リテーナーの使い方に悩んでいませんか?
この記事では「リテーナーの正しい使い方」について解説します。
リテーナーは、適切な時間装着したり、お手入れしたりしなければいけません。
「リテーナーを装着したけど、その後のお手入れがわからない」という人もいるのではないでしょうか。
リテーナーの使い方に不安を感じている人は、今回の記事を参考に、正しい使い方で歯の矯正を完了させましょう。
リテーナーの適切な装着時間と使用期間
リテーナーの適切な装着時間や使用期間について解説します。
リテーナーは、正しい時間装着しておかなければ、後戻り(矯正後に歯が戻ってしまう現象)してしまう可能性があります。
美しい歯並びを手に入れられるように、適切な時間と期間を意識して、リテーナーを装着しましょう。
以下では、リテーナーの適切とされる使用期間や装着時間について解説します。
リテーナーの使用期間
リテーナーの推奨使用期間は、約2年です。
2年以内に外してしまうと後戻りの原因になってしまうので、2年間は装着し続けましょう。
ただし、2年というのは定期的な通院をする期間であり、実際に装着する期間は2年以上になる可能性もあります。
2年のうち、始めの月は1カ月に1回の通院、歯が安定してきたら2~3ヵ月に1回の通院をして、大きな問題がなければ通院は終了です。
しかし、通院が終了しても、2~3日一度装着する場合もあります。
リテーナー装着後半年以上経過したら
リテーナーの推奨使用期間は約2年ですが、2年間毎日つける必要はありません。
半年~1年が経過して、問題なく歯が安定してきていれば、「夜だけ」や「寝るときだけ」といったように、徐々に装着期間を短くしていきます。
順調にいけば、2年経過する前には1週間のうちに1日、数時間程度の装着時間になります。
リテーナーの装着時間
リテーナーの推奨装着時間は、1日20時間です。
先述したように、日数が経過していけば時間を減らしていきますが、最初の半年は1日に20時間ほど装着する必要があります。
ただし、実際の装着時間はお口の状態によって異なるので、医師と相談して装着時間を決めてもらいましょう。
リテーナーの正しいお手入れ方法
リテーナーは、正しく装着しお手入れを行わなければいけません。
無理に外したりお手入れを適当にしたりしてしまうと、後戻りの原因になったりリテーナーを破損してしまったりします。
以下では、リテーナーの取り外し方法やお手入れ方法について解説します。
リテーナーの取り外し方法
リテーナーには、正しい着脱方法があります。
基本的には「外すときは奥歯から、つけるときは前歯から」と覚えておきましょう。
前歯から外してしまうと、前歯の部分に力がかかりすぎてしまい、破損の原因になります。
また、装着の際は、前歯がはまらないと全体が浮いてしまい違和感の原因となるので、しっかり前歯から奥歯の方へ押していくように装着してください。
リテーナーを指で押さず、口の中に入れて嚙みこんではめる人もいますが、破損の原因になるので、必ず指ではめこむようにしましょう。
リテーナーの基本的なお手入れ方法
リテーナーは、破損を避けるために、丁寧にお手入れをする必要があります。
基本的なお手入れ方法は、歯ブラシを使ったブラッシングです。
ただし、強くブラッシングすると破損の原因になるので、優しくブラッシングするようにしてください。
さらに、リテーナーの種類によってもお手入れ方法が異なるので、以下で種類別のお手入れ方法について解説します。
マウスピース型リテーナーのお手入れ方法
マウスピース型のリテーナーは、清潔に保つために毎日歯ブラシでブラッシングしましょう。
その他、週に1~2回、リテーナー用の洗浄液で洗浄します。
洗浄液の使い方は、以下のとおりです。
- 1.コップに水またはぬるま湯をいれる(熱湯はNG)
- 2.コップに洗浄液、リテーナーの順で入れる
- 3.一定時間つけておく
- 4.リテーナーを取り出してよくすすぐ
ブラッシングと定期的な洗浄液洗浄を行っておけば、問題はありません。
プレート型リテーナーのお手入れ方法
プレート型のリテーナーも、マウスピース型のリテーナーと大きく異なる部分はありません。
歯ブラシを使った毎日のブラッシングと、洗浄液を使った洗浄で問題ないです。
ただし、一点だけ注意点があります。
酸性の洗浄液を使用すると金属部分が錆びてしまうので、酸性の洗浄液は使わないようにしましょう。
ワイヤー型リテーナーのお手入れ方法
ワイヤー型のリテーナーも、他のリテーナーと同じように毎日のブラッシングが必要です。
ただし、ワイヤー型の場合、ワイヤー周辺に食べ残しや歯石がたまりやすいので、重点的に歯磨きを行ってください。
ブラッシングだけでは汚れがとりきれないので、歯科クリニックで定期的にクリーニングを受けましょう。
リテーナーは熱湯で洗ってもいい?
