歯列矯正を高校生の子どもにさせたいと考えている人や、歯列矯正を始めようかと迷っている高校生の中で、高校生から始めるのは遅くないのかと考えている人はいませんか?
歯列矯正は小さいうちから始めたほうが良いという話もあり、今から始めても仕方ないかなと思う人もいるかもしれません。
そこでこの記事では「歯列矯正を高校生から始めるのは遅くないのか」について説明していきます。
結論としては、歯列矯正を高校生から始めても遅くありませんので、すぐに始めましょう。
高校生が歯列矯正を始めるメリットがいくつもありますので、説明していきます。
また、高校生の歯列矯正の方法、高校生の歯列矯正の費用と期間、高校生の歯列矯正に関するQ&Aについても解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
歯列矯正を高校生から始めてもいいのか?
歯列矯正を高校生から始めてもいいのでしょうか。
まず、以下の2点について説明します。
- 歯列矯正を高校生から始めても遅くない
- あえて高校生から始める場合もある
歯列矯正を高校生から始めても遅くない
歯列矯正は、高校生から始めるのが遅いということはありません。
乳幼児とは異なり、本人が納得した上で積極的に治療に取り組める点など、高校生ならではの良さもあります。
また、高校生になると、顎の成長が完了し、永久歯も生え揃うため、成長による今後の変化を考慮に入れて治療計画を立てる必要がなくなります。
あえて高校生から始める場合もある
歯列矯正を高校生から始めても遅くないどころか、あえて中学生までの時期には始めずに、高校生から始める場合もあります。
中学生までの時期では、顎が成長を続けているため、大人と同じ治療法を行うことはできません。
しかし、高校生になると大人と同じ治療ができるため、歯並びや噛み合わせの状態によっては、高校生になるまで治療を始めないケースがあります。
高校生が歯列矯正を始めるメリット
歯列矯正を高校生から始めてもいいのかどうかについて説明しましたが、次に、高校生が歯列矯正を始めるメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。
以下の5点について解説します。
- 矯正期間が大人よりも短いことが多い
- 歯並びのコンプレックスが解消される
- 虫歯・歯周病予防
- 健康状態の改善につながる
- 抜歯せずに歯列矯正が行える可能性が高い
矯正期間が大人よりも短いことが多い
高校生の時期は、歯の周りの組織の新陳代謝が活発で歯の移動がしやすいため、大人になって矯正治療を始めた場合と比較すると、期間が短く済むケースが多いと言われています。
大人になると顎などの骨格は完成し、新陳代謝も低下してくるため、歯を動かすのが難しくなり、治療期間も長くかかるのが一般的です。
矯正期間が大人よりも短ければ、その分、本人の負担も軽くなりますし、かかる費用も抑えることができます。
歯並びのコンプレックスが解消される
高校生の時期は、歯並びなどの見た目のコンプレックスに悩んでしまいやすいです。
人前で歯を見せたくないと思ってしまうと、話したり笑ったりすることにも抵抗を感じてしまうでしょう。
また、歯並びの悪さは噛み合わせにも影響を与え、発音が悪くなるなど、話すことにもコンプレックスを持ってしまうケースもあります。
矯正治療を行えば、歯並びによるコンプレックスを解消できるでしょう。
虫歯・歯周病予防
歯並びが悪くて歯が重なって生えていたりすると、きちんと歯磨きして汚れを取り除くのが難しくなってしまいます。
その結果、虫歯になったり歯周病になったりするリスクが高くなるでしょう。
矯正治療によって噛み合わせを改善させれば、歯磨きがしやすくなり、虫歯や歯周病の予防につながります。
健康状態の改善につながる
歯並びを整えておくことで、健康状態の改善につながります。
噛み合わせが悪いと、食べ物を噛み砕く能力が低下し、消化不良などを起こしてしまいます。
栄養を十分に吸収できず、健康や成長に悪影響を及ぼしてしまう可能性もあります。
さらに、歯の位置がずれていると体が歪んでしまい、頭痛、めまい、肩こり、腰痛、顎関節症などの症状に悩まされるリスクも高まります。
抜歯せずに歯列矯正が行える可能性が高い
大人になって矯正治療を行う場合には、歯が動きにくいため、抜歯して歯を動かして並べるためのスペースを空けるケースがあります。
高校生の場合には、歯が動きやすいため、抜歯をせずに歯列矯正が行える可能性が高まります。
せっかく持っている健康な歯を抜かずに治療を進められるのは大きなメリットです。
高校生の歯列矯正の方法
高校生が歯列矯正を始めるメリットを説明しましたが、高校生の歯列矯正の方法を2つ紹介します。
- ブラケット矯正
- マウスピース矯正
どのような方法があるのかをよく理解した上で、矯正の治療方法を選択しましょう。
ブラケット矯正
ブラケット矯正はワイヤー矯正とも呼ばれ、歯にブラケットという装置を装着して、ワイヤーを通して歯並びを調整する治療方法です。
歯を動かしたい方向にワイヤーによって力をかけていきます。
ブラケット矯正には、大きく分けて表側矯正と裏側矯正の2種類があります。
それぞれについて説明していきましょう。
表側矯正
表側矯正は、ブラケット矯正のうち、歯の表側にブラケットとワイヤーを付ける治療方法であり、最も一般的な歯列矯正の方法です。
ほとんどの症例に対応できる方法ですが、矯正装置が目立ってしまう点がデメリットであると言えます。
ただし、昨今では従来の金属製のブラケットだけではなく、セラミック素材、プラスチック素材を用いた目立ちにくいものも作られています。
