食事の邪魔をする口内炎ができてしまったら、一刻も早く治したいと思うものでしょう。そこで本記事では、口内炎を早く治す8つの方法をくわしく解説します。この記事で紹介する方法のなかには、日ごろから取り入れることで口内炎予防に有効的なものもあるので、口内炎の発生リスクを抑えたい方もご一読ください。
口内炎ができる原因
口内炎ができる原因は実にさまざまです。大きく分けると以下の7パターンに分類できます。
<口内炎ができる原因>
- 疲労・ストレス
- 栄養バランスの乱れ
- 口腔内の乾燥
- 外傷
- 細菌・ウイルス
- 歯磨き粉・薬
- 病気
疲労やストレスがたまったり、栄養バランスが乱れたりすると、免疫力が低下して細菌の繁殖を防ぎにくくなって口内炎の発症リスクが上がります。また、誤って噛んだり、矯正器具が干渉したりすることによって発生した外傷や、何らかの病気が口内炎を引き起こすこともあるため注意しましょう。
口内炎は発生から1~2週間以内の治癒が普通です。仮に発生から2週間が経過しても快方に向かわなかったり、悪化したりした場合は別の病気が潜んでいる可能性もあります。くわしくは【口内炎がなかなか治らない場合は医療機関で受診しよう】で解説しますが、不安な場合は歯科医に相談して検査を受けましょう。
唇や舌にできた口内炎を早く治す8つの方法
唇や舌にできた口内炎を速やかに治すためには、以下8つの方法が有効です。
<唇や舌にできた口内炎を早く治す8つの方法>
- 薬を塗る
- ビタミンB群を多く含んだ食べ物を摂る
- 口内炎を悪化させやすい食べ物・飲み物を避ける
- 栄養バランスのとれた食生活を送る
- 日常生活でのストレスを減らす
- 口腔内を清潔に保つ
- 口腔内の乾燥を防ぐ
- 虫歯を治療する
インターネット上で見かけることのある噂の真偽も交えながら解説しましょう。
①薬を塗る
口内炎は1~2週間の自然治癒が普通ですが、市販薬を使うと完治までの期間をさらに短縮できる可能性があります。また、薬の種類によっては痛みを抑える作用にも期待できるため、そのまま放置して治すのを苦痛に感じるならば市販薬を使って治療しましょう。
市販薬は主に「テープ」「スプレー」「塗り薬」の3種類です。塗り薬は早い効き目に期待できますが、患部に触れた際に強い痛みをともなうならば最適とはいえません。患部に直接触れたくない場合はテープタイプを、広範囲に口内炎ができている場合はスプレータイプを選ぶなど、症状にあわせて薬の種類を使い分けましょう。
②ビタミンB群を多く含んだ食べ物を摂る
ビタミンB群が不足すると粘膜が弱くなり、些細なことでも口内に傷が付きやすくなります。ここから細菌が侵入して口内炎へと発展するパターンが多いため、免疫力を維持するためにビタミンB群を多く含んだ食べ物を摂りましょう。
【ビタミンB2、B6を多く含む食べ物】
種類 | 多く含む食べ物 |
---|---|
ビタミンB2 | 牛・豚レバー、魚類、納豆など |
ビタミンB6 | 牛レバー、鶏のささみ、まぐろ、ピスタチオ、ヒマワリの種、にんにくなど |
食生活だけで改善を見込めない場合は、ビタミンを摂取できるサプリメントの利用がおすすめです。必要な量のビタミンを無理なく毎日摂取できるため、効率よく体質を改善できるでしょう。
はちみつが口内炎に有効的って本当?
はちみつが口内炎に有効的との説をインターネット上で見かけることがあります。たしかにはちみつには高い殺菌作用がありますが、薬としての作用には期待できません。喉の痛みを抑えるなど一定の作用を発揮する可能性がありますが、はちみつを塗り薬のように使うと逆効果になるためやめましょう。
③口内炎を悪化させやすい食べ物・飲み物を避ける
以下のような特徴を持つ食べ物・飲み物は、口内炎を悪化させる恐れがあるため避けるべきです。
<口内炎を悪化させやすい食べ物・飲み物の特徴>
- 辛いもの
- 味が濃いもの
- 熱いもの
- 糖質が多いもの
このような刺激物は口内炎を刺激して悪化させるリスクがあるほか、痛みを増幅させる恐れもあるため注意しましょう。また、糖質が多い食べ物を摂取すると、口腔内の環境を改善させるために必要なビタミンB群を過剰に消費させることがあります。口内炎を悪化させないために、お米や麺類などの糖質が多い食べ物も避けましょう。
④栄養バランスのとれた食生活を送る
先述したビタミンB群やビタミンAなどを含む、栄養バランスのとれた食生活を送ることもポイントです。これらの栄養素が不足すると免疫力が低下するほか、新陳代謝まで阻害する恐れがあります。サプリメントも活用しながら、バランスのよい食生活を送りましょう。
⑤日常生活でのストレスを減らす
日常生活のストレスを減らして疲労を回復させることも、口内炎を早く治すための重要な要素です。ストレスが原因で免疫力が低下すると、口内炎の発生率が上がってしまいます。ストレスを完全に排除するのは困難ですが、リラックスできる時間や趣味の時間を極力増やして、口内炎を治しやすい体質に改善しましょう。
⑥口腔内を清潔に保つ
口腔内を清潔に保つことで細菌が減り、口内炎から回復するスピードを速められます。口内炎が痛むと歯磨きがしにくくなりますが、傷口に刺激を与えないように注意しながら十分にケアしましょう。どうしても歯ブラシを使えない場合は、定期的に口をすすぐなどの方法でのケアがおすすめです。
⑦口腔内の乾燥を防ぐ
口腔内が乾燥すると細菌が繁殖しやすくなるため、乾燥を極力防ぎましょう。定期的に水分補給を行うと有効です。口呼吸が癖になっている場合、口腔内が乾燥した状態が続きやすいため、歯列矯正で歯並びを直すなどの方法での改善をおすすめします。
⑧虫歯を治療する
虫歯が原因で痛んだり、違和感を覚えたりする箇所はつい舌や指で触ってしまうものです。結果として舌に傷が付き、その部分から細菌が侵入すると炎症を起こし、舌に口内炎ができてしまいます。虫歯や欠けた歯がある場合は放置せず、適切な治療を受けましょう。
口内炎がなかなか治らない場合は医療機関で受診しよう
先述したとおり、口内炎は発症から1~2週間での完治が普通です。2週間が過ぎてもまったく治る素振りが見えない場合や、悪化の兆候が見られる場合は、医療機関で検査を受けましょう。検査の結果、以下のような病気が見つかることもあります。
<口内炎とよく間違えやすい病気>
- 白板症
- 舌がん
- 口腔がん
舌がんや口腔がんが見つかったとしても、すぐに治療できれば大事には至らないケースがほとんどです。万一の事態を避けるためにも、異常や不安を覚えたらすぐに検査を受けることをおすすめします。
まとめ
口内炎を早く治す方法はいくつもあります。市販薬を使いつつ免疫力を高め、できる限り細菌を減らす努力が口内炎を素早く完治させるためのコツです。
口腔内をくわしく検査したいとお考えなら、高輪クリニックをご利用ください。当院では歯科と医科が連携し、あらゆる病気の可能性を視野に入れながら検査を行っています。口内炎治療のみならず、白板症や舌がん・口腔がんの検査にも対応が可能です。