虫歯になりやすい人・なりにくい人がいるとの説がありますが、結論としてこれは本当です。なりやすい人の特徴に該当する人にとってはつらい話ですが、裏を返せば対処法を見つけることもできます。本記事では、虫歯の原因や仕組みから虫歯になりにくくする方法までを解説するので、細かく確認しておきましょう。
虫歯になりやすい人・なりにくい人がいるって本当?
虫歯になりやすい人・なりにくい人がいるとの説は本当です。虫歯ができるのには原因や理由があり、そのなかには生活習慣に由来するものもあります。まずは虫歯ができる原因と仕組み、そして虫歯ができやすい場所を把握しておきましょう。
虫歯ができる原因・仕組み
虫歯の原因は「細菌(虫歯菌)」「歯質」「食べ物」の3つです。口内にある細菌が増殖すると虫歯になりやすくなり、さらに歯質が悪ければ虫歯菌が歯を蝕みやすくなります。また、虫歯菌は糖分などの食べ物を餌にして増殖するため、この3つはいずれも虫歯の原因として無視できません。
虫歯菌が繁殖すると、歯の表面にあるエナメル質を溶かしはじめます。この状態を放置しているとさらに虫歯菌が歯の奥にまで進行し、最終的には神経まで到達するのです。つまり、虫歯菌が繁殖しやすい生活環境で過ごしている人ほど、虫歯になりやすいといえます。
虫歯ができやすい場所
虫歯ができやすい場所は次のとおりです。
<虫歯ができやすい場所>
- 奥歯
- 歯と歯の間
- 歯と歯茎の間
いずれも歯ブラシが届きにくい場所であり、清潔な状態を保ちにくいため虫歯ができやすくなります。
虫歯になりやすい人の特徴
虫歯になりやすい人の特徴をご紹介しましょう。
<虫歯になりやすい人の特徴>
- 歯磨きが十分にできていない人
- 甘いものを食べる機会が多い人
- 間食することが多い人
- 口呼吸をしている人
- あまり噛まずに食べている人
- 被せ物・詰め物をしている人
- 遺伝的に虫歯になりやすい体質の人もいる
順番にわかりやすく解説します。
歯磨きが十分にできていない人
歯磨きが十分にできていないと、虫歯菌を増殖させる原因となる「歯垢」「歯石」「食べかす」などが口内に残ってしまいます。奥歯まで届きやすい先端がコンパクトな歯ブラシを使い、歯間ブラシやデンタルフロスも併用しながら、食後は必ず歯磨きをしましょう。
甘いものを食べる機会が多い人
虫歯菌はとくに甘いものを好みます。お菓子などの糖分を多く含むものを食べたり、ジュースを飲んだりする機会が多い人は虫歯になりやすいため、より徹底して歯磨きを行いましょう。
間食することが多い人
だらだらと間食を続けると、口内が虫歯菌の活動しやすい「酸性」に傾きます。虫歯のリスクを下げるためには間食を控えることも検討しましょう。くわしくは後述しますが、口寂しいときはキシリトールガムを噛むことをおすすめします。
口呼吸をしている人
口呼吸が多い人は唾液が不足し、口内が乾燥してしまいます。唾液には口内の汚れを洗い流す作用や、虫歯菌の活動を抑える作用がありますから、意識的に口呼吸を減らして口内を潤しましょう。
あまり噛まずに食べている人
よく噛んで食べると唾液の分泌量が増えますが、反対にあまり噛まない人は十分な量の唾液が分布されません。先述したとおり、唾液の分泌が少ないと虫歯菌が口内に潜みやすくなるため、虫歯のリスクが高くなります。
被せ物・詰め物をしている人
以前の歯科治療により被せ物や詰め物がある人の場合、歯と被せ物・詰め物の間に隙間ができやすくなります。この部分には虫歯菌がたまりやすく、歯ブラシも届きにくいため、虫歯になりやすくなるので注意しましょう。
遺伝的に虫歯になりやすい体質の人もいる
虫歯そのものは遺伝しませんが、虫歯のなりやすさについては遺伝するとの研究結果も見られます。一説によると、虫歯は白人よりもアジア人のほうがなりやすいともいわれており、日本人はとくに注意しなければなりません。
虫歯になりにくくするための方法
虫歯になりやすい人の特徴を知り、それを反面教師にすることで、虫歯になりにくくすることも可能です。虫歯になりにくくするための有効な方法を6つ確認しておきましょう。
<虫歯になりにくくするための方法>
- 正しくブラッシングをする
- 口内の乾燥を防ぐ
- 間食を減らす
- 糖質制限をする
- キシリトールガムを噛む
- 定期的に歯のクリーニングを受ける
それぞれくわしく解説します。
正しくブラッシングをする
正しくブラッシング(歯磨き)をしましょう。丁寧に1~2本ずつ、歯と歯茎を傷付けないようにやさしく磨きます。歯ブラシが届きにくい場所には、歯間ブラシやデンタルフロスを使うのがポイントです。また、エナメル質を強化して再石灰化を効率よく進められる「フッ素入り歯磨き粉」の使用もおすすめできます。
口内の乾燥を防ぐ
口内が乾燥すると虫歯菌が活性化されるため、口内を常に潤し続けることもポイントです。こまめに水分を取ると有効的ですが、虫歯菌が好む糖分が含まれた飲み物は極力避けましょう。また、後述する「キシリトールガム」を噛んで唾液の分泌を促進させることもおすすめできます。
間食を減らす
間食をすると、口内が虫歯菌の好む酸性の状態に傾きます。また、間食をすると食べかすが歯に残りやすくなり、これも虫歯の原因になるため要注意です。間食を減らすことでこの2つの問題をクリアしやすくなり、虫歯の発生を防ぎやすくなります。
糖質制限をする
糖質は虫歯菌の餌になりやすいため、糖質制限をして虫歯菌の増殖を抑えましょう。砂糖を含むスイーツだけでなく、ご飯や小麦などの穀類にも多くの糖質が含まれています。糖質を取ったあとは念入りに歯磨きすることをおすすめします。
キシリトールガムを噛む
キシリトールガムを噛むことも虫歯予防に有効的です。キシリトールには虫歯菌の進行を予防する作用があるほか、ガムを噛むことで殺菌作用・浄化作用を持つ唾液の分泌を促進できます。口寂しいときは間食をするのではなく、キシリトールガムを噛むとよいでしょう。
定期的に歯のクリーニングを受ける
歯医者さんで定期的に歯のクリーニングを受けましょう。自分でできる歯磨きには限界があり、歯垢が固まった歯石は自力で除去できません。歯医者さんでは歯石取りを依頼できるほか、有効的な歯ブラシの方法のレクチャーも受けられますし、虫歯が見つかった場合は早期段階で治療も受けられます。
まとめ
虫歯になりやすい人・なりにくい人がいるのは本当です。歯磨きを十分にできていない人や間食する機会が多い人、口呼吸をしている人などはとくに虫歯になりやすいため注意しましょう。正しくブラッシングをしたり、定期的に歯のクリーニングを受けたりすることで虫歯のリスクを引き下げられます。
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