リテーナーの洗浄に、お湯は使わないでください。
ぬるま湯であれば良いですが、熱すぎるお湯は、リテーナーが変形する可能性があります。
目安としては、手で触っても熱いと感じないほどの40℃以下が良いです。
水を使った洗浄でも問題はないので、できるだけ水を使うようにしましょう。
リテーナーに不向きな歯磨き粉
リテーナーは、毎日のブラッシングが必要になりますが、歯磨き粉には注意してください。
通常の歯磨き粉には研磨剤が入っているものがあり、リテーナーを傷つける可能性があります。
研磨剤が入っているかどうかは、歯磨き粉の成分表を見ればわかるので、研磨剤不使用のものを選びましょう。
リテーナー装着時に飲んで良いもの
リテーナー装着時は、水であれば何も気にせずに飲んでいただいて問題ありません。
ただし、お湯に弱いため、熱い飲み物を飲む際には、一度取り外してください。
また、コーヒーや紅茶などの着色の可能性がある飲み物を飲む際も、一度取り外しましょう。
固定式の場合は取り外しができないので、飲み物を飲んだ後の清掃を忘れないようにしてください。
リテーナーによる痛みや違和感はある?
リテーナーは、つけ始めに違和感を覚えやすいです。
特に歯茎を覆うタイプのリテーナーは、違和感とともに舌が当たって話しにくくなる傾向もあります。
個人差はあるので、全く気にしない人もいるかもしれませんが、話しにくさを感じる人もいるでしょう。
ただし、多くの場合、リテーナーに慣れてくれば違和感がなくなってくるので、安心して使い続けてください。
他矯正装置のような痛みはない
リテーナーは、痛みを強く感じるような装置ではありません。
あくまでリテーナーは保定装置であり、矯正装置ではないからです。
矯正装置は、歯を動かすための装置であるため痛みを感じますが、保定装置は動いた歯を留めるための装置なので、強い痛みは感じないでしょう。
ただし、リテーナーをしばらく外してしまうと、装着時に窮屈な感じを覚える場合があります。
痛みや違和感がひどい場合は装置が口に合っていない可能性がある
リテーナーで、あまりにも痛みや違和感がひどい場合は、以下の2つの原因が考えられます。
- 装置を正しく装着できていない
- 装置が口に合っていない
強い痛みを感じる場合は、何度か取り外して、正しい手順で取り付けてみましょう。
それでも痛みや違和感がなくならない場合は、装置が口に合っていない可能性があるので、クリニックに相談してください。
リテーナーのよくある違和感や痛みの原因
リテーナーを装着していて、違和感や痛みを覚えるケースもあります。
とくに多いトラブルとしては、以下の3つです。
- 歯茎の痛み
- 歯のデコボコ化
- きつさを感じる
以下で、それぞれの原因について解説するので、リテーナーを使い始めていずれかの症状になった場合の対処法として、参考にしてください。
歯茎の痛み
リテーナーを装着して歯茎が痛くなった場合は、痛みを感じている部分に器具が強く当たっている可能性があります。
一時的な可能性もあるので、まずは一日使用してみてください。
もし1日使用しても痛みが変わらない場合は、早めにクリニックで相談しましょう。
痛みがあるまま使い続けてしまうと、口内炎や傷になってしまう可能性があります。
歯のデコボコ化
歯がデコボコしているように感じるのは、後戻りしている可能性があります。
リテーナーは、矯正した歯を後戻りさせないようにする装置なので、デコボコしているのはリテーナーが正しく機能していない状態です。
リテーナーが歯の形に合っていない可能性があるので、一度クリニックで相談してください。
場合によっては、作り直す必要があります。
きつさを感じる
リテーナーをきついと感じても、装着可能であれば問題はありません。
そのまま使い続けてください。
ただし、リテーナーが浮いてしまったりフィットしなかったりする場合は、後戻りがあると考えられるので、調整が必要です。
