自閉スペクトラム症の人たちに共通する特性は対人関係を調整することの難しさとこだわりの強さです。それぞれの特性の強さや現れ方は子どもによって違いがあり、ある特性が特に強い場合や、成長に従って特性が変化することもありますが、先天的なものもありますので、特性を完全になくすことは困難です。
対人関係やこだわりの特性があることによって生活に支障を来していれば、「自閉スペクトラム症」と診断されます。この場合、行政上は「障害」として教育や就労などにおける特別な配慮や福祉的サービスの対象となります。逆に、特性があっても生活に支障を来していなければ診断されませんし、行政上の「障害」とみなされることもありません。特性そのものは病気や症状ではなく、その人特有の性質であり、生まれつきの特有の脳の働き方を反映した「個性」と捉えることもできます。