「マウスピース矯正で八重歯は治せるのかな?」「ワイヤー矯正を選んだほうがいいのかな?」このようなお悩みを抱えていませんか。
結論からいうと、基本的にはマウスピース矯正で八重歯を治療することは可能です。しかし、歯並びによっては治療が難しいケースもあります。
この記事では、マウスピース矯正で八重歯を治す方法について解説します。また、治療期間や費用相場についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
八重歯になる原因

八重歯とは、犬歯が歯列の外側にはみ出したり、重なり合ったりしている歯並びのことです。そもそもなぜ八重歯になってしまうのでしょうか?原因は主に以下の2つです。
・歯が並ぶスペースがない
・歯のサイズが大きい
歯が並ぶスペースがない
顎が小さく歯が並ぶスペースが少ないと、八重歯になることがあります。 八重歯は、前や奥の歯の後に生えてくることが多いため、先に生えた永久歯にスペースが取られて、歯並びから飛び出してしまうケースがあります。
歯のサイズが大きい
歯の大きさが通常よりも大きい場合も、八重歯の原因となります。 顎のスペースに対して歯が大きすぎると、すべての歯が正常に収まらず、一部の歯が前に現れたり、ねじれていたりするのです。
また、歯のサイズが大きい要因には、遺伝が関係していると考えられています。八重歯の歯並び自体が遺伝するわけではありませんが、両親が顎に対して歯が大きい場合、子どもは八重歯になる確率が高くなります。
マウスピースで八重歯を治療する方法

八重歯の治療では、まず歯が並ぶためのスペースを確保し、正しい位置に移動させるのが一般的です。マウスピースで八重歯を治療する方法は、主に以下の4つです。
・歯を抜く
・歯を後ろに移動させる
・歯列を横に広げる
・歯の側面を削る
歯を抜く
八重歯の重なりが強い場合、抜歯によってスペースを作り、歯を正しい位置に移動させる方法が一般的です。 顎に対して歯が多すぎる場合や、スペース不足が大きい場合にも適用されます。
抜歯するのは主に第一小臼歯(前から4番目の歯)です。基本的に八重歯を抜歯することはありません。抜歯することで歯並び全体が整い、噛み合わせの改善や口元の突出感の軽減にも繋がります。
歯を後ろに移動させる
スペースを作る方法の一つとして、奥歯を後方に移動させることで前歯が入るスペースを確保する方法があります。 ワイヤー矯正と比較して、マウスピース矯正は奥歯を後方に移動させるのに適しています。奥歯の位置に余裕がある場合や、抜歯を避けたい場合に適用されます。
歯列を横に広げる
八重歯の原因が顎が狭い場合や、歯が並ぶスペースが足りない場合、歯列を横に広げる方法が用いられます。 主に「拡大床」を使い、顎のアーチを広げることで、歯が並ぶスペースを確保します。拡大床とは歯を外側に移動させる装置で、入れ歯に似たマウスピース型をしています。
なお、拡大床は子どもの歯列矯正にも使われます。顎の骨の成長が活発で、永久歯の生え揃っていない時期に始めると効果的です。
歯の側面を削る
スペースを作る方法の一つに、歯のエナメル質の一部を減らす「ディスキング」があります。これは、歯の側面を0.25mm〜0.5mm程度削り、わずかなスペースを作ることで、歯をきれいに並べる方法です。
特に歯のサイズが少し大きく、歯を抜かずに治療したい場合に適用されます。ディスキングは、歯の健康や強度に影響を与えない範囲で行われます。
マウスピース矯正で八重歯を治すメリット