クリニックに相談して、リテーナーの形が合っているか見てもらいましょう。
リテーナーのよくあるトラブルと対策
リテーナー装着に関する、よくあるトラブルについてみていきましょう。
とくに多いトラブルは、以下の3つです。
- リテーナー装着をサボってしまった
- リテーナーが壊れてしまった
- リテーナーを紛失してしまった
以下では、トラブルが発生した場合の対策を解説します。
リテーナー装着をサボってしまった
リテーナーを装着をサボると、後戻りしてしまう可能性があります。
どれくらいの期間サボってしまったかによりますが、長ければ長いほど歯並びに影響が出るので、基本的にサボらないようにしてください。
もし少し期間が空いてしまった場合は、一度リテーナーを装着してみましょう。
以前と変わらず装着できているのであれば、後戻りの心配はありません。
しかし、強い痛みを感じたり、フィットしなかったりする場合は、後戻りが進んでいる可能性があるので、クリニックでのチェックを受けてください。
リテーナーが壊れてしまった
リテーナーが壊れてしまった、または傷ついてしまった等のトラブルの場合は、すぐにクリニックに相談してください。
リテーナーは歯並びや噛み合わせを維持できるように作られているので、わずかなヒビやヒズミも、歯並びに影響を及ぼす可能性があります。
小さな破損であれば、その日のうちに元通りに直せる可能性はありますが、大きな亀裂などになると、一から作り直す必要性もでてきます。
無理に使い続けると歯並びに支障を及ぼす可能性があるので、少しでも破損があれば、すぐに相談しましょう。
リテーナーを紛失してしまった
リテーナーを紛失してしまったら、すぐにクリニックに相談してください。
ただし、相談したからといって、すぐに新しいリテーナーが手に入るわけではありません。
新しいリテーナーを用意しなければいけないので、ある程度の時間はかかります。
もちろん、新しいリテーナーを用意するまでの期間に放置しておくわけにはいかないので、応急処置として何かしらの対応はしてくれます。
リテーナーに関するよくある質問
リテーナーのお手入れに関するよくある質問について回答します。
- リテーナー保定期間中に引っ越しする場合の対応
- 保定期間中の診療の目的
それぞれを理解して、適切にリテーナーを使ってください。
リテーナー保定期間中に引っ越しする場合の対応は?
保定期間中に引っ越し等で転院する際は、クリニックに相談して引継ぎをしてもらいましょう。
- 1.転院の希望をかかりつけのクリニックに伝える
- 2.転院先を紹介してもらうまたは自身で探す
- 3.引継ぎのための診断書を用意してもらう
基本的には、上記の流れで転院を行います。
ただし、現在使っているリテーナーのままでは引き継げないというクリニックもあるので、その場合は1からリテーナーを制作しなければいけません。
基本的には転院先のクリニックの方針にそって保定期間などの調整が行われるので、その点は理解しておきましょう。
保定期間中の診療は何の為ですか?
保定期間中もクリニックに通院しなければいけませんが、この通院期間には、以下の2つを確認します。
- 後戻りがないか?
- 虫歯などがないか?
もし何かしらのトラブルがあった場合に早期対応できるように、定期的にチェックする必要があるのです。
通院をサボってしまうと何らかのトラブルが起きた際の対処ができなくなってしまうので、必ず保定期間中は、医師の指示に従って通院してください。
リテーナーを正しく使って綺麗な歯並びにしましょう
リテーナーは、装着して終わりではありません。
正しい装着方法や適切なお手入れを行わなければ、後戻りの原因になってしまいます。
装着しっぱなしの状態も良くないので、自身で時間を管理しながら、適切な時間で装着しましょう。
その他、リテーナーに関して不安や疑問などがある場合は、クリニックに相談してください。