線維芽細胞移植による
しみ・しわ・たるみ改善
線維芽細胞移植とは、患者様ご自身の耳の裏側から肌細胞(真皮線維芽細胞)を採取し、厚生労働省の認可を受けている専門の施設で培養を行い、薬剤として投与するお肌の再生医療(細胞治療)です。
培養施設で、患者様ご自身の肌細胞を約10,000倍に増殖させて、肌細胞をお肌のしわ、たるみ、くすみ、しみ、目の下のクマなどが目立つ部位に投与します。それにより、老朽化が進んだお肌の改善を期待することができます。
また、線維芽細胞移植で用いる培養した「若い肌細胞」は、マイナス196℃の液体窒素タンクの中で半永久的に保管することができるため、数年・数十年たっても年齢を重ねない自分自身の肌細胞を、定期的にメンテナンスに利用できるのです。長い期間をかけて治療を継続することにより、お肌の老化のスピードを遅らせる効果を期待することが可能となります。
お肌のつくりは、表皮・真皮・皮下組織の3層からできています。表皮は約0.1mmの深さを持つ組織で、外部の刺激や乾燥から皮下組織を守るためにあり、いわばコンクリートのような存在です。丈夫なつくりになっているので、市販の美容液なども含め、お肌の内側に浸透しにくく、ほとんど弾いてしまいます。
真皮は約2.0mmの深さを持つ組織で、表皮を支える役目を持っており、肌のハリを保ちます。ハリ・ツヤ・潤いのある若々しいお肌は、皮膚の土台となる真皮がしっかりとしていることが条件となっています。
加齢などによる老化により、表皮が衰えた場合には、くすみ・しみ・カサつきなどの症状が見られるようになります。
一方、真皮が衰えた場合は、組織が変性して肌の弾力が衰えるため、しわ・たるみ・目の下のクマなどを発症するようになります。
肌細胞の働きとは(真皮を構成する3大要素)
肌細胞は、お肌の中でも土台となる真皮を構成する3大要素である、コラーゲン(ハリ・弾力性の維持)・ヒアルロン酸(保湿)・エラスチン(保湿・弾力性の維持)の生成とメンテナンスを行う重要な組織です。
ヒトの体は加齢によって肌細胞を維持する力を自然に失っていきます。個人差はあるものの、20代から肌細胞は急激に減少を始めます。その後、減少をどんどん続けて50代には20代の頃の約半分まで肌細胞は減少し、お肌の老朽化が進んで、シワ、たるみ、くすみ、シミ、目の下のクマなどが目立つようになります。
このような状態になったお肌を治療し、若々しい理想的なお肌を取り戻すための効果が期待できる治療方法が、線維芽細胞移植と呼ばれるお肌の再生医療(細胞治療)なのです。
このような
お悩みの方が
受けられております
- 法令線・シワを改善したい
- 目元のシワを改善したい
- 口角のシワ・たるみを改善したい
- 目の下のクマを改善したい
- 首のシワ・たるみを改善したい
- 額のシワを改善したい
線維芽細胞移植は老化現象の進行を遅らせるエイジングケア効果が期待できます
肌細胞は、加齢と共に減少して、老化現象を引き起こします。そこで、線維芽細胞移植を行い、衰えたお肌の細胞内に約10,000倍に増殖させた真皮線維芽細胞を注入することで、肌細胞の数を補充させることができます。
それにより、お肌が持つ本来の機能を取り戻すエイジングケア効果を期待することが可能となります。具体的には、シワ、たるみ、くすみ、シミ、目の下のクマなど、お肌にみられるあらゆる老化現象の改善を見込むことができます。
また、線維芽細胞移植した細胞が新たに生成するコラーゲン・ヒアルロン酸・エラスチンは、皮膚内に着実に蓄積されていくため、お肌のハリ・ツヤ・潤いが取り戻され、肌質改善の効果を期待することが可能です。
厚生労働省から認可を受けた「医道メディカルCPC(細胞培養センター)」で肌細胞を培養
患者様から線維芽細胞移植を行うためにお預かりした肌細胞は、厚生労働省の認可を受けた、「医道メディカルCPC(細胞培養センター)」によって、徹底した安全管理のもとで保管・培養が行われます。
具体的には、以下のような管理体制が実施されています。
- 施設自体を4つの区域のクリーンルームに分けて清浄度を管理
- 24時間稼働の無菌室を完備し、室圧および温度などの調整を管理
- 教育訓練を受けた者のみが入室可能な部屋でコンピュータ管理
若いころの肌細胞を「細胞保管セルバンク」で半永久的に保存し、定期的に使用可能
「細胞保管セルバンク」とは、「CPC(細胞培養センター)」が運営する肌細胞の保管場所で、いわば肌細胞の金庫のような施設です。
線維芽細胞移植を行うために抽出した肌細胞を、マイナス196度という低温の液体窒素タンクに浸し、半永久的に凍結保存することが可能となります。
