20代で歯を失ってしまった場合、治療が必要なことがわかっていても、そのあとの不安要素が多いせいで入れ歯治療を見送ってしまいがちです。しかし、歯が抜けたまま放置するのは大変危険なので、速やかに治療を受けることをおすすめします。本記事では入れ歯治療を行うべき理由や、入れ歯に対するさまざまな不安への対処法、そしてそもそも入れ歯にならないための対策についてくわしくお伝えします。
20代で歯を失ってしまう原因
20代で歯を失ってしまう原因は、大きく以下の3つです。
<20代で歯を失ってしまう原因>
- 虫歯を放置してしまった
- 歯磨きを十分にせず、歯周病を悪化させてしまった
- 歯ぎしりやケガで損傷させてしまった
まずは歯が抜けるメカニズムを把握しておきましょう。
虫歯を放置してしまった
虫歯を放置し続けると、最終的に歯の大部分を失ってしまいます。虫歯の初期状態は歯の内部のエナメル質を溶かすだけで済みますが、治療せずにいると象牙質、そして神経まで進行し、やがて歯根を残した大部分を失ってしまうのです。
歯磨きを十分にせず、歯周病を悪化させてしまった
歯磨きを十分にせずに不衛生な状態にしていると、歯周病を悪化させて歯が抜け落ちるリスクを高めるため注意しましょう。歯周病が重症化すると、歯を支える歯槽骨が溶けて不安定になり、わずかな衝撃でも歯が抜けてしまうことがあります。
歯ぎしりやケガで損傷させてしまった
歯ぎしりなどの悪癖や転倒事故、スポーツ中の事故、交通事故などで歯を損傷させるケースも見られます。損傷の直後は軽度な欠けやヒビだとしても、放置すると咀嚼時の衝撃などで損傷の範囲が広がったり、細菌の侵入を許しやすくなったりするため要注意です。
20代からでも入れ歯をおすすめする4つの理由
20代で入れ歯というと早すぎるように感じる人もいるかもしれませんが、以下の理由により素早い治療をおすすめします。
<20代からでも入れ歯をおすすめする4つの理由>
- 歯が抜けたまま放置するのは危険
- インプラントやブリッジよりもリスクが低い
- 保険適用できる
- 健康な歯への影響が最小限になる
4つの理由を順番に解説するので、確認しておきましょう。
①歯が抜けたまま放置するのは危険
歯が抜けたまま放置するのは非常に危険です。細菌が侵入しやすくなり、脳を含む全身に毒素が流れ、重大な疾患を引き起こすリスクがあります。また、歯を欠損して食べ物を噛みにくくなると、特定の歯にばかり強い負担がかかり、健康な歯の寿命を縮めてしまうかもしれません。
②インプラントやブリッジよりもリスクが低い
インプラントは顎に人工歯根を埋め込む手術が必要で、ブリッジは抜けた歯の両隣の歯を削って土台にしなければなりません。しかし入れ歯は、隣にある1本の歯に「クラスプ」というバネを引っかけるなどの方法で治療できるため、その他の治療法と比べてリスクが低いこともメリットです。
③保険適用できる
入れ歯治療には、使用する素材や治療法などが限定されるものの、保険適用で治療を行えます。インプラントの場合は保険適用できず、1本あたり30~40万円ほどの治療費が必要です。入れ歯ならもともとの治療費が安く、3割負担で治療を受けることも可能なため、若くても治療費を捻出しやすいでしょう。
④健康な歯への影響が最小限になる
先述したとおり、入れ歯治療には外科手術を伴わない場合が多く、隣り合う歯を削らずに済むケースもあります。ブリッジ治療のように隣り合う歯の大部分を削る必要がないため、健康な歯への悪影響を最小限に抑えられることもメリットです。
20代の人によくある、入れ歯に関する不安
20代の人によくある入れ歯に関する不安は以下の3つでしょう。
<20代の人によくある、入れ歯に関する不安>
- 金具が見えてしまうのが嫌だ
- 顔がゆがんでしまわないか心配
- お手入れがとても面倒そう
それぞれ、対処法もあわせてくわしく解説します。
金具が見えてしまうのが嫌だ
