入れ歯というと「銀歯」のように審美性の悪いものを想像する人が多いかもしれません。しかし自費治療を選ぶと、目立たない入れ歯を使うことができます。本記事では、目立たない入れ歯の種類やメリット、費用相場についてわかりやすく解説します。
自費治療でできる目立たない入れ歯
自費治療でできる目立たない入れ歯の種類は主に3つです。
＜自費治療でできる目立たない入れ歯の種類＞
- ノンクラスプデンチャー
- インプラントオーバーデンチャー
- 磁性アタッチメント義歯
それぞれの仕組みやメリット、費用相場をくわしく解説しましょう。
ノンクラスプデンチャー
「クラスプ」と呼ばれる、金属製のバネを樹脂に置き換えて作る入れ歯です。
【ノンクラスプデンチャーの特徴】
| 費用相場 | 10～15万円 |
|---|---|
| メリット | ・目立ちやすい金属を使わずに治療できる ・オプションを付けられる場合がある |
保険適用で治療する場合、金属が剥き出しのクラスプを使用して入れ歯を固定します。一方でノンクラスプデンチャーの場合、歯茎と同系色の樹脂を金属に置き換えられるため、口を開けても入れ歯があまり目立ちません。また、以下のようなオプションを付けられる場合があります。
＜ノンクラスプデンチャーのオプション＞
- ノンクラスプデンチャー+シリコン
- ノンクラスプデンチャー+金属
それぞれのメリットをご紹介しましょう。
ノンクラスプデンチャー+シリコン
ノンクラスプデンチャーの裏側にシリコンを貼り付けることで、機能性が大幅に高まります。歯茎と入れ歯の間にシリコンを干渉させられるため歯茎が痛みにくく、硬いものを噛む際も苦労しません。また、シリコンには吸着性があり、入れ歯が外れにくくなることもメリットです。
ノンクラスプデンチャー+金属
裏側の目立たない部分に金属を使って補強するオプションです。入れ歯を物理的に薄く設計できるため違和感が少なく、盛り上がりによる見た目の変化も抑えられます。また、熱伝導率が高いため、食事の際に違和感を覚えるリスクも下げられます。
インプラントオーバーデンチャー
顎の骨に2～4本のインプラントを挿入して固定することで、総入れ歯の安定感を高められます。
【インプラントオーバーデンチャーの特徴】
| 費用相場 | 30～40万円 |
|---|---|
| メリット | ・使っている最中に外れるリスクを下げられる ・大きな外科手術なしで治療できる ・自分自身で自由に取り外しできる |
一般的な総入れ歯の場合は固定しにくく、食事中や会話中に外れてしまうリスクがあります。インプラントオーバーデンチャーの場合、骨に埋め込んだ人工歯根で入れ歯を固定するため、使用中に外れるリスクを下げられることがメリットです。また、自分自身で取り外せるためメンテナンスしやすく、大掛かりな外科手術も必要ありません。
磁性アタッチメント義歯
歯根と入れ歯の両方にマグネットを挿入し、磁石の力で固定する治療法です。
【磁性アタッチメント義歯の特徴】
| 費用相場 | 5～7万円 |
|---|---|
| メリット | ・金属製のクラスプを使わずに治療できる ・入れ歯が外れにくくなる ・異物感をほとんど感じない |
見えない位置に埋め込んだ磁石を使って固定するため、目立ちやすい金属製のクラスプを使う必要がありません。また、強い力で固定できるため入れ歯が外れにくくなることや、フィット感が強く異物感をほとんど感じないこともメリットです。
自費治療でできる入れ歯のメリット
自費治療で入れ歯を作るメリットは、主に以下の4点です。
＜自費治療でできる入れ歯のメリット＞
- 装着時の違和感が少ない
- 噛む力の低下を抑えられる
- 他の歯への負担が少ない
- 金属アレルギーの心配がない
それぞれのポイントをわかりやすく解説します。
装着時の違和感が少ない
自費治療では、金具のない入れ歯や磁石の入れ歯を使って治療を行えます。保険適用の入れ歯に使われることが多い金属製のクラスプが不要なため目立ちにくく、薄い素材を使うことで噛みやすくもなるため、装着時の違和感が少ないことがメリットです。
噛む力の低下を抑えられる
自費治療の入れ歯はフィットしやすく、噛んだときに歯茎が痛みにくいほか、外れにくいこともメリットです。そのため、噛む力が極端に衰えることもありません。しっかりと噛みしめることで、口内の健康を守るだけでなく、脳の活性化やストレス解消といった効果も見込めます。
他の歯への負担が少ない
保険適用で部分入れ歯の治療を行う場合、健康な歯にクラスプ（金具）をかけることが一般的です。このせいで他の歯に負担をかけて傷めてしまう恐れがありますが、自費治療ならクラスプを使わずに治療できるため、他の歯への負担を抑えられます。
金属アレルギーの心配がない
自費で入れ歯治療を行う場合、金属の代わりにシリコンなど別の素材を使える場合があります。金属アレルギーの発症や、金属が溶け出すことで歯茎が変色するリスクを避けて入れ歯治療を行えることも、自費治療ならではのメリットです。
まずは保険適用の入れ歯で確かめるのがおすすめ
自費治療の入れ歯を使うことで、見た目でコンプレックスを抱える心配が少なくなりますし、噛みやすさや外れにくさといった機能性を高められることは事実です。しかし保険適用の治療が悪いわけではなく、最大3割負担で費用を抑えて入れ歯を作れることなどのメリットがあります。
保険適用の入れ歯でも十分に満足できる場合がありますから、保険適用と自費治療で迷った場合は、まず保険適用の入れ歯を作るとよいでしょう。将来的に見た目の悪さや違和感を覚えた場合は、自費治療の入れ歯に入れ替える治療も行えます。
まとめ
自費治療の入れ歯には、目立ちにくさのほかに装着時の違和感が少ないこと、噛む力の低下を抑えられること、他の歯への負担が少ないことなどのメリットがあります。しかし、保険適用の入れ歯が悪いわけではありません。まずは費用を抑えて治療を行い、必要に応じて自費治療での再治療を検討するとよいでしょう。
高輪クリニックでは、保険適用・自費治療両方の入れ歯治療を行っています。患者様の希望や予算を最大限に尊重したうえで、噛み合わせまでを見越した最適な治療法の提案が可能です。入れ歯に何らかの不安やお悩みを抱えている方は、ぜひ当院にご相談くださいませ。
