この記事では「部分矯正」について紹介していきます。
部分矯正とは、前歯などの気にある部分のみ矯正することができる治療方法のことを指します。
他にも「部分矯正のメリット・デメリット」や「部分矯正の治療方法」についても解説します。
ぜひこの記事を参考に、部分矯正について理解を深めてみてください。
また「歯列矯正やらなきゃよかった理由」について知りたい方は、こちらにて解説を行っていますので、ぜひ確認にしてみてください。
部分矯正とは?
部分矯正は、歯の一部分に装置付ける治療方法のことを指し、全体矯正に比べると違和感なく治療を受けることができます。
短期間で矯正することができるのはもちろん、費用は15万円〜45万円と安価で行うことができる特徴も挙げられます。
また、一度全体矯正をしたが、一部分だけ再度歯並びが悪くなってしまったという方にもおすすめの矯正方法と言えるでしょう。
部分矯正を行うメリット
部分矯正を行うメリットを把握しておくことで、自分の要望に合っている治療方法かどうか事前に確認することが可能です。
具体的に部分矯正を行うメリットについては、以下が挙げられます。
- 費用を抑えることができる
- 治療期間が短い
- 矯正中の痛みが少ない
それぞれのメリットについて紹介していきますので、これから部分矯正治療を受けたいと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
費用を抑えることができる
部分矯正は、全体矯正に比べて矯正装置が小さいため、費用を抑えることができるメリットが挙げられます。
具体的に全体矯正と部分矯正の費用相場については、以下のとおりです。
矯正方法 | 費用相場 |
全体矯正 | 70万円〜120万円 |
部分矯正 | 15万円〜70万円 |
上部分矯正は全体矯正の半分費用で行うことができるため、気軽に治療を受けることが可能です。
しかし、選択する器具や治療法によって、費用は変わります。
治療期間が短い
部分矯正は、歯並びや治療方法、年齢などによっても異なりますが、3ヶ月〜1年間の治療期間が必要です。
全体矯正は、最低でも1年以上かかってしまうため、なるべく短期間で歯並びを良くしたいと思っている方におすすめの治療方法と言えるでしょう。
基本的に、歯科矯正は装置を使って弱い力を掛けて少しづつ歯並びを整えることが必要になるため、矯正治療に時間がかかってしまいます。
矯正する時間が短くなってしまうと、歯は元の位置に戻ろうとするため、理想としている歯並びにすることが難しくなってしまうため、あらかじめ注意が必要です。
矯正中の痛みが少ない
部分矯正は、矯正装置をつける範囲が一部なので、矯正中の痛みが少ないというメリットが挙げられます。
全体矯正の場合には、会話をする際にも、矯正装置が干渉してしまうことで、口の中が傷だらけになってしまうデメリットがあります。
部分矯正のデメリット
部分矯正のデメリットを把握しておくことで、治療前後のギャップを減らすことにもつなげることが可能です。
具体的な部分矯正のデメリットについては、以下が挙げられます。
- 歯を削ってしまうリスクがある
- 噛み合わせの改善が難しい
- 全体矯正に比べて完成度が落ちてしまう
下記にて、それぞれのデメリットについて紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
歯を削ってしまうリスクがある
部分矯正は、歯を動かせるスペースが一部しかなく、歯を削ってしまうリスクがあります。
全体矯正であれば、歯全体を動かすことができるため、歯を削るケースは少ないです。
自分自身が理想としている歯並びや症例によっても、歯を削る必要があるかどうかが異なるため、あらかじめカウンセリングの段階で確認しておきましょう。
噛み合わせの改善が難しい
基本的に部分矯正は前歯だけしか矯正治療を行うことができないため、噛み合わせの改善をすることは難しいです。
噛み合わせが改善しないと、しばらくして歯並びが悪くなってしまうリスクが高くなってしまいます。
全体矯正に比べて完成度が落ちてしまう
部分矯正は、全体矯正のように歯並びを全体的に改善することができないため、歯並びの完成度にこだわりを持っている方には向いていません。
また、美しい横顔の基準とされている下あごの突端部と鼻先を結ぶ線のEラインを形成することが難しいデメリットも挙げられます。
自分自身の理想としている歯並びをカウンセリング時に相談し、全体矯正か部分矯正どちらが向いているか確認しておきましょう。
部分矯正の治療方法
部分矯正の治療方法を知っておくことで、自分の要望に合った歯並びに近づけることはもちろん、ストレス無く治療を受けることにもつなげることができます。
具体的な部分矯正の治療方法については、以下3つが挙げられます。
- マウスピース矯正
- ワイヤー矯正
- セラミック矯正
それぞれの治療方法について紹介していきますので、自分に合った治療方法を見つけてみてください。
マウスピース矯正
マウスピースによる部分矯正は、金属アレルギーや成人の方などに適している矯正方法です。
ワイヤー矯正では、金属で凹凸があるため、日常生活に支障をきたしてしまうデメリットがありますが、マウスピース矯正であれば、比較的ストレス無く治療を行うことが可能です。
マウスピース矯正のメリット
具体的にマウスピース矯正のメリットについては、以下が挙げられます。