八重歯を放置すると、虫歯や歯周病などのリスクがあるため、矯正をおすすめします。矯正にはマウスピース矯正の他に、ワイヤー矯正もありますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。ワイヤー矯正と比較した場合の、マウスピース矯正のメリットは主に以下の通りです。
・歯磨きがしやすい
・矯正装置が目立たない
・痛みが少ない
・金属アレルギーのリスクが少ない
・通院間隔を長く空けられる
歯磨きがしやすい
マウスピース矯正は取り外しができるため、歯磨きがしやすいという大きなメリットがあります。特に八重歯は歯並びがデコボコしているため汚れがたまりやすく、矯正中のケアが重要です。矯正中は丁寧に歯を磨き、きれいな状態を維持しましょう。
矯正装置が目立たない
マウスピース矯正は透明なプラスチック製の装置を使うため、矯正装置が目立たないのが特徴です。ワイヤー矯正は金属の装置が目立ちやすいため、見た目が気になるという人もいるでしょう。
しかし、マウスピース矯正なら装着していても気づかれにくいため、仕事や学校でも気兼ねなく矯正を続けることができます。 特に接客業や営業職など、人と話す機会が多い人にとっては大きなメリットです。
痛みが少ない
マウスピース矯正は、ワイヤー矯正に比べて痛みが少ないです。ワイヤー矯正では、調整時にワイヤーの締め付けによる強い痛みを感じますが、マウスピース矯正では1~2週間ごとに少しずつ歯を動かすため、痛みが生じにくいとされています。
また、ワイヤー矯正の場合は装置が口の中に当たって口内炎ができることがあります。一方、マウスピース矯正の装置は角が丸いので、口内を傷つけにくいのが特長です。
金属アレルギーのリスクが少ない
マウスピース矯正は、金属を一切使用しないため、金属アレルギーのリスクがないのが利点です。ワイヤー矯正では、金属製のブラケットやワイヤーを使用するため、金属アレルギーの人は歯ぐきの腫れや口の中のかゆみなどの症状が出る可能性があります。
マウスピース矯正はプラスチック製の透明な素材を使用しているため、金属アレルギーの人でも治療しやすいです。
通院間隔を長く空けられる
マウスピース矯正は、通う頻度が少なくて済みます。ワイヤー矯正は1ヶ月に1回程度なのに対し、マウスピース矯正は2~3ヶ月に1回程度の通院で済むことが多いです。
マウスピース矯正は、あらかじめ複数枚のマウスピースが用意されているため、歯科医師による調整の必要がありません。患者自身でマウスピースを交換しながら治療を進めるので、通院頻度が低いのです。
そのため、忙しい人でも矯正を続けやすく、遠方の歯科医院で治療を受ける場合にも負担が少なくなります。
マウスピース矯正のデメリット

マウスピース矯正は魅力的な治療方法ですが、デメリットもあります。マウスピース矯正のデメリットは主に以下の通りです。
・適応できない症例がある
・長時間装着する必要がある
・食事をする時は外す必要がある
適応できない症例がある
マウスピース矯正は、全ての八重歯に適応できるわけではありません。マウスピース矯正は軽度から中度の八重歯には対応可能です。しかし、著しく重度の八重歯や骨格のズレが関係している場合などは、ワイヤー矯正や外科的治療が必要になる場合があります。
長時間装着する必要がある
マウスピース矯正では、1日18時間以上の装着が推奨されるため、自己管理が非常に重要です。 装着時間が短いと歯が計画通りに動かず、治療期間が長かったり、期待した効果が得られなかったりすることがあります。
また、矯正治療で動かした歯が、元の位置に戻ることもあるため注意が必要です。後戻りした場合はマウスピースを作り直す可能性もあります。
食事をする時は外す必要がある
マウスピースを装着したまま食事をすると、変形や破損の原因になったり、食べ物の色が移ってマウスピースが着色してしまったりすることがあります。そのため、食事する際はマウスピースを外さなければいけません。
また、甘い飲み物や色の濃い飲み物を飲むときも、マウスピースを外しましょう。甘い飲み物はマウスピースの中に糖分が停滞して虫歯に繋がる恐れがあります。熱い飲み物もマウスピースを変形させる恐れがあるため、注意が必要です。
マウスピース矯正で八重歯を治すのにかかる値段
マウスピース矯正で八重歯を治す場合は、部分矯正なら10万~40万円、全体矯正なら60万~120万円がかかります。
部分矯正は、ごく軽度の八重歯を治療する場合に適応されます。一部の歯列だけ矯正するため、費用が安く抑えられます。一方、全体矯正は中度や重度の八重歯を治療する場合に適応されます。全体矯正なら見た目はもちろん、噛み合わせも調整できるため、歯の寿命を伸ばすことにも繋がります。
マウスピース矯正で八重歯を治すのにかかる期間
八重歯の治療期間は、部分矯正の場合は4ヶ月〜1年、全体矯正の場合は1~3年が目安です。八重歯の治療期間は、矯正する範囲によって大きく異なります。また個人差もあるため、治療にどのくらいの期間が必要かは、医師に直接質問するといいでしょう。
マウスピース矯正で八重歯が浮くって本当?
マウスピースを装着した際に、八重歯の部分が浮くことはよくあります。マウスピースが歯とフィットしておらず、隙間ができているためです。通常はマウスピースの形に合わせて徐々に歯が動いて、隙間が無くなることで浮かなくなっていきます。
浮いている範囲が、1mm程度であれば問題ありませんが、それ以上ある場合はクリニックに相談したほうがいいでしょう。
まとめ
この記事では、マウスピースで八重歯を治療する方法について解説しました。基本的に、マウスピース矯正で八重歯を治すことは可能です。しかし、著しく重度の八重歯や骨格のズレがある場合などはマウスピースでは治療できないことがあります。ワイヤー矯正や外科的治療が必要になることもあるため、頭に入れておくといいでしょう。
高輪クリニックグループでは、マウスピース矯正を取り扱っております。歯型データや骨格データなどを取らせていただき、そこから正確な3Dシミュレーションを作成致します。矯正相談は無料ですので、ぜひお気軽にご相談ください。