かわいい子どもの口が、もしかして臭い…?
子どもの口臭に悩む親御さんは意外と多く、このまま口臭が治らないのかと心配される方もいます。
子どもの口臭は、うんち臭い、ドブ臭い、酸っぱい臭いなど、臭いに特徴があります。
大人の口臭の原因は歯周病がほとんどですが、子どもの場合はいくつかの原因が考えられます。
原因を特定できれば、家庭で対策ができるようになります。
なぜ子どもの口が臭いのか、どのようにフォローしてあげればよいのかをご紹介します。
子どもの口臭の原因
大人の口臭は歯周病が原因の場合が多いですが、子供の口臭は様々な原因があります。
まずは口臭の原因を考えると、対策方法もわかってきます。
子供の口臭には、以下のような原因が考えられます。
- 口呼吸で乾燥している
- 虫歯など口腔トラブル
- ストレスなど精神的要因
- 糖尿病による口臭
- ドブ臭い口臭は口の乾燥
- うんち臭い口臭は腸内環境
- 酸っぱい口臭は胃の不調
- 寝起きの口臭は問題なし
- 生理的口臭も心配なし
それぞれ詳しくご説明します。
口呼吸で乾燥している
子供の口臭で最も多いのが、口呼吸が原因になってしまっているものです。
口呼吸になると、口の中が乾燥してしまいますので、唾液の量が減ります。
唾液は細菌を抑制する働きがありますので、唾液が減ると口腔内の雑菌が増え、口臭につながります。
唾液は消化の補助をするだけでなく、お口の健康を守る役割があるのです。
口が閉じられない
口呼吸になっている要因として、子供の口が開きっぱなしになっている場合があります。
- 夜寝る時に口が開いている
- 口の周りの筋肉が弱い
就寝時だけでなく、日常的に口呼吸になっている子供もいますので、チェックしてみてください。
また幼少期に硬い食べ物をあまり食べていないと、口周りの筋肉が発達せずに口呼吸になってしまう場合もあります。
マスク生活も口の周りの筋肉が弱くなりやすい傾向があり、マスクの中で口呼吸になってしまっていないか注意が必要です。
鼻詰まりで口が乾燥
「アデノイド増殖症」という、鼻の奥のアデノイドの肥大が起きてしまう病気や、「アレルギー性鼻炎」「喘息」などが原因で、鼻が詰まってしまうために口呼吸になってしまう子供もいます。
よく鼻が詰まってしまうというお子さんは、苦しくて口呼吸に頼ってしまいがちです。
鼻詰まりの症状に関しては、耳鼻咽喉科との連携での治療が必要になります。
歯並びが悪くて口呼吸に
出っ歯などの歯並びが原因で、口が閉じにくく、口が開いたままになってしまう子供もいます。
口呼吸を続けていくと鼻腔の成長が遅れて、噛み合わせが悪くなってしまうという悪循環も起きてしまいます。
このように歯並びと口呼吸は関係がありますので、歯列矯正をするだけでなく、口呼吸矯正にも真剣に取り組む必要があるでしょう。
虫歯など口腔トラブル
歯磨きが上手にできていなくて、虫歯や歯周病になり口臭がでる場合もあります。
食べカスなどの磨き残しが溜まっていくと口臭の原因になりますので、必ず仕上げ磨きをしてあげるようにしましょう。
3歳頃から自分で歯磨きをしていると、なんとなく歯磨きができているように見えるかもしれません。
しかし充分には磨けていませんので、8~9歳頃まで仕上げ磨きをしてあげられるのが目安です。
永久歯が生えそろうのは12歳頃なので、12歳頃までサポートをしてあげるといいでしょう。
ストレスなど精神的要因
子どもの口臭の原因に、ストレスもあります。
大人が気付かないうちに、学校や習い事などがストレスになってはいないでしょうか。
緊張やストレスを感じると、唾液の分泌量が減少して、口が乾燥してしまいます。
外出先でのストレスだけでなく、家庭内でストレスになっている事柄がある場合もあります。
期待が過度なプレッシャーになっている子どももいますので、ストレスがかかっている場合は早めに解決に導いてあげる必要があります。
糖尿病による口臭
糖尿病によってインスリンが低下すると生成される、アセトンという物質の影響で口が酸っぱいような独特のにおいを発する場合もあります。
また糖尿病は口が乾くという特徴もありますので、口が乾燥しやすくなります。
