この記事では「歯の生え変わりが遅い原因」について紹介していきます。
結論、歯の生え変わりが遅い原因は、永久歯の成長が遅かったり、先天性欠如などさまざまな原因が考えられます。
他にも「歯が生え変わる際の注意ポイント」や「永久歯が生えてこない時の対処方法」についても解説します。
ぜひこの記事を参考に、歯の生え変わりが遅い原因について理解を深めてみてください。
歯の生え変わりが遅い原因
歯の生え変わりが遅い原因は、一人ひとりの状態によって異なりますが、主な原因については、以下が挙げられます。
- 永久歯の成長が遅い
- 先天性欠如
- 歯ぐきが厚すぎる
- 過剰歯がある
- 埋伏歯
- 顎が小さい
それぞれの原因について紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
永久歯の成長が遅い
歯が生え変わるためには、乳臼歯が永久歯の成長によって根本が溶けることによって生え変わるため、永久歯の成長が遅いと、歯の生え変わりが遅くなる原因にもなります。
基本的には、6歳前後で歯が生え変わることが多い傾向ですが、永久歯の成長速度は個人差があるのも事実です。
例として、中学生になってから永久歯が生えてきたり、5歳で永久歯が生えてきたなどのケースもあります。
先天性欠如
基本的に乳臼歯が抜けて永久歯が生えてきますが、先天的に永久歯が生えてこないケースも見られます。
永久歯が生えてこないことを先天性欠如と呼ばれており、10人に1人の割合で発生すると言われています。
具体的に、先天性欠如が起こりやすい歯は、奥歯よりも前歯が多い傾向です。
歯ぐきが厚すぎる
歯ぐきが厚すぎてしまうと、永久歯の成長が遅くなるため、結果的に歯の生え変わりが遅くなってしまう原因になります。
どうしても永久歯が生えてこない場合には、歯ぐきを切って、永久歯が出てきやすくすることで、短期間で永久歯が生えてきます。
また、乳臼歯が早く抜けすぎてしまい、永久歯が出てくるための穴が無いため、永久歯が出てこないというケースも少なくありません。
過剰歯がある
過剰歯があることによって、永久歯が生えてくるスペースが確保できずに、歯の生え変わりが遅くなっているケースも見られます。
過剰歯とは本来生えてくる予定の歯よりも、多くの歯が生えてしまうことです。
原因については、はっきりと解明されていませんが、男性の方が多く見られる傾向です。
過剰歯の治療方法は、外科手術を行い、その過剰歯を取り除くことが必要になります。
埋伏歯
埋伏歯(まいふくし)とは、永久歯が粘膜や骨に埋まってしまって、生えてこない状態のことを指します。
治療せずにそのままにしてしまうと、歯並びが悪くなってしまうリスクがあるため、なるべく早く治療を行いましょう。
具体的な治療方法は、歯ぐきを切って、歯にアタッチメントを取り付けてから歯を牽引する治療を行います。
顎が小さい
顎が小さいと、永久歯が生えるスペースが少なく、乳臼歯が抜け落ちるために必要な根っこが吸収されづらくなってしまうため、歯の生え変わりが遅くなってしまう原因にもなります。
治療法は、歯列矯正などを行い、顎が小さくても、永久歯が生えてこれるスペースの確保を行います。
乳臼歯が抜けないことの悪影響
乳臼歯が抜けないことの悪影響を把握しておくことで、被害が最小限に抑えることにもつながります。
具体的に乳臼歯が抜けないことの悪影響については、以下が挙げられます。
- 歯並びが悪くなる
- 虫歯ができやすくなる
それぞれの項目について紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
歯並びが悪くなる
乳臼歯が抜けずに残ってしまうと、永久歯が生えてくるスペースがバラバラになってしまい、歯並びが悪くなってしまうリスクが高くなります。
歯並びが悪くなってしまうと、噛み合わせにも悪影響を与えてしまいます。
虫歯ができやすくなる
乳臼歯を放置していると虫歯になりやすくなってしまうため、あらかじめ注意が必要です。
基本的に、乳臼歯は、虫歯になりやすく耐久性が低いため、永久歯に比べて入念にケアする必要があります。
歯が生え変わる際の注意ポイント
歯が生え変わる際の注意ポイントについて把握しておくことで、歯のトラブルを未然に防ぐことにもつながります。
具体的に、歯が生え変わる際の注意ポイントについては、以下が挙げられます。
- 生え変わりには個人差がある
- 生え始めの永久歯は虫歯になりやすい
- 少しでも異常があったら小児科を受診する
- 入念に歯磨きをする
これから歯が生え変わる予定のお子さんがいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
生え変わりには個人差がある
歯の生え変わりには個人差があるため、周りの子の歯が生え変わったとしても、慌てずに生え変わるのを待ちましょう。
一般的には、3歳を過ぎていれば全ての乳臼歯が生え揃っており、6歳すぎから永久歯への生え変わりが始まっていきます。
