする
歯茎から頭をだしたばかりの永久歯はむし歯になりやすい
歯は唾液の中に含まれているミネラルやカルシウムを取り込み、硬く強い歯になっていくため、歯が生えはじめてから2年間程度は、歯質が弱くむし歯になりやすい傾向にあります。
そのため、歯茎から頭をだしたばかりの永久歯は、しっかり歯磨きをしてむし歯にならないようケアしなくてはいけません。
また、定期的に歯科検診を受けて、フッ素を塗布してもらうのもおすすめです。
永久歯が乳歯を避けて生えてきたら歯科医に相談する
大人の歯が子どもの歯を避けて生えてきてしまったら、歯並びが悪くなってしまうのですぐに歯科医に相談しましょう。
早い段階であれば、乳歯を抜歯するだけできれいな歯並びに治る可能性があります。
しかし、長い間放っておいて永久歯がしっかり生えてきてしまうと、歯並びを治すためには歯科矯正をしなければいけません。
生え変わり時期に歯茎が腫れたら歯科医に相談する
子どもの歯がグラグラして生え変わりの時期に歯茎が腫れてしまったら、歯茎に細菌がたまって炎症を起こしている可能性があります。
この場合、歯が抜けてしまえば腫れは引きますが、むし歯になってしまう可能性もあるので、歯科医に相談するのがおすすめです。
あまりにも腫れがひどい場合は、炎症を抑える薬を使用したり、歯茎を取り除いたりする治療を行うこともあります。
念入りに歯磨きをする
子どもの歯や生えはじめの大人の歯は非常に弱く、むし歯になりやすい傾向にあります。
生え変わりの時期はこれまで以上に念入りに歯磨きをして、むし歯予防をしましょう。
定期検診でフッ素を塗布してもらったり、シーラントを処置してもらうのもおすすめです。
二週間以上グラグラの乳歯が抜けないときは歯科医に行くのがおすすめ
グラグラしてきた乳歯がなかなか抜けないときは、自然と抜けるまで様子をみて、抜けそうであれば親御さんが抜いてしまっても問題ありません。
しかし、歯や歯茎に痛みをともなう場合や、二週間以上歯が抜けない場合は、歯科医に相談してみてください。