お子さんの虫歯を予防しようと考えて、仕上げ磨きをしている人の中で、いつから始めて、いつまですればいいのか悩んでいる人はいませんか?
自分の子には虫歯になってほしくないですし、できることはしてあげたいと思うかもしれませんが、お子さん本人が嫌がるケースもありますよね。
この記事では「仕上げ磨きはいつからいつまでやったほうがいいのか」を紹介していきます。
結論としては、0歳から始めて、できれば12歳までは仕上げ磨きをしたほうがいいでしょう。
なぜ仕上げ磨きをしたほうがいいのかという、メリットについても説明していきます。
また、仕上げ磨きの正しい方法、道具の選び方、回数とタイミング、泣いてしまった場合の対処法、仕上げ磨きを楽しくできる工夫についても解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
仕上げ磨きはいつからいつまでやったほうがいいのか?
お子さんの歯の仕上げ磨きをする場合に気になる最大のポイントは、何歳から始めて、何歳になるまで続ければいいのかということではないでしょうか。
- スタートは0歳から
- 仕上げ磨きはいつまで続けるのか
以上の2点を説明しますので、まずは、仕上げ磨きはいつからいつまでやったほうがいいのかを理解しておきましょう。
スタートは0歳から
仕上げ磨きを始める時期も終える時期も、特別の決まりがあるわけではありませんが、多くの歯医者さんが推奨している時期というものがあります。
スタートは0歳からと言われていますが、生後すぐに始めるわけではありません。
6か月くらいの月齢になり、下の前歯が生え始めてきた時期から始めると良いでしょう。
仕上げ磨きはいつまで続けるのか
仕上げ磨きを終えるまでの1つの基準となるのが、永久歯の状態です。
いくつかの年齢の目安がありますので、それぞれについて紹介します。
10歳まで
個人差はありますが、6歳くらいになると「6歳臼歯」と呼ばれる永久歯が生えてきます。
生えたばかりの歯は柔らかく、虫歯になりやすいものです。
また、歯の大きさもまちまちで、歯並びも凹凸があり、磨き残しも多いのでしっかりと仕上げ磨きをしてあげなければなりません。
10歳、すなわち小学4年生くらいになると、歯ブラシの使い方や、磨く際の力の入れ加減もコントロールできるようになりますので、歯磨きを本人に任せてもいいという見解を持っている歯医者さんもいます。
12歳まで
仕上げ磨きを12歳まですべきであるという意見もあります。
この頃になると、永久歯が生え揃うため、口内環境が安定してくるからです。
また、小学校高学年になると、奥歯も含めて、届きにくいところまできちんと磨けるようになるという事情もあります。
中学生になっても続けてもかまわない
小学校高学年になると上手に磨ける子どもが多いとはいえ、個人差はありますし、大人でも磨き残しがある場合もあります。
そのため、もし本人が嫌がらないようであれば、中学生になっても仕上げ磨きを続けることに問題はありません。
仕上げ磨きのメリットとは
仕上げ磨きはいつからいつまでやったほうがいいのかを説明しました。
なぜ、それほど仕上げ磨きが大切なのでしょうか。
そこで、仕上げ磨きのメリットについて、以下の4点を紹介します。
- 自分では落とせない歯の汚れを落とせる
- 正しい歯磨きの方法を伝えられる
- トラブルの早期発見
- 歯磨き習慣を身につけられる
自分では落とせない歯の汚れを落とせる
乳歯と永久歯が混在する6歳〜12歳ごろは「混合歯列期」と呼ばれ、歯の大きさや位置がバラバラで、きれいに歯磨きをすることが難しい時期です。
特に、「6歳臼歯」、「12歳臼歯」と呼ばれる永久歯は奥にあり、歯の溝が深く汚れがつきやすく、自分では歯ブラシをあてにくい歯です。
仕上げ磨きをしてあげることによって、自分では落とせない歯の汚れを落としてあげられます。
正しい歯磨きの方法を伝えられる
小学校高学年になると自分で歯磨きができるようになるとはいえ、正しい方法を教えてあげなければ磨き残しをなくすことはできません。
子どものときに身についた歯磨きの方法は、今後ずっと続けることになるものなので、正しい歯磨きの方法を伝えることは重要です。
トラブルの早期発見
歯医者を怖がっている子どもは、歯が痛くなっても黙っていることがあります。
しかし、そのまま放置していると、悪化してしまうため、親が見つけてあげなければいけません。
仕上げ磨きをしてあげれば、親が口の中を確認できるので、虫歯を早期発見できます。
また、歯並びや噛み合わせに気になる点を見つけて、トラブルが発生する前に対処することも可能です。
歯磨き習慣を身につけられる
仕上げ磨きは、子どもの歯磨きを習慣化するためにも適している方法です。
親がどれだけ「歯磨きをしなさい」と言っても、子どもは歯磨きを習慣化できないものなので、実際に仕上げ磨きをしてあげることで、習慣化を伝えられるようになります。
仕上げ磨きの正しい方法
仕上げ磨きのメリットについて説明しましたが、実際にどのように仕上げ磨きをすればいいのでしょうか。
仕上げ磨きの正しい方法として、次の4点を解説します。
- 歯ブラシの使い方のポイント
- 前歯の磨き方
- 奥歯の磨き方
- 仕上げ磨きの姿勢
歯ブラシの使い方のポイント
歯ブラシの使い方のポイントを押さえておきましょう。
まず、歯ブラシは握るのではなく、鉛筆と同じように持ちます。
毛先は、歯の面に対してまっすぐに当てるのが基本です。
特に、歯と歯肉の間は意識してしっかりとあてましょう。
毛先が広がらないくらいの軽い力で、歯ブラシを小刻みに動かし、1、2本ずつそれぞれ20回以上磨きます。
前歯の磨き方
前歯の表側を磨くときには、歯ブラシを持っているのとは反対側の手で唇を押さえて、目視しながら歯と歯肉の間に歯ブラシをあてましょう。
前歯の裏側を磨くときには、歯ブラシを縦にあてて、歯ブラシの一番下の部分で汚れをかき出すようなイメージで磨きます。
奥歯の磨き方
奥歯の磨き方には注意が必要です。
噛む面は、溝に汚れがたまりやすいので、奥から手前に向かって細かく歯ブラシを動かして磨きます。
表側、裏側もそれぞれしっかり磨きましょう。
歯ブラシを持っているのとは反対側の手の人差し指で、内側から頬を少し外に引っ張ると磨きやすくなります。
仕上げ磨きの姿勢
効果的に歯を磨くには、お子さんの仕上げ磨きの姿勢も重要なポイントです。
赤ちゃんの場合には、親が子どもを膝の上に乗せ、子どもの背中を自分のお腹にあてた体勢で、頭を脇などで固定して磨きましょう。
3歳くらいになったら、親の膝の上に子どもの頭を乗せて、寝かせ磨きをするのがおすすめです。
寝かせ磨きを嫌がる場合には、立たせ磨きをしましょう。
子どもの背後に立ち、鏡を見ながら行います。
仕上げ磨きのための道具の選び方
仕上げ磨きの正しい方法を紹介しましたが、磨く際にどのような道具を使うのかも重要なポイントです。
- 歯ブラシの選び方
- 歯磨き粉の選び方
- デンタルフロスなど
以上の3点を説明します。
歯ブラシの選び方
仕上げ磨き用の歯ブラシは、奥歯まで届くように持ち手が長いもので、ヘッドは小さいものがいいでしょう。
2歳くらいまでは毛が柔らかめのもの、3歳以降はきちんと磨けるように普通の毛の硬さのものを選びます。
ただし、お子さんが自分で使う歯ブラシは、別に選ぶことをおすすめします。
持ち手が長いものは喉の奥に刺さってしまうリスクがありますので、短いものやストッパーのついたものがいいでしょう。
歯磨き粉の選び方
歯磨き粉は、虫歯の予防効果の高いフッ素入りがおすすめです。
また、子ども用歯磨き粉には、フルーツなどの味がついたものもあります。
お子さんの好みのものを選べば、歯磨きに前向きに取り組めるようになるかもしれません。
デンタルフロスなど
特に前歯と前歯の間などを磨くには、デンタルフロスも効果的です。
また、ヘッドが小さい「タフトブラシ」も、乳歯と永久歯が混在しているお子さんの歯を磨くのには、小回りがきいて役に立ちます。
いつ仕上げ磨きをするのか
仕上げ磨きのための道具の選び方を紹介しましたが、それらを使って、いつ仕上げ磨きをするのが効果的なのでしょうか。
以下の2点について説明します。
- 仕上げ磨きの回数
- 仕上げ磨きのタイミング
仕上げ磨きの回数
理想的な仕上げ磨きの回数は、食事の回数と同じです。
例えば、1日3食の食事と1回のおやつであれば、4回ということになります。
ただし、生活形態や、仕事などで忙しい場合には、最低1回でもかまいません。
仕上げ磨きのタイミング
仕上げ磨きのタイミングは食後であるといっても、実際は小学校の給食などもあるため、現実的ではありません。
そのため、可能な限り、朝食後や帰宅後のおやつの後なども行い、夕食後は必ず仕上げ磨きをするという習慣づけが大切です。
仕上げ磨きのときに泣いたらどうするか
いつ仕上げ磨きをするのかについて説明しましたが、効果的に磨こうとしても、お子さんが泣いて嫌がることもありますよね。
そのようなときには、どうすればいいのか悩んでしまうかもしれません。
仕上げ磨きのときに泣いたらどうするか、以下の4点について説明しますので、嫌がられた際の参考にしてみてください。
- 無理強いはしない
- まずはガーゼで慣れさせる
- 眠くないときにする
- 家族も一緒に歯磨きをする
無理強いはしない
仕上げ磨きが大切だからといって、嫌がる子どもに無理強いしてしまうと、歯磨きが嫌いになってしまう可能性があります。
どうしても嫌がったり、泣いてしまったりする日には、無理強いはしないで仕上げ磨きはお休みするという選択をしてもかまいません。
深刻に考えず、少しずつ進めていけば大丈夫です。
まずはガーゼで慣れさせる
赤ちゃんの頃は、いきなり歯ブラシを口の中に入れると嫌がられる可能性が高いです。
そのため、まずはガーゼで歯磨きに慣れてもらうと良いでしょう。
湿らせたガーゼを指に巻き付けて、歯や歯肉を拭くことから始めてみてください。
眠くないときにする
子どもが仕上げ磨きを嫌がる場合、歯磨きが嫌いなのではなく、単に眠いからであるというケースがあります。
眠くなって機嫌が悪く、歯磨きなどされたくないと感じているのです。
例えば、夕食後に時間を置かずにすぐ仕上げ磨きをすれば、嫌がる可能性が低くなります。
家族も一緒に歯磨きをする
家族も一緒に歯磨きをすれば、歯磨きタイムといったような時間を作れます。
お子さんが1人だけ仕上げ磨きをされるのではなく、同時に親や兄弟も歯磨きをしてみると良いでしょう。
また、歯磨きについての会話をしながらみんなで進めれば、歯磨きの習慣も身につきやすくなります。
仕上げ磨きを楽しくできる工夫をしよう
仕上げ磨きのときに泣いたらどうするかについて解説しましたが、お子さんが泣いてしまう前に、仕上げ磨きを楽しくできる工夫をすることも大切です。
- お気に入りの歯ブラシを使う
- 歯磨き粉の味を選ぶ
- 歌や動画を活用
以上の3点の方法について紹介します。
お気に入りの歯ブラシを使う
子ども用の歯ブラシは、少しでも歯磨きが楽しくなるように、さまざまなデザインのものが作られています。
お子さんが好きなキャラクターが描かれたお気に入りの歯ブラシなどであれば、楽しく仕上げ磨きができるかもしれませんね。
歯磨き粉の味を選ぶ
子ども用の歯磨き粉には、イチゴやブドウなどのフルーツ味など、子どもの好みのものが市販されています。
お子さんの好きな歯磨き粉の味を選ぶのはもちろんですが、いくつも揃えて、その日の気分に合わせて選んでもらうようにしたら、歯磨きの時間が楽しみになるかもしれません。
歌や動画を活用
歯磨きソングを歌いながら仕上げ磨きをすれば、歯磨きも遊びとして楽しめるかもしれません。
また、アニメなどの動画を流してお子さんが見ている間に、仕上げ磨きをするという方法もあります。
仕上げ磨きをして虫歯を予防しよう
この記事では、お子さんの歯の仕上げ磨きをしている人に向けて、仕上げ磨きはいつからいつまでやったほうがいいのかについて説明しました。
仕上げ磨きは0歳から始めて、できれば12歳くらいまではしてあげたほうがいいでしょう。
自分では落とせない歯の汚れを落とせることなど、たくさんのメリットがありますので、正しい方法で無理強いはせずに、磨いてあげましょう。
中には嫌がるお子さんもいるかもしれませんが、楽しくできる工夫をして、仕上げ磨きをしてあげることが大切です。
丁寧に仕上げ磨きをすることによって、虫歯を予防して、元気に過ごせるようにしてあげましょう。