2型糖尿病は、家庭での食生活や運動習慣が関係してきますので、家庭でのケアが改善のカギとなります。
ドブ臭い口臭は口の乾燥
子どもの口臭の臭いがドブのような臭いであれば、口の乾燥が原因と考えられます。
口の乾燥の理由は先述した通りですが、軽視せずに家庭内で対策をとっていく必要があります。
うんち臭い口臭は腸内環境
子どもの口からうんちのような臭いがする時は、腸内環境の乱れを疑います。
胃腸炎のような病気に罹患しているのであれば、胃腸炎の治療で口臭も改善されるでしょう。
慢性的な便秘が原因で口臭がうんち臭い場合には、食生活を意識した方がいいかもしれません。
肉ばかり食べていたり、甘いお菓子を食べてばかりいると、悪玉菌が増えて腸内環境が乱れていきます。
腸内環境の乱れは口臭だけでなく、様々な不調を引き起こす原因になりかねません。
食生活は毎日の習慣になるものなので、家庭でのサポートが欠かせません。
酸っぱい口臭は胃の不調
酸っぱいような口臭だと感じたら、胃の不調を疑います。
消化不良などで胃の中に食べ物が停滞していると、通常は腸で発酵されるはずですが、胃で発酵が始まってしまいます。
胃や腸の不調が口臭の原因になってしまっている場合は、歯磨きをしても臭いはとれません。
根本的な原因となる病気を治す必要があります。
寝起きの口臭は問題なし
寝起きは大人でも口臭を感じる場合が多い時間帯で、大きな病気の心配はないでしょう。
就寝時は唾液の分泌量が減るので、口の中の雑菌が繁殖しやすい状態になってしまっています。
幼児期は起床時の歯磨きをしている子どもはまだ少ないかもしれませんが、小学生でまだ起床時の歯磨きの習慣がない場合は、習慣付けていけるといいでしょう。
生理的口臭も心配なし
食べた物のにおいによって発生する口臭も、病気の心配はありません。
ニンニクやキムチなど、においの強い食材を食べた後は、口臭があるのが普通です。
子どもの口臭ケア
子どもの口臭の原因がわかったら、適切なケア方法でアプローチしていきましょう。
家庭でサポートできる口臭対策は、こちらです。
- 口呼吸による乾燥を改善させる
- 根本的な口呼吸を治す
- 歯磨きのサポート
- 定期健診を欠かさない
- 日々のストレスの軽減
- 腸内環境を整えてあげる
- 胃に負担をかけさせない
きちんと悩みを解決できる方法を、無理なく取り入れていきましょう。
口呼吸による乾燥を改善させる
子どものが口呼吸になってしまっているのであれば、お口が乾燥してトラブルを引き起こします。
乾燥対策に、以下のような方法を試してみてはいかがでしょうか。
こまめな水分補給
口呼吸による乾燥が気になる場合は、まずはこまめな水分補給を心掛けましょう。
冬場は加湿器で室内の湿度を保つなどして、フォローしてあげます。
水分補給をする際は、ジュースなど糖分のある飲料は控えて、水かお茶を選ぶようにしましょう。
意識的に唾液を分泌させる
口呼吸によって唾液の分泌量が減ってしまうのが大きな問題なので、唾液の分泌を促すようによく噛むようにしてみましょう。
ガムを噛んでみたり、食事を和食中心にして咀嚼回数を増やすようにすると、唾液の分泌量が増えます。
また、唾液の分泌は自律神経によって調整されていますので、睡眠時間をしっかりととるのもおすすめです。
リラックスして過ごせるような時間を作ってあげて、早めに眠りにつかせてあげましょう。
仰向けに寝る
うつ伏せで眠ると口呼吸になりやすいので、鼻で呼吸しやすくするために仰向けで眠るのがおすすめです。
口呼吸で寝る人は、自然とうつ伏せを好むようになっていきます。
子どものうつ伏せ寝が習慣になる前に、仰向けで寝かせられるようにしていきましょう。
根本的な口呼吸を治す
口呼での乾燥を潤せたとしても、根本的な口呼吸が治せなければ、あまり意味がありません。
口呼吸を治す方法は、いくつかあります。
口呼吸改善のトレーニング
口呼吸を改善するために簡単にできるトレーニングとして、「あいうべ体操」「ポッピング」というトレーニングがあります。
舌の筋肉や、口の周りの筋肉を鍛えていくと、口を無理なく閉じられるようになります。
口呼吸改善のトレーニングは無料でどこでも始められますので、筋肉を鍛えていけるといいでしょう。
口呼吸テープ
