この記事では「子ども用フッ素入り歯磨き粉」について紹介していきます。
結論、子ども用フッ素入り歯磨き粉を選ぶことで、虫歯を予防することはもちろん、歯を強くすることにもつながります。
他にも「子ども用歯磨き粉の選び方」や「フッ素によるリスク」についても解説します。
ぜひこの記事を参考に、子ども用フッ素入り歯磨き粉について理解を深めてみてください。
子ども用フッ素入り歯磨き粉とは?
子ども用フッ素入り歯磨き粉とは、乳歯や永久歯の生え始めの虫歯や歯周病のリスクを予防する目的の子ども用歯磨き粉のことを指します。
子どもの生え始めた歯は、非常にデリケートな状態なので、フッ素が配合している歯磨きを使用することで、効果的に歯を守ることが可能です。
また、歯を強くする効果も期待できるため、外部からのダメージを最小限に抑えることにもつながります。
子ども用歯磨き粉の選び方
子ども用歯磨き粉の選び方を把握することによって、虫歯を予防することにもつながります。
具体的な子ども用歯磨き粉の選び方については、以下のとおりです。
- フッ素濃度
- 年齢に合わせたタイプ
- 泡立ちが少ない歯磨き粉
- 子供が好きなフレーバー
- 研磨剤無配合
それぞれの選び方について紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
フッ素濃度
フッ素濃度については、500ppm以上の歯磨き粉を選ぶことで、高い虫歯予防効果が期待できます。
フッ素が500ppm以下だと、明確な効果が認められていないため、あらかじめ注意が必要です。
年齢に合わせたタイプ
年齢に合わせたタイプで選ぶことで、より効果的に歯磨きをすることにもつながります。
具体的に年齢に合わせたタイプについては、以下のとおりです。
歯磨き粉のタイプ(年齢) | 特徴 |
シートタイプ(0〜1歳) | シートタイプを使用することで、歯磨きに慣れさせることができます。使い捨てができるため、手軽に使用することができます。 |
ジェルタイプ(1〜3歳) | 歯磨きに慣れてきたら、ジェルタイプの歯磨き粉を使うことで、歯の細かい隙間の汚れを落とすことができます。 |
ペーストタイプ(3歳以上) | うがいができるようになったら、大人と同様にペーストタイプの歯磨き粉を使用しましょう。 |
年齢に合わせて歯磨き粉タイプを使い分けることによって、歯磨きに対する抵抗を無くすことが可能です。
また、商品のラインナップが豊富なので、お子さんに合っている歯磨き粉を選ぶことをおすすめします。
泡立ちが少ない歯磨き粉
歯磨きに慣れていない状態で、泡立ちが良い歯磨きを選んでしまうと、口の中に違和感を感じてしまい、歯磨き自体に苦手意識を与えてしまう可能性があります。
また、泡立ちが良い歯磨き粉は、しっかりと口をゆすぐことが前提で使用するため、うがいができない子どもには不向きと言えるでしょう。
最初は、泡立ちが少ない歯磨き粉で歯磨きの練習をすることで、自分自身でしっかりとみがけているかどうか確認をすることが可能です。
子供が好きなフレーバー
子ども用歯磨き粉には、オレンジやグレープなどのフレーバーが付いている歯磨き粉があるため、楽しく歯磨きをすることにもつながります。
子どもが好きなフレーバーの歯磨き粉を選ぶことで、歯磨きは楽しいというイメージを与えられます。
また、子どもが飽きないように、何種類かのフレーバーを用意しておくことをおすすめします。
研磨剤無配合
研磨剤は、歯の表面に付着したプラークを落とすことができる効果がありますが、歯の表面を傷つけてしまうリスクもあるため、あらかじめ注意が必要です。
子供の歯は柔らかいため、研磨剤でもダメージを受けてしまい、逆に虫歯になりやすくなってしまうケースも少なくありません。
基本的に、子供用の歯磨き粉を選ぶ際には、研磨剤無配合を選ぶようにしましょう。
子ども用歯磨きにフッ素配合をおすすめする理由
子ども用歯磨きにフッ素配合をおすすめする理由については、主に以下3つが挙げられます。
- 歯の修復を促す
- 虫歯を予防する
それぞれの理由について紹介していきます。
歯の修復を促す
フッ素は、歯の修復を促すことができる「再石灰化」をサポートする機能があります。
食事をするとリンやカルシウムなどのミネラルが溶け出してしまい、虫歯になりやすいです。
しかし、フッ素による再石灰化は、初期虫歯を修復できます。
虫歯を予防する
フッ素は、虫歯菌が出している酸の生成を抑制できます。
歯の表面のエナメル質の成分にも結びつくことができるため、常に虫歯菌に強い歯を作り出す効果も得られます。
子どものフッ素塗布のタイミング
子どものフッ素塗布のタイミングを理解しておくことで、健康的な歯を維持させることにもつながります。
- 歯科医院でのフッ素塗布
- 自宅でのフッ素塗布
これから子どもにフッ素塗布をしたいと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
歯科医院でのフッ素塗布
歯科医院でのフッ素塗布は、個人差によって異なりますが、4〜6ヶ月に1回のペースで通うことをおすすめします。