線維芽細胞移植は1度の投与でも治療効果を期待することはできますが、長期間にかけて継続的な治療を実施することで、老化現象の進行を遅らせる効果を見込むことが可能です。
そのため、線維芽細胞移植を行う患者様に対し、当クリニックでは「細胞保管セルバンク」での肌細胞の保管をおすすめしております。
※ただし、「細胞保管セルバンク」での細胞保管は別途保管料が発生するため、その点はご了承ください。
線維芽細胞移植は1〜2年に1度のメンテナンスで長期的な治療が可能
どれだけ美容整形や美容療法を行っていたとしても、加齢と共に生じる老化現象に、完全に逆らうことはできません。そのため、お肌のエイジングケアを行う場合には、その進行スピードをどれだけ遅らせるかが重要となります。
線維芽細胞移植を行うために培養した肌細胞を「細胞保管セルバンク」に保管しておいていただければ、細胞採取時の肌細胞をいつでもお肌に補充することができるため、患者様の健康的なお肌を維持し続けるための環境を整えることが可能です。
当クリニックでは、線維芽細胞移植のメンテナンス期間としては1〜2年に1度の施術をおすすめしております。詳しくは医師よりご説明いたします。
実際の症例
施術の流れ
1カウンセリング
まずは、患者様の気になる老化現象の症状などについて、詳しくカウンセリングを行います。線維芽細胞移植の具体的な治療方法や、肌細胞の保管方法などについても、詳しくご説明いたします。
2血液検査(感染症検査)
血液検査をいたします。検査項目は、1.梅毒、2.HBV(B型肝炎)、3.HCV(C型肝炎)、4.HIV、5.HTLV-1(成人T細胞白血病)です。
検査結果は1週間後に出ます。その際に、感染症検査の結果が陽性の場合、治療を受けることができません。
3皮膚採取(細胞の採取)&血液採取
感染症検査の結果が陰性の場合、患者様の耳裏の皮膚を米粒ほどの大きさ(1cm×0.5cm程度)で採取します。局所麻酔(別途費用)を使用するため、痛みはほとんどありません。
創部は丁寧に縫合し、絆創膏で固定します。約1週間で治癒するため、その後当クリニックにて抜糸を行います。
※採取した皮膚の状態が悪く、規格に準じた細胞数が作成できない場合、皮膚を再採取することがあります。
皮膚採取の同日に、肌細胞を培養する際に必要となる血液を採取します。採血量は約140mlですが、医師の判断で変わる場合もあります。
4細胞培養
「CPC(細胞培養センター)」に患者様の肌細胞を輸送し、真皮線維芽細胞を約10,000倍に増殖・培養されるのを待ちます。培養期間は5週間程度となります。
5真皮線維芽細胞の移植→再移植
肌細胞の培養期間を終えた後、真皮線維芽細胞を患者様の気になる部位に、非常に細い針の注射器を用いて細かく移植していきます。移植時間は1ccあたり約15分程度です。また、表面麻酔(別途費用)を行いますので、痛みに弱い方も安心して治療を受けていただけます。
本治療は1回に治療できる範囲・移植量が限られています。そのため、検診にて真皮線維芽細胞の移植が必要と判断された場合、追加の移植を行います。
ダウンタイムなど
時間 | 皮膚採取・採血→1時間程度 肌細胞移植注入→1時間程度 |
麻酔 | 表面麻酔、局所麻酔 |
通院 | 耳の後ろの抜糸は1週間後に行います。 1回目の細胞移植後、1週間~3週間後に2回目の移植で通院していただくのが望ましいです。その後、1ヵ月後、3ヵ月後、6ヵ月後、1年後に検診を行います。 |
腫れ・痛み・内出血 | ・皮膚採取後は、2~3日は痛みや熱感があります。 ・皮膚採取の傷跡は耳の後ろのため、ほとんど目立ちません。1ヵ月程赤みがありますが、時間をかけて徐々に目立ちにくくなります。 ・細胞移植直後は、注入部に凹凸や針跡が出現しますが、1~2日でほとんど目立たなくなります。 ・細胞移植後は、注入部が少し腫れた状態になりますが1週間程で軽減します。(稀に1週間以上続くこともあります) ・注入部位は注入直後から内出血や鈍痛などが現れることがありますが、通常は1~2週間で軽減します。 |
メイク | 当日から可能ですが、注入部を強く擦ることは控えてください。 |
入浴・洗顔 | 当日の洗顔は可能ですが、1週間程は強く擦らないようにしてください。 入浴は翌日から可能です。 |
運動 | 激しい運動は翌日以降に行ってください。 |
施術部位への刺激 | 当日は施術部位への刺激はお控えください。 |
リスク・副作用・合併症について | ・アレルギー反応を起こす可能性は非常に低いですが、ごく稀に起こる可能性があります。 ・一過性の色素沈着を起こすことがあります。 ・内出血が出ることがありますが、1~2週間で消失します。 ・施術の結果には個人差があります。 ・腫れの引き方や経過は各人各様ですので、医師が説明することはおおよその予測と御承知ください。 |