費用は比較的高額になってしまいますが、見た目が気になる場合にも利用できます。
裏側矯正
裏側矯正はリンガル矯正とも呼ばれ、歯の裏側にブラケットとワイヤーを付ける治療方法です。
他人からはほとんど見えず、矯正装置を付けていると知られないのがメリットです。
ただし、表側矯正に比べて、歯科医、歯科技工士の高い技術力が必要となるため、費用が比較的高額になります。
また、歯並びによっては裏側矯正がしにくかったり、治療期間が長くなったりするケースもあります。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、透明のマウスピースを歯に装着する治療方法です。
歯型を取り、歯並びの状態にあったマウスピースをオーダーメイドで作ってもらいます。
マウスピース矯正は透明であるため、目立ちにくいのがメリットです。
また、取り外しが可能であるため、歯磨きがしやすく虫歯予防にも効果的です。
ただし、付け忘れてしまったり、装着時間が短くなり効果が減ってしまったりというリスクに注意してください。
症状が重度の場合には、マウスピース矯正では対応できないケースもありますので歯科医院と相談した上で行いましょう。
高校生の歯列矯正の費用と期間
高校生の歯列矯正の方法を紹介しましたが、次に気になるのは、費用はいくらかかるのか、どれくらいの時間がかかるのかということではないでしょうか。
- 高校生の歯列矯正の費用
- 高校生の歯列矯正の期間
以上の2点について説明します。
費用と期間も考慮して、歯列矯正を進めるかどうかを検討しましょう。
高校生の歯列矯正の費用
高校生の歯列矯正の費用は、基本的には大人と同じです。
保険適用外となる場合の費用は、矯正歯科医院によって異なります。
以下では、目安となる金額について解説します。
歯列矯正の費用の目安
歯列矯正の費用の目安は、矯正方法によっても異なりますが、以下を目安としてください。
- 表側矯正…30~100万円程度
- 裏側矯正…40~150万円程度
- マウスピース矯正…10~100万円程度
マウスピース矯正の金額に幅があるのは、部分矯正か全体矯正かによる違いです。
歯科矯正は、基本的には保健適応外の自由診療になるため、全額自己負担となります。
保険が適用される場合
ブラケット矯正を行う場合、以下のようなケースでは保険適用可能とされているため、矯正歯科医院に相談してみましょう。
・顎の骨を切り離す必要がある「顎変形症」の手術前後の矯正歯科治療
・前歯が3本以上永久歯が生えてこない「永久歯萌出不全」
・「厚生労働大臣が定める疾患」を原因とした咬合異常に対する矯正歯科治療
高校生の歯列矯正の期間
高校生の歯列矯正の期間は、ブラケット矯正の場合もマウスピース矯正の場合も1年〜3年程度が目安となるでしょう。
ただし、マウスピース矯正の部分矯正の場合には、2か月〜1年程度で治療が完了するケースもあります。
治療期間中は月に1回程度の間隔で通院し、矯正装置の調整やワイヤー交換を行うのが一般的です。
定期的な通院を怠ってしまうと、矯正の効果が出にくいので、注意してください。
そのため、自宅から通院しやすい歯科医院を選ぶことも重要です。
高校生の歯列矯正に関するQ&A
高校生の歯列矯正の費用と期間について説明しましたが、次に、高校生の歯列矯正に関するよくある疑問についてお答えしていきます。
- 見た目はどうなのか?
- 部活動に影響はあるのか?
- 高校卒業までに完了するのか?
以上の3つの疑問に対して解説します。
見た目はどうなのか?
ブラケット矯正の場合は、シルバーの矯正装置が目立ってしまい、見た目が悪くなってしまうことを気にする人もいるでしょう。
いくら治療が完了したら歯並びが良くなるといっても、治療中は装置を付けていることが気になってしまうかもしれません。
そこでおすすめなのが、目立ちにくい矯正方法です。
ブラケット矯正の表側矯正であれば、シルバーではなく、白やピーチゴールドの装置を使ったものがあります。
また、裏側矯正や、マウスピース矯正であれば、外部からはほとんど気づかれません。
部活動に影響はあるのか
部活動に積極的に取り組んでいる高校生の場合は、自分の部活に影響があるのなら歯列矯正を始めたくないと考える人もいるかもしれません。
運動部であれば、装置が口の中にあたって傷をつけたり、装置の調整を行った直後に痛みが発生したり、激しい運動によって装置が外れたり、などというリスクに注意が必要です。
また、吹奏楽部などであれば、矯正装置が邪魔になったり気になったりするために、演奏に支障をきたすこともあるかもしれません。
部活動に与える影響が心配な人は、矯正歯科医院に相談してみましょう。
部活動に応じた治療方法を提案してもらえるケースもあります。
高校卒業までに完了するのか?
高校生で歯列矯正治療を始めた場合、高校卒業までに完了しなかったらどうなるのかという心配を持つのは当然です。
高校卒業後は、親元を離れて進学・就職する人もいるかもしれません。
その場合には、引越し先の歯科医院に、矯正治療を引き継ぐことになります。
引っ越す1か月以上前に、あらかじめ、現在の歯科医院に相談しておきましょう。
歯列矯正を高校生から始めて笑顔で過ごそう!
この記事では「歯列矯正を高校生から始めるのは遅くないのか」について説明しました。
歯列矯正を高校生から始めても遅くはありません。
それどころか、高校生が歯列矯正を始めるメリットがたくさんありますので、歯列矯正の方法、費用、期間を考慮した上で、できるだけ早く始めることをおすすめします。
歯列矯正を行うことによって、歯並びのコンプレックスを解消させ、健康状態を改善させて、笑顔で高校生活を過ごしましょう!