マウスピースを装着してフッ素の泡を長時間浸透させたり、直接ジェル状のフッ素塗布をするなど歯科医院によってやり方は異なります。
自宅でのフッ素塗布
自宅でのフッ素塗布は、歯科医院のフッ素塗布に比べて、フッ素濃度が低く設定されています。
商品によって異なりますが、基本的に1日2回フッ素塗布を行い、歯の虫歯対策を行ってください。
フッ素によるリスク
フッ素によるリスクを把握しておくことで、健康を害してしまう可能性を減らすことにもつながります。
具体的なフッ素によるリスクについては、以下2つが挙げられます。
- 急性中毒
- 慢性中毒
それぞれのリスクについて紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
急性中毒
一度に大量のフッ素を摂取してしまうと、急性中毒を引き起こしてしまうリスクがあります。
体重が1kgあたりフッ素量が5mg以上摂取してしまうことで、急性中毒の症状が起きてしまいます。
具体的な症状としては、下痢や嘔吐、悪心などが挙げられます。
しかし、フッ素の急性中毒になっている例は少なく、万が一フッ素化物洗浄液を飲み込んでしまっても、影響は少ないと言えるでしょう。
慢性中毒
フッ素の慢性中毒の症状として、以下2つが挙げられます。
フッ素の慢性中毒の症状 | 特徴 |
骨フッ素症(骨硬化症) | 骨の形成に悪影響が出てしまう病気のことを指し、症状としては、硬直や関節の痛みなどが挙げられます。フッ素化物濃度が高い飲み物を多く摂取してしまうと発症しやすいとされていますが、日本ではフッ素0.8mg/L以下と水質基準が定められているため、発症する確率は低いと言えるでしょう。 |
歯牙フッ素症(斑状歯) | 歯の表面にあるエナメル質に色素沈着や白い斑点などがでてきてしまう症状のことを指します。主な原因については、幼少期にフッ素を大量に摂取してしまうことによって引き起こされると言われています。成人であれば、摂取したフッ素の9割が尿として排出されるため、過剰摂取による悪影響は少ないと言えるでしょう。 |
フッ素の慢性中毒による症状は多くありますが、毎日大量にフッ素を摂取しなければ、慢性中毒になる確率は低いと言えるでしょう。
子ども用フッ素入り歯磨き粉のよくある質問
子ども用フッ素入り歯磨き粉のよくある質問を把握しておくことで、子ども用フッ素入り歯磨き粉を使用する際の不安を感じることなく使用できるでしょう。
具体的な子ども用フッ素入り歯磨き粉のよくある質問については、以下が挙げられます。
- フッ素は安全ですか?
- 家庭用と歯科医院のフッ素塗布では何が違いますか?
- 虫歯になっている歯でもフッ素は効果がありますか?
- フッ素塗布は何歳まですればいいですか?
それぞれのよくある質問について解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
フッ素は安全ですか?
フッ素は、使用する際に用法と容量が適切であれば、安全に使用することが可能です。
用量が多ければ高い効果を発揮するのではなく、適切な量を使用することによって、虫歯予防や歯の表面のエナメル質を強くすることができます。
個人差によってフッ素の適切な量が異なる場合があるため、定期的に歯科医院に通って、フッ素塗布を行うことをおすすめします。
家庭用と歯科医院用のフッ素塗布では何が違いますか?
家庭用と歯科医院用のフッ素塗布では、フッ素の濃度が異なります。
家庭用は歯科医院に比べて、フッ素濃度が低く設定されているため、フッ素による効果を感じにくいです。
具体的には、歯科医院で取り扱っているフッ素は、市販で販売されている約10倍の濃度があり、取り扱えるのは歯科医師と歯科衛生士のみとされています。
虫歯になっている歯でもフッ素は効果がありますか?
初期虫歯であれば、フッ素を塗布することで治すことができます。
しかし、すべてのむし歯に対応しているとは言えないため、むし歯を発生させないことがもっとも重要と言えるでしょう。
フッ素塗布は何歳まですればいいですか?
フッ素塗布は、成人になっても塗布することで、むし歯予防やエナメル質の強化につながります。
乳歯や永久歯が生え始めたタイミングがもっともフッ素の吸収率が高い特徴があるため、幼い頃からフッ素塗布を行っておくと良いでしょう。
また、加齢とともに、知覚過敏や歯茎の後退に悩んでいる方にも、フッ素を塗布することで、症状を抑制する効果も期待することができます。
子ども用フッ素入り歯磨き粉を利用しよう!
今回は、子ども用フッ素入り歯磨き粉について知りたい方に向けて、子ども用歯磨き粉の選び方やフッ素によるリスクなどについて紹介しました。
子ども用歯磨き粉の選び方については、以下のとおりです。
- フッ素濃度
- 年齢に合わせたタイプ
- 泡立ちが少ない歯磨き粉
- 子供が好きなフレーバー
- 研磨剤無配合
フッ素によるリスクを把握しておくことで、健康を害してしまうリスクを減らすことにもつながります。
今回紹介したことを参考に、子ども用フッ素入り歯磨き粉を使用してむし歯を予防しましょう。