就寝時に口呼吸になってしまっている子どもに、口呼吸テープを使用するという方法もあります。
ドラッグストアで購入してもいいですし、普通のサージカルテープを貼って寝るだけでも大丈夫です。
最初のうちは、夜中に剥がれてしまったりしますが、気にせず続けていきましょう。
テープでかぶれたりする場合には、無理しないでください。
病院を受診する
口呼吸の相談をするのであれば、歯科医院か耳鼻咽喉科になります。
口呼吸の相談だけで受診するのが気になるようであれば、歯科の定期健診の際などで相談してみるといいでしょう。
歯磨きのサポート
子どもの歯磨きは、親がきちんと見守ってあげなくてはいけません。
虫歯を作らない、口臭を気にさせない、など、正しい口腔習慣をつけてあげる必要があります。
虫歯を作らない生活習慣には、このようなポイントがあります。
- 朝食を摂る
- ダラダラ食べNG
- 起床直後の歯磨き
- 就寝前の歯磨き
毎食後に歯磨きができればいいですが、給食後など歯磨きができない時間もあるはずです。
お菓子をダラダラと食べ続けないで時間を決めて食べる、歯磨きの時間を決めて必ずする、など、大切なポイントを絞ってやっていきましょう。
また、1日の中で最も大切な歯磨きは、就寝前です。
他の時間の歯磨きよりも丁寧に、気持ちもスッキリできるように、習慣付けていきましょう。
定期健診を欠かさない
歯科の定期健診は、虫歯がなくても、痛みや気になる箇所がなくても、3~6ヶ月に1回を目安に通いましょう。
子どもはクリーニングをしたり、フッ素を塗ったりと基本的な内容ですが、同時に歯の生え変わりを確認したり、歯磨きの指導をすることもできます。
虫歯の予防はもちろん、摂食機能の確認や、食育などのサポートをする場合もあります。
また歯医者さんに通うようになると、子ども本人の意識も上がりますのでメンタル面でも虫歯予防に効果的と言えるでしょう。
日々のストレスの軽減
ストレスが原因で口臭になっている場合には、ストレスの原因になっている事柄を取り除いてあげなくてはいけません。
ストレスを抱えた子どものサインは、すぐ泣く、怒りっぽいなど、感情に表れる場合もあります。
口臭だけでなく、他のサインも出ているようであれば要注意です。
ストレスの要因になるような物を排除するのと同時に、ストレス発散方法を見つけておくのも対策のひとつになります。
腸内環境を整えてあげる
腸内環境を整えてあげると、口臭だけでなく、排便のペースがつかめたり、免疫力がアップしたりと健康的に過ごせるようになります。
毎日の食事で負担になってはいけませんので、納豆やヨーグルトなどの発行食品をプラスさせるだけでも良いでしょう。
乳酸菌飲料は飲みやすくて、子どもも好きな子が多いようです。
まずは親も子どもも負担にならないような、簡単な方法から始めてみてください。
胃に負担をかけさせない
胃に負担がかかる食事とは、揚げ物やスパイスなど刺激が強い物です。
子どもは、満腹の加減がよくわからずに食べ過ぎてしまう日もあるでしょう。
胃に負担のかからない食べ物とは、卵やスープ、豆腐、赤身の肉、魚などです。
特に病気にかかっていなくても、口臭で胃に負担がかかっているサインが出ているのであれば、胃を休めるような食事を心掛けてみてください。
将来的に口臭恐怖症の危険
口臭恐怖症とは、病院で口臭がないと診断されたとしても、口臭が気になってしまう症状です。
子どもの頃に、「母親に口臭を指摘された」「友達に口臭の話をされた」などの記憶が残って、大人になって口臭恐怖症になってしまう人もいます。
実際に口臭はありませんので、精神的な問題となります。
子どもだからといって軽く注意をしたつもりでも、本人の心の傷に残る場合もあります。
子どもの口臭に関しては、親もデリケートな問題と捉え、寄り添ってケアをしていきましょう。
子どもの口臭対策には親が不可欠
子どもの口臭対策は、一人ではできません。
簡単な対策だとしても、親がフォローしてあげる必要があります。
歯科や耳鼻咽喉科など、ドクターに相談できる場所もありますが、家庭でできる対策もあります。
食事や歯磨きの毎日の習慣も大切になってきますので、基本的な生活習慣を整えてあげられるようにしましょう。