しかし、7歳を過ぎても歯がまったく生えてこない子もいます。
心配な方については、小児科でレントゲンを撮ってもらい、永久歯を確認することをおすすめします。
生え始めの永久歯は虫歯になりやすい
生え始めの永久歯は、幼若永久歯と呼ばれており、歯質が未成熟で虫歯になりやすいため、入念なケアが必要です。
具体的には、2〜3年間はキズ付きやすく、汚れが付着しやすくなります。
少しでも異常があったら小児科を受診する
少しでも異常があったら小児科を受診することで、虫歯や歯肉が腫れてしまうことを事前に防ぐことにもつながります。
基本的に、乳臼歯は自然に抜けて永久歯が生えてきますが、定期的に子供の口の中を見て、異常がないかを確認しましょう。
永久歯が横や裏側から生えて来てしまっている場合には、早急に乳臼歯を抜く必要があるため、すぐに小児科で治療を受けるようにしましょう。
入念に歯磨きをする
歯が生え変わる際には、歯並びが凸凹していることが多いため、汚れが残りやすく、虫歯や歯周病になってしまう方も少なくないため、入念に歯磨きをすることが重要です。
子供が自分自身でしっかりと歯磨きをすることは重要ですが、親御さんが仕上げ磨きを念入りにすることも、非常に大切なポイントになります。
また、お子さんが歯磨きをしやすいように、シリコン製で毛先が柔らかく細い歯ブラシを選ぶことで、効率よく歯の汚れを落とすことにもつながります。
永久歯が生えてこない時の対処方法
永久歯が生えてこない時の対処方法を知っておくことで、慌てずに冷静に行動することにもつながります。
具体的に永久歯が生えてこない時の対処方法については、以下が挙げられます。
- 乳臼歯を大事に使い続ける
- 義歯を入れる
それぞれの対処方法について紹介していきます。
乳臼歯を大事に使い続ける
永久歯が生えて来ない場合には、乳臼歯を大事に使い続ける方法があります。
しかし、乳臼歯は柔らかく、虫歯になりやすいため、長く使うことには不向きな歯と言えるでしょう。
万が一、虫歯や歯周病になってしまうと、進行が早く、最悪の場合は他の歯にも悪影響を与えてしまうため、あらかじめ注意が必要です。
さらに、骨に吸収されやすい性質も持っているため、いつの間にか歯が無くなってしまうというケースも少なくありません。
義歯を入れる
乳臼歯を抜歯して、以下の義歯を入れるという選択肢もあります。
義歯の種類 | 特徴 |
ブリッジ | 乳臼歯の左右に生えている健康な歯を支柱にて、橋をかけるように人工歯を入れる治療方法のことを指します。装着した時の違和感が少なく、自然な見た目にすることが可能です。 |
入れ歯 | バネを利用して引っ掛けて取り付けるのが主流で、着脱可能な特徴があります。定期的に入れ歯やその周辺にある歯の定期メンテナンスが必要になるため、手間が掛かってしまうデメリットが挙げられます。 |
インプラント | 顎の骨に生体親和性が非常に高いチタンやチタン合金でできた人工歯根を埋め込む治療方法のことを指します。高い耐久性や審美性などの特徴があります。 |
歯の生え変わりについてよくある質問
歯の生え変わりについてよくある質問については、以下が挙げられます。
- 乳臼歯は生え変わるから歯磨きは必要ない?
- 乳臼歯の抜き方とは?
- 乳臼歯が抜けても永久歯が生えてこない場合はどうすればいい?
それぞれのよくある質問について紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
乳臼歯は生え変わるから歯磨きは必要ない?
乳臼歯が虫歯になってしまうと、噛み合わせが悪くなってしまったり、将来的に歯並びが凸凹になってしまうリスクがあるため、しっかりと歯磨きをしましょう。
乳臼歯の抜き方とは?
乳臼歯がグラグラしていたり、ほとんど歯ぐきから取れている際には、手指はしっかりと消毒して、少しづつ揺さぶって抜いていきます。
抜いた後は、ガーゼを噛んで止血を行い、傷口から細菌が入らないように注意が必要です。
その際に、強い痛みや出血が止まらない場合には、なるべく早く小児科もしくは歯科医院に行きましょう。
乳臼歯が抜けても永久歯が生えてこない場合はどうすればいい?
乳臼歯が抜けてからすぐに永久歯が生えるわけではないため、しばらく様子を見ることをおすすめします。
実際に、永久歯が生えてくる時期は、一人ひとりによって異なるため、あまり心配する必要はありません。
しかし、永久歯が変な位置から生えてしまったり、全然生えてくる気配がないのであれば、小児科や歯科医院で検査をしてもらいましょう。
歯の生え変わりについて理解を深めよう!
今回は、歯の生え変わりについて知りたい方に向けて、歯の生え変わりが遅い原因や永久歯が生えてこない時の対処方法について紹介しました。
歯の生え変わりが遅い原因については、以下が挙げられます。
- 永久歯の成長が遅い
- 先天性欠如
- 歯ぐきが厚すぎる
- 過剰歯がある
- 埋伏歯
- 顎が小さい
いずれかに当てはまり、不安に感じるようであれば、早い段階でクリニックで診察をうけてください。