入れ歯治療に使う「クラスプ」には金属が使われることが多いほか、被せもの(クラウン)には銀歯を使うこともあります。そのため、審美性の悪さを気にして治療に踏み切れない方は多いでしょう。この場合は自費診療に切り替えることで、金具を使わず、目立ちにくい入れ歯治療を受けられます。
顔がゆがんでしまわないか心配
入れ歯を使ったせいで顔がゆがんでしまったという報告例も見られます。これは主にフィットしない入れ歯を使っていることが原因で、筋肉のバランスが崩れて起こる問題です。きちんとフィットする入れ歯を使ったり、他の歯と並んでも違和感のない色合いの入れ歯を使ったりすることで、そのリスクを下げられます。
お手入れがとても面倒そう
入れ歯は原則として毎日のお手入れが必須です。ただし、専用の液体に付けてブラッシングするだけなので、慣れてしまえばあまり負担に感じることはないでしょう。お手入れせずに使っていると細菌が繁殖し、虫歯や歯周病などの原因になるため、欠かさずにお手入れすることをおすすめします。
20代から入れ歯にならないための対策
20代から入れ歯にならないための対策として、以下の5つが有効です。
<20代から入れ歯にならないための対策>
- 正しい方法でブラッシングする
- フッ素入り歯磨き粉を使う
- 口内の乾燥を防ぐ
- 食生活を見直す
- 定期検診を受ける
上記の対策が有効的な理由を解説します。
正しい方法でブラッシングする
正しい方法でブラッシング(歯磨き)をしましょう。食べかすや歯垢が残ったまま放置すると、これを餌にして虫歯菌や歯周病菌が繁殖します。とくに磨きにくい歯と歯茎の間や歯と歯の間は、歯間ブラシやデンタルフロスなども使いながら丁寧に清掃し、トラブルのリスクを下げることが大切です。
フッ素入り歯磨き粉を使う
フッ素には、歯の表面にあるエナメル質を修復する作用や、歯質を強化する作用などがあります。虫歯菌はエナメル質を溶かして象牙質や神経に到達することで虫歯を悪化させるため、フッ素入り歯磨き粉を使ってケアすると虫歯予防に有効的です。
口内の乾燥を防ぐ
口内が乾燥していると虫歯菌が繁殖しやすくなるため注意しましょう。唾液には口内を洗浄したり、細菌と戦ったり、歯を修復させる再石灰化を促進させる作用があります。乾燥状態が続くと、体の防衛反応により唾液の分泌が減ってしまいますから、適度に水分補給して唾液の分泌を促すことが大切です。
食生活を見直す
以下のような食生活も見直しましょう。
<見直すべき食生活>
- だらだらと間食を続ける
- お菓子やジュースで糖分を過剰に摂取する
- 柔らかいものばかり食べている
だらだらと間食を続けると口内が酸性に傾き、虫歯菌がエナメル質を溶かしやすくなります。虫歯菌がとくに好む糖分・糖質を過剰に摂取することもできるだけ避けましょう。また、柔らかいものばかり食べていると唾液の分泌が減るなどの悪影響が生じるため要注意です。
定期検診を受ける
数ヶ月~半年に1度のペースで定期健診を受けることもおすすめします。定期検診では自分ではケアできない歯石を除去したり、個々の歯並びを確認したうえで有効的なブラッシング方法の指導を受けられたりします。万が一虫歯が見つかったとしても、重症化する前に治療できますから、虫歯・歯周病が原因で歯が抜けるリスクを減らせることも定期検診のメリットです。
まとめ
結論として、10代・20代という若さで歯を失ってしまったら、入れ歯治療を受けることをおすすめします。入れ歯治療には保険を適用できますし、外科的手術や他の歯を傷付けるリスクが低い状態で治療を進められます。歯が抜けたまま放置するのは危険なので、できるだけ早く治療を受けましょう。
高輪クリニックでは、保険適用・自費診療の両方で入れ歯治療を行っています。予算や治療後の見た目など、患者様のご希望をうかがったうえで、最適な治療法のご提案が可能です。当院では噛み合わせなどの要素をトータルに考えた治療も行えるため、治療後の不安をお抱えの方はぜひ1度ご相談ください。