当記事では、目立たない部分入れ歯の概要やメリット、注意点、費用目安、種類などについて解説します。目立たない部分入れ歯を入れたいと思っている方は、ぜひお読みください。
目立たない部分入れ歯とは
目立たない部分入れ歯として、ノンクラスプデンチャーというものがあることをご存じでしょうか。ノンクラスプデンチャーとは、金属のバネが付いていない入れ歯のことです。
入れ歯を目立たせやすくしている大きな要因であるバネがないことで、歯を見せて笑った際に目立ちにくい設計となっている点が特徴です。
目立たない部分入れ歯(ノンクラスプデンチャー)のメリット
ノンクラスプデンチャーには、以下3つのようなメリットが存在します。
- 目立たない
- 装着の違和感が少ない
- 金属アレルギーの心配がない
目立たない
「目立たない部分入れ歯」とも呼ばれているとおり、ノンクラスプデンチャーは装着した際目立ちにくく、入れ歯をしていると気づかれにくいという特徴を持っています。
一般的な入れ歯には、入れ歯本体を支持するために金属のバネが取りつけられています。金属のバネがついている入れ歯は、周りから見た際にバネが見えてしまう設計のため、入れ歯を入れていると気づかれやすいというデメリットがあるのです。
対して目立たない部分入れ歯は、入れ歯だと気づかせる要因のひとつである金属のバネがついていません。
目立ちやすい金属の代わりに、歯茎に近い色であるピンク色の樹脂を使用して本体を支えています。したがって、入れ歯だと気づかれる可能性を減少させられるのです。
装着の違和感が少ない
目立たない部分入れ歯は、保険適用の入れ歯に比べて軽量かつ柔らかいという特徴を持っています。軽量で柔らかい入れ歯はそうでない入れ歯に比べて、装着したときの違和感を覚えにくくなります。
入れ歯は、1日のうちのほとんどの時間装着し続けるものです。長い間使い続ける入れ歯が装着しにくいものだと、日常的にストレスを抱えることになってしまいます。
違和感を抑えて使用し続けられるという点は、大きな強みだといえるでしょう。
金属アレルギーの心配がない
目立たない部分入れ歯は保険適用の入れ歯とは異なり、金属製のバネを使用していません。代わりに樹脂を使って入れ歯本体を支えているため、金属アレルギーを持っていても症状が出る可能性がなく、安心できます。
目立たない部分入れ歯(ノンクラスプデンチャー)の注意点
目立たない部分入れ歯の使用を検討する場合、以下の点に注意する必要があります。
- 過度の衝撃で割れる可能性がある
- 入れ歯が動きやすい
- 保険適用されない
過度の衝撃で割れる可能性がある
ノンクラスプデンチャーは耐久性があまり高くないため、大きな衝撃を受けると壊れる可能性があります。さらに、素材の種類によっては壊れた際の修理が困難なケースもあるため、注意が必要です。
修理ができないケースも多いことから、3〜4年ほどで作り直しをしなければならない場合がほとんどです。
入れ歯が動きやすい
ノンクラスプデンチャーは素材に柔軟性があって入れ歯が動きやすいため、入れ歯を支持している歯にダメージを与えてしまいます。歯だけでなく、歯肉・骨といった箇所にもダメージが加わるでしょう。
安定性を向上させるために、多くの歯科医院では「ノンクラスプデンチャー+○○(金属、シリコンなど)」といったオプションが用意されています。オプションを追加することで、歯茎が痛みにくくなったり、咀嚼しやすくなったりするといったメリットが生じます。
保険適用されない
従来の入れ歯であれば保険を適用させられますが、目立たない部分入れ歯は保険を適用させられません。したがって、費用が高くなりやすいという点には注意が必要です。目立たない部分入れ歯が保険を適用できない理由は、審美性を高める治療となるためです。
歯科医院では、審美性を高めることを目的とした治療には保険が適用されない場合がほとんどとなっています。「目立ちにくい」という点を大きなメリットとして掲げているノンクラスプデンチャーは、審美治療として扱われ、保険が適用できなくなってしまうのです。