禁忌 | 以下の条件に当てはまる患者様は、本治療をお受けになることができない場合があります。 ・ガン治療中の方(抗ガン治療、放射線治療) ・局所麻酔やヒアルロン酸に対してアレルギーのある方 ・妊娠中、または妊娠している可能性がある方 ・ヒトインスリンに対して過敏症の既往歴がある方 ・抗生物質に対して過敏症の既往歴がある(細胞培養工程において抗生物質であるタゾパクタムナトリウム、ピペラシリンナトリウムを使用するため) ・注入部位に人工物が入っている方 ・梅毒、HBV(B型肝炎)、HCV(C型肝炎)、HIV、HTLV-1(成人T細胞白血病)の感染症がある方 ※血液検査で、陽性が出た場合は治療が受けられません。 |
《超低酸素培養幹細胞》
超低酸素培養(hypoxic culture)は、幹細胞を含む細胞を、その細胞が体内で経験するより自然な酸素濃度で培養する技術です。体内の多くの組織では、酸素濃度は大気中の約21%よりもずっと低く、約1%から7%の範囲です。この条件下で培養された幹細胞を用いた再生医療には、以下のような利点があります。
1幹細胞の機能の向上
超低酸素条件は、幹細胞の自己複製能力と多能性を維持するのに役立ちます。これにより、細胞の質が向上し、治療に使用される際により効果的な結果が期待できます。
2細胞の生存率の向上
超低酸素培養は、移植後の細胞の生存率を向上させることが示されています。これは、低酸素環境が細胞の酸化ストレスを減少させ、アポトーシス(細胞死)を抑制するためです。
3炎症反応の軽減
超低酸素で培養された細胞は、移植後の炎症反応を軽減することが示されています。これは、これらの細胞が炎症を促進する因子の放出を減少させる傾向があるためです。
4細胞分化の制御
超低酸素条件下での培養は、特定の細胞型への分化を促進または抑制することができます。これにより、特定の治療目的に合わせて、より特化した細胞を生成することが可能になります。
5移植細胞の機能改善
超低酸素で培養された幹細胞は、移植後に標的組織での統合と機能の向上を示すことがあります。これは、これらの細胞が新しい環境に適応しやすく、組織修復においてより効果的に機能するためです。
6安全性の向上
超低酸素培養は、細胞の遺伝的安定性を維持するのに役立つ可能性があります。これは、高酸素条件下での培養がDNA損傷を引き起こす可能性があるのに対し、低酸素条件がそのリスクを減少させるためです。
私たちが超低酸素培養幹細胞を用いるのは、細胞の質と機能の向上、移植後の生存率の向上、炎症反応の軽減、細胞分化のより良い制御、及び安全性の向上など、多くの利点を提供します。
これらの利点は、様々な疾患の治療において、より効果的で安全な細胞療法の開発を可能にするからです。
治療前後の生理年齢計測
治療前後に生理年齢計測を行い、治療の効果を数値で見える化します。
① – SIRT1(サーチュイン)検査
IRT1活性検査(サーチュイン活性検査)は、サーチュイン(SIRT)という一群の酵素の活性を測定する検査です。サーチュイン酵素は、SIRT1からSIRT7までの7種類があり、寿命と健康の延長に関与するとされており、細胞の老化、代謝、炎症応答、DNA修復などを調べます。
② – 表現型寿命検査
表現型寿命検査は、個人の生物学的な年齢や寿命に関連する生物学的マーカーを評価する検査です。この検査は、DNAメチル化パターン、テロメアの長さ、特定のタンパク質や代謝産物のレベルなど、老化に関連するさまざまなバイオマーカーを分析することにより、個人の「生物学的年齢」を推定します。
③ – テロメア検査
テロメア検査は、個人のテロメアの長さを測定することにより、細胞の老化や健康状態に関する情報を提供する検査です。テロメアは、染色体の末端に位置するDNAの繰り返し配列で、細胞分裂の際にDNAが損傷するのを防ぐ保護的な役割を果たします。テロメアの長さは、細胞の老化プロセスと密接に関連しています。一般に、テロメアが短いほど、細胞の老化が進んでいると考えられます。
料金表
投与量 | 施術箇所 | 料金 |
自家培養真皮繊維芽細胞2cc | 目の周り | 1回 / ¥803,000(税込) |
自家培養真皮繊維芽細胞4cc | 全顔 | 1回 / ¥1,111,000(税込) |
自家培養真皮繊維芽細胞6cc | 全顔と首 | 1回 / ¥1,419,000(税込) |
自家培養真皮繊維芽細胞10cc | 全顔 | 1回 / ¥1,540,000(税込) |
お気軽にご相談下さい
選べる診療スタイル
365日