出っ歯で悩んでいませんか?
この記事では「出っ歯の矯正方法」について解説します。
結論、出っ歯はいくつかの方法で矯正できます。
出っ歯を矯正しないと、身体的に悪影響を及ぼす可能性もあるので、早い段階で矯正を検討した方が良いでしょう。
その他にも「出っ歯のタイプ」や「自分で出っ歯を矯正する方法」についても解説するので、ぜひ出っ歯で悩んでいる人は、お口周りの悩みを解消してください。
出っ歯による大きな影響
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出っ歯になっていると、身体的に悪影響を及ぼす可能性があります。
骨格性の出っ歯か歯槽性の出っ歯か、また、出っ歯の具合によっても異なりますが、主な影響は以下の5つです。
- ロゴボ
- アデノイド顔貌
- 食べ物が噛み切れない
- 胃腸への影響
- 歯周病や虫歯
出っ歯の人は、それぞれの症状に悩まれている人もいるのではないでしょうか。
以下で「なぜそれぞれの症状が出てしまうのか」「どのような症状なのか」について解説します。
ロゴボ
ロゴボというのは、口元が前に突出し、前方に盛り上がった状態です。
歯科用語では、上顎前突と言います。
ロゴボの状態になると、横顔の見た目が悪くなってしまうため、気にされる人が多いです。
自分ではわからないような口ゴボの状態もあるので、一度クリニックで見てもらうと良いでしょう。
アデノイド顔貌
アデノイド顔貌とは、アデノイドという組織が口呼吸によって肥大し、それが原因で顔の形が変形してしまう症状です。
アデノイドとは、のどの奥と鼻奥の突き当りの間にあるリンパ組織で、口や鼻から呼吸と共に入ってくる細菌やウイルスの侵入を防ぎます。
習慣的に口呼吸することで下顎が小さく引っ込み、面長で下唇が分厚くなるのが大きな特徴です。
横から見た場合、顎が小さく出っ歯が目立ってしまい、コンプレックスに感じてしまう人もいるでしょう。
食べ物が嚙み切れない
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出っ歯は、食べ物が噛み切りにくくなります。
なぜなら、出っ歯は、上下の前歯が噛み合わないからです。
通常であれば、噛み合った歯で食べ物を噛み切るので、上下の歯がズレてしまうと、食べ物を噛み砕きにくくなってしまいます。
そのため、奥歯で噛むことが多くなり、奥歯がすり減ったり破損したりして、歯の寿命が短くなってしまうケースもあるのです。
胃腸への負担
出っ歯は、咀嚼(そしゃく)が上手くできません。
先述したように、出っ歯は上下の前歯が噛み合わないため、食べ物を上手に噛み砕けない状態です。
そのため、よく噛まずに飲みこんでしまう場合が多く、胃腸に負担がかかります。
出っ歯でもよく咀嚼することはできないわけではないものの、出っ歯ではない人と比べれば、咀嚼の回数は少なくなってしまうでしょう。
歯周病や虫歯
出っ歯は、歯周病や虫歯の原因になります。
なぜなら、出っ歯は口を閉じにくいために、口呼吸で口腔内が乾燥してしまうからです。
口腔内が乾燥してしまうと、唾液の分泌が不十分になり、唾液の持つ殺菌作用が十分に働きません。
歯周病や虫歯の他、風邪をひきやすくなるなどの可能性も高まります。
出っ歯の主な3タイプ
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出っ歯と一重に言っても、主に3種類のタイプがあります。
- 上下顎前突
- 上顎前突
- 下顎骨の後方回転を伴う上顎前突
それぞれの出っ歯タイプは、出っ歯の度合いが異なります。
現在出っ歯で悩んでいる人は、自身がどのタイプの出っ歯であるか確認してみてください。
上下顎前突
上下の前歯が突出している歯並びです。
咬み合わせは1級とされるケースが多いですが、軽度の2級とされる場合もあります。
骨格的にはほぼ正常で、上下顎の骨のズレはほとんどありません。
医学的には「出っ歯」ではないため、正式には上下顎前突と呼ばれます。
上顎前突
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上下顎前突は上顎前歯が出ている、最もわかりやすい出っ歯です。
2級咬合と言われる噛み合わせで、上顎の歯に対して下顎の歯がズレています。
矯正によって治療する方法もありますが、歯を抜歯する方法でも改善できる可能性があります。
治療方法はいくつかあるので、気になる人はクリニックで相談してみましょう。
下顎骨の後方回転を伴う上顎前突
骨格のズレが原因となっている出っ歯です。
下顎の骨が後方にズレているだけではなく、回転しているためあごの先にも違和感があります。