目立たない部分入れ歯(ノンクラスプデンチャー)の費用目安
目立たない部分入れ歯の使用にかかる費用は、税込みで11万〜55万円程度です。ただし、費用は患者さんの口の大きさや口内の状態によっても変わってきます。
使用を検討している方は、具体的な費用を知るためにも、一度歯科医院に相談してみることをおすすめします。
目立たない部分入れ歯(ノンクラスプデンチャー)の種類
目立たない部分入れ歯は、さまざまなメーカーが提供しています。メーカーによっても入れ歯の特徴が異なるため、どの入れ歯が自分に合っているかを検討する必要があります。
目立たない部分入れ歯の主なメーカーとしては、以下のようなものが挙げられるでしょう。
- スマイルデンチャー
- ナチュラルデンチャー
- ビューティーデンチャー
- バルプラスト
- ミラクルフィット
スマイルデンチャー
スマイルデンジャーの特徴のひとつは、透明感です。全体に透明感があるため、自身の歯肉の色となじみやすく、口のなかをよりきれいに見せやすいというメリットを持っています。
柔軟性と強度が高い点も、スマイルデンジャーのメリットだといえるでしょう。しなやかかつ割れにくい構造となっているため、万が一踏んでしまっても破損しにくいという強みがあります。
ナチュラルデンチャー
ナチュラルデンチャーは、20年を超える長い歴史を持ったアメリカ生まれの入れ歯です。手術で使用される縫合糸にも使われる素材で作られています。人体になじみやすい素材であるため、身体におよぼす影響が少なく、安心して使用しやすいという特徴を持っています。
ビューティーデンチャー
ビューティーデンチャーに使われているレイニング樹脂という素材は、匂いがつきにくく、変色のリスクが低いという特徴があります。さらに耐久性も高いため、丈夫で破損しにくい点も魅力のひとつだといえるでしょう。
また、ビューティーデンチャーはアレルギーや過敏症をお持ちの方にもおすすめできる部分入れ歯です。ビューティーデンジャーは保険の入れ歯に比べ、体に毒となる物質が溶け出しにくい素材となっているためです。
バルプラスト
バルプラストの魅力のひとつは、歴史の長さです。バルプラストは、アメリカで50年という長い間使い続けられてきた部分入れ歯です。今までに多くの愛用者がいたことから、信頼性の高い製品だということができるでしょう。
バルプラストは、柔軟性がある入れ歯です。しなやかに形を変えるため、すぐに破損してしまうリスクが低い入れ歯だといえます。歯のつけ根にしっかりとフィットし、密着してくれるため、装着時のストレスも抑えられるでしょう。
なおバルプラストは、一部の方が適用できない可能性のある入れ歯です。入れ歯を装着する隙間が5mm以上ない方は装着できないケースがあるため、使用したい方は歯科医師に相談してみてください。
ミラクルフィット
ミラクルフィットの特徴のひとつは「ポリカーボネート」と呼ばれる特殊な樹脂で作られている点です。ポリカーボネートは、透明感に長けた素材となっており、その透明感の高さはガラスに近いともされています。さらに耐久性も高いため、破損の心配が少ない点もメリットだといえるでしょう。
軽量感がありサイズも小さめとなっているため、長時間使用してもストレスを感じにくい点も特徴です。
まとめ
ノンクラスプデンチャーは、目立ちにくいという特徴を持った入れ歯です。金属を使用していないため、金属アレルギーの心配もありません。
対して、衝撃に弱かったり動きやすかったりするといったデメリットがある点には注意が必要です。オプションをつけることで、ノンクラスプデンチャーによるデメリットを軽減できる可能性があります。
高輪クリニックグループでは、医師と歯科医師のつながりを重要視し、二者がひとつとなって患者さんの健康をサポートする手助けを行っています。歯に関する悩みや不安がある方は、ぜひお越しください。