白い歯に憧れてセラミック歯への治療を検討している人は多いですが、セラミック歯の寿命やデメリットについては考えたことがあるでしょうか?
健康な歯はQOL(=クオリティオブライフ)の向上に欠かせないため、老後に後悔しないためにはセラミック歯のデメリットを理解した上で治療を行わなくてはいけません。
この記事では、セラミック歯の特徴や寿命、後悔しないためのポイントを解説しているので、セラミック歯への治療を検討している人は、最後までチェックしてみてくださいね。
- セラミック歯とは
- 銀歯とセラミックの違い
- セラミックの形状
- セラミックの素材
- セラミック歯の寿命
- セラミック歯の値段
- セラミック歯のメリット・デメリット
- セラミック治療で後悔しないためのポイント
セラミック歯は寿命が短いって本当?
セラミック歯の寿命は、一般的に10年〜20年程度といわれています。
しかし、セラミックの素材によって寿命や特徴は異なるため、治療を受ける場合は自分に適した素材を厳選しなくてはいけません。
まずは、セラミック歯の特徴や種類の違いを解説していくので、セラミック歯への知識を深めて自分に適した治療方法を選べるようになりましょう。
セラミック歯とは
セラミック歯とは、むし歯治療や矯正、歯の欠けに使用するクラウン(被せ物)やインレー(詰め物)の素材のことです。
白く透明感のある素材なので天然歯と並んでいても違和感がなく、話をしていても銀歯のように目立ちません。
保険適用で白い歯に治療ができるコンポジットレジンは、経年劣化により着色や変色が起こりやすいですが、セラミックは劣化による着色や変色の可能性も極めて低いため、審美性を求める人におすすめです。
銀歯とセラミックの違い
銀歯は経年劣化により縮んだり、錆びたりしてむし歯の原因になることがあります。
しかしセラミックは、経年劣化によって縮むことがないので、むし歯や歯周病のリスクは銀歯よりも低いです。
また、銀歯は金属アレルギーの症状が起きたり、歯茎が黒ずんでしまったりすることがありますが、セラミック歯にはそのようなリスクもありません。
セラミック形状
セラミックは、歯科矯正やむし歯治療、歯の欠けや割れの治療に使用されますが、治療の種類によってセラミックの形状が異なります。
たとえば、歯科矯正ではラミネートベニアやセラミッククラウンを用いて歯の審美性を高める治療が行われますが、むし歯治療の場合はセラミックインレーやセラミッククラウンによってむし歯を削った箇所を補修します。
それぞれの治療の種類やどのような症状に適応されるのか紹介するので、自分の歯にはどの治療ないようが適応されるのか確認してみましょう。
- ラミネートべニア
- セラミッククラウン
- セラミックインレー(アンレー)
ラミネートべニア
ラミネートベニアとは、薄いセラミックの板を歯に張り付けて審美性を高める治療方法です。
歯の捻れやすきっ歯・色・欠け・形を整える治療に用いられます。
とくに、ホワイトニングで改善が見られないテトラサイクリン歯などの治療に最適です。
セラミッククラウン
セラミッククラウンとは、セラミックで作られた被せ物のことで、むし歯や歯が折れてしまい大きく欠損した部分に被せることで、審美性と機能性を回復させる治療方法です。
歯並びが気になる部分を大きく削り、セラミッククラウンで治療を行うセラミック矯正もあります。
セラミッククラウンは陶器でできているため強い圧に弱く、大臼歯への使用はおすすめできません。
セラミックインレー(アンレー)
セラミックインレー(アンレー)とは、小さなむし歯を削った箇所や欠けてしまった箇所にはめ込む詰め物のことです。
サイズが小さい物をインレー、大きい物をアンレーと呼びます。
銀歯のように口の中で目立たず、汚れも付きにくいのでデンタルケアの負担も少ない傾向にあります。
セラミックの素材
セラミックは、素材によって特徴が大きく異なります。
たとえば、オールセラミックはすべて陶器で作られているため審美性が高いですが、割れやすいため、奥歯への使用はおすすめできません。
治療したい歯の位置に合わせて、セラミックの素材を選びましょう。
素材の種類 | 特徴 |
---|---|
オールセラミック | 審美性が高く、天然歯と並んでいても謙遜ない |
ジルコニア | 硬度・耐久性が高く、奥歯へも使用できる |
e-max | 審美性・耐久性が高く、歯を傷付けない |
メタルボンド | 金属を土台にしているため強度が高く、奥歯へも使用できる |
オールセラミック
オールセラミックとは、セラミック以外の混ぜ物がされていない素材のことです。
100%陶器なので、強い力がかかると割れたり欠けたりしてしまう可能性があります。
しかし、透明感がありツルッとしているため着色汚れや変色のリスクも低いです。
ジルコニア
ジルコニアは人工ダイヤモンドと呼ばれる素材で、硬度があるため奥歯へも使用できます。
透明感はオールセラミックに劣りますが、天然歯と並んでいても違和感はあまりありません。
歯ぎしりや食いしばりの癖がある人におすすめです。
e-max
e-maxとは、ガラスセラミックと呼ばれる素材で、審美性や耐久性に優れています。
ある程度の柔らかさが確保されているため、セラミックの硬さで歯を傷付ける心配もありません。
耐久性