治療法は、上唇が突出しているか、上下歯列の噛み合わせが正常かどうかによって異なります。
歯並びは1級の場合もあれば2級の場合もあるので、クリニックで一度見てもらいましょう。
出っ歯を自分で矯正する方法
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出っ歯は、基本的に自力での改善はできません。
歯や顎に関連するため、治療を行わなければ出っ歯自体は矯正できないのです。
しかし、出っ歯が原因となる横顔の改善はできる可能性があります。
また、子どもの場合であれば、出っ歯にならないように予防ができます。
以下でいくつかの方法を解説するので、実践してみてください。
リップトレーニング
リップトレーニングは、唇を閉じた時にできる、顎先の梅干しシワを改善できる可能性があります。
梅干しシワは、唇を閉じるときにオトガイ筋という筋肉を使って閉じることが原因です。
そのため、唇を閉じるときにオトガイ筋ではなく、口輪筋を鍛えます。
口輪筋を鍛えれば、梅干しシワができなくなる分、見た目を改善できるのです。
ただし、極端な出っ歯では効果が出ません。
口腔筋機能療法
口腔筋機能療法は、MFTとも呼ばれる方法です。
とくにスキっ歯の人に効果があります。
スキっ歯の原因はさまざまですが、舌の癖が原因になっている場合があります。
そのため、舌の癖を治すトレーニングをすれば、改善される可能性があるのです。
悪習癖を治す
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悪習慣を治すのは、改善方法ではなく予防法です。
そのため、効果が期待できるのは子どもだけになります。
基本的にアデノイド顔貌や口呼吸様顔貌などは、口呼吸が原因です。
そのため、鼻呼吸を行うようになれば、アデノイド顔貌を予防できる可能性があります。
悪習慣というのは、口呼吸の他、指おしゃぶりなどです。
子どもの頃から治しておけば、出っ歯などになる可能性を防げます。
出っ歯の矯正方法
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出っ歯を矯正するには、主に5つの方法があります。
- マウスピース矯正
- ワイヤー矯正
- インプラント矯正
- セラミック矯正
- 手術
それぞれの治療法の特徴は、以下のとおりです。
矯正方法 | 特徴 |
マウスピース強制 | ・時間をかけて矯正していく ・リーズナブル ・痛みが少ない |
ワイヤー矯正 | ・歯に装着して強い力をかけて矯正 ・抜歯矯正と相性が良い |
インプラント矯正 | ・あごの骨にネジを埋め込んで歯を移動させる ・外科的処置が必要 |
セラミック矯正 | ・歯を動かさずに歯並びを変える・歯を削って神経を抜かなければいけない |
手術 | ・あごの骨を切って正常な位置に戻す・外科手術とワイヤー矯正が必要 |
以下では、それぞれの矯正方法について、より具体的に解説します。
出っ歯が気になる人は、いずれかの方法を検討してみてください。
マウスピース矯正
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マウスピース矯正は、リーズナブルに出っ歯を矯正できます。
軽度~中度の出っ歯に有効的です。
クリニックによって異なりますが、基本的に透明のマウスピースをつけて矯正していくので、目立ちにくい点もメリット。
ただし、1日に20時間ほど装着しておかないと効果が出ないので、ほとんどつけっぱなしにしておかなければいけません。
治療期間目安は部分であれば、6カ月~1年、全体であれば1年半程度です。
費用は、30~80万円程度が相場になります。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、歯に強い力をかけて矯正していく方法です。
出っ歯や歯並びの矯正として、従来から利用されています。
強い力をかけるため、重度の出っ歯にも適用可能。
ただし、矯正装置が見えやすいため、見た目が気になるデメリットがあります。
治療期間は、1~2年半程度で、費用は60~150万円が相場です。
インプラント矯正
インプラント矯正は、ネジを上アゴや下アゴに埋め込み、歯を動かす方法です。
アゴの骨に固定するため、強い力で歯を上下左右に動かせます。
ただし、外科的な処置が必要であるため、痛みを感じたり、場合によっては感染症のリスクがあったりするのがデメリット。
治療期間は、症状によって異なり、費用はネジ1本につき5千円~3万円が相場です。
セラミック矯正
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セラミック矯正は、セラミッククラウンを歯にかぶせて見た目を整える方法です。