- 口のトラブルを減らせる
- 目立たない
- 取り外し可能
- 金属アレルギーの心配がない
- 脱落の心配がない
個人差によって異なりますが、1日20時間以上マウスピースを装着する場合の治療期間は、6ヶ月〜1年で治療を完了させることができます。
また、費用もワイヤー矯正に比べて安いです。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、矯正したい歯の表面に金属とワイヤーを取り付けることによって、歯並びを調整することができる治療方法です。
部分矯正では、6〜10個の金属製の留め具を装着します。
ワイヤー矯正のメリット
具体的にワイヤー矯正のメリットについては、以下が挙げられます。
- 適応の幅が広い
- 細かな調整が可能
- マウスピース矯正に比べて歯の移動速が早い
- 取り外しする必要がない
しかし、歯並びによっては、歯の調整するスペースを確保するために、歯を削ること場合があります。
ワイヤー矯正で見た目が気になる方は、歯の内側にも金属製の留め具を装着することができるため、自分に合ったワイヤー矯正方法を選ぶことをおすすめします。
セラミック矯正
セラミック矯正とは、歯科矯正治療ではなく、歯並びを直したい歯を削って、セラミックをかぶせて歯並びを良くする治療方法のことを指します。
マウスピース矯正やワイヤー矯正に比べて、すぐに歯並びを良くすることができますが、健康な歯を削るデメリットがあるため、あらかじめ注意が必要です。
セラミック矯正のメリット
具体的なセラミック矯正のメリットについては、以下が挙げられます。
- 色や形状を自由に選択できる
- 治療中でも仮歯で過ごせるため見た目が悪くならない
- 短期間で治療を完了する
- 痛みが無い
しかし、セラミックと土台歯の間には少なからず段差や隙間ができてしまうため、歯周病や虫歯のリスクも高くなってしまいます。
部分矯正で治せる症状
部分矯正で治せる症状を把握しておくことで、早期治療をすることにもつながります。
具体的に、部分矯正で治せる症状については、以下5つが挙げられます。
- 軽度の出っ歯
- 乱杭歯(らんぐいば)
- すきっ歯
- 反対咬合(こうごう)
- オープンバイト
下記にて、それぞれの症状について紹介していきますので、自分に当てはまっている症状がないか確認しておきましょう。
軽度の出っ歯
軽度の出っ歯であれば、部分矯正で改善させることが可能です。
出っ歯とは、前歯が前に向かって生えてしまっている状態のことを指し、遺伝による先天的なものと後天的な出っ歯があります。
遺伝に先天的な出っ歯であれば、部分矯正でも改善しやすいですが、後天的な原因の場合は、噛み合わせによって歯並びが悪くなってしまっているケースがあるため、根本的な治療が必要になる可能性が高いです。
乱杭歯(らんぐいば)
乱杭歯とは、歯が重なってしまったり、歯がずれてしまうことによって、歯並びが凸凹してしまう状態のことを指します。
八重歯やガチャ歯とも呼ばれており、コンプレックスになってしまっている方も少なくありません。
具体的に、乱杭歯が起きてしまう原因としては、歯が大きかったり、顎が小さいなどが挙げられます。
軽度の乱杭歯であれば治療することは可能ですが、症状によっては、部分矯正では治療をすることが難しい場合もあるため、事前に確認をしておきましょう。
すきっ歯
すきっ歯は、空隙歯列とも呼ばれており、歯と歯の間に隙間ができてしまっている状態のことを指します。
主な原因としては、生えてくる予定の歯が生えてこなかったり、歯が小さいなどの原因が挙げられますが、生活習慣が悪い場合にも引き起こされる場合もあります。
また、普段から前歯に舌を裏側に押し付ける癖があったり、うつ伏せに寝てしまう癖などがある場合にも、前歯が開きやすくなってしまうため、あらかじめ注意が必要です。
反対咬合(こうごう)
反対咬合とは、受け口と呼ばれており、上の歯より下の歯が前に出てしまうことによって、噛み合わせが悪くなってしまう状態のことを指します。
噛み合わせが逆になってしまうため、前歯や奥歯で噛み切ることができず、最悪の場合には咀嚼障害や胃腸障害を引き起こしてしまいます。
また、奥歯だけに負担がかかってしまい、顎がしゃくれてしまったり、顔の変形などが起きてしまう可能性があるため、なるべく早く歯科矯正を行うことをおすすめします。
オープンバイト
オープンバイトとは、上の歯と下の歯の間に隙間ができてしまって、奥歯しか噛み合っていない状態のことを指します。
先天的な原因として、顎の骨が下に向かって成長してしまうことによってオープンバイトが起こるとされています。
後天的な原因については、幼少期におしゃぶりを常に使用していたり、哺乳瓶を長時間加えてしまっているなどが挙げられます。
部分矯正について理解を深めよう!
今回は、部分矯正について知りたい方に向けて、部分矯正のメリット・デメリットや部分矯正で治せる症状について紹介しました。
部分矯正のメリットについては、以下が挙げられます。
- 費用を抑えることができる
- 治療期間が短い
- 矯正中の痛みが少ない
また、部分矯正で治せる症状を把握しておくことで、歯並びを悪いことによって引き起こされる咀嚼障害や顎の変形などを未然に防ぐことにもつながります。
今回紹介したことを参考に、部分矯正について理解を深めてみてください。