マウスピースやワイヤーとは異なり、歯を動かさずに歯並びを綺麗に見せられます。
ただし、クラウンをかぶせる際に歯を削って神経を抜かなければいけません。
そのため、前歯のみにしか治療を適用できないデメリットがあります。
治療期間は本数によって異なり、費用は歯1本につき4~10万円ほどです。
手術
アゴの骨格そのものが前に出ている出っ歯の場合、歯科矯正での治療はできません。
アゴの骨を切る外科手術が必要です。
手術は、口腔外科もしくは美容整形外科で行います。
口腔外科の場合は保険適用可能ですが、美容整形外科では保険適用外となるので注意しましょう。
治療自体は数時間で終わりますが、回復期間は1~3週間が目安です。
費用は、口腔外科で保険適用の場合であれば、20~30万円ほどになります。
出っ歯矯正治療のメリット
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出っ歯を矯正することで得られるメリットは、以下の2つです。
- 健康リスクが小さくなる
- 部分矯正ならリーズナブルになる
見た目としてのメリットはもちろんですが、健康面や費用面でもメリットがあります。
以下でそれぞれのメリットについて解説するので、出っ歯矯正を検討している人は参考にしてください。
健康上のリスクが比較的小さい
出っ歯を矯正すると、健康上のリスクが改善されます。
さらに、歯科矯正は、他の方法と比べてリスクが低いです。
外科治療はリスクが多い一方で、歯科矯正であればリスクが小さくて済むケースがほとんど。
個人の状況によっても異なりますが、手術などで不安がある場合は、歯科矯正をおすすめします。
部分矯正ならリーズナブルになる
歯科矯正であれば、リーズナブルかつ気軽に矯正できます。
歯科矯正は、すべての歯を矯正する方法と部分的に矯正する方法がありますが、部分矯正はリーズナブルに治療可能です。
全顎と比べると、治療にかかる費用や期間は半分ほどになります。
費用などで不安を感じる場合であれば、まずは部分矯正から始めてみると良いでしょう。
出っ歯矯正治療のデメリット
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出っ歯を歯科矯正で治療する場合には、デメリットも発生します。
デメリットを強く感じる場合は、歯科矯正以外の方法を検討した方が良いでしょう。
主なデメリットは、以下の3つです。
- 矯正装置の見た目が気になる
- 痛みを感じやすい
- 日常生活に制限がある
それぞれのデメリットを以下で解説するので、出っ歯の矯正方法で悩んでいる人は、デメリットも合わせて検討してください。
矯正装置の見た目が気になる
歯科矯正で行う矯正は、主に矯正装置を装着する方法です。
矯正装置は表側と裏側で選べますが、表側に装着すると見た目が気になってしまうでしょう。
しかし、裏側に装着する場合は、費用が多少高くなります。
治療期間中の見た目が気になる場合は、裏側装着、または、別の矯正方法を検討してください。
痛みを感じやすい
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歯科矯正で行う出っ歯の矯正は、歯に装置をつけて力をかけて動かします。
そのため、歯を動かすときに痛みを感じやすいです。
また、装置が口の中に触れるため、口内炎ができる場合もあります。
個人差はありますが、できるだけ痛みを避けたい人は、矯正装置以外の方法を検討しましょう。
日常生活に制限がある
歯科矯正では、日常生活にある程度の制限があります。
矯正装置を装着するため、装置が壊れないように気を付けなければいけません。
たとえば、ナッツやおせんべいなどの固い食べ物を控えたり、キャラメルやガムのような粘着する食べ物を控えたりする必要があります。
また、歯ブラシを行う際には、歯だけではなく、装置のお掃除も必要です。
出っ歯が気になる人は矯正歯科をおすすめ
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出っ歯が気になっている人は、矯正歯科がおすすめです。
矯正歯科であれば、リーズナブルかつ気軽に出っ歯の改善を行えます。
ただし、出っ歯の度合いによっても異なるので、現在出っ歯で悩まれている人は、一度クリニックで相談してみてください。
矯正の方法は様々なので、矯正方法についても合わせて相談すると良いでしょう。
ぜひ出っ歯で長年悩まれているのであれば、今回の記事を参考に、矯正を検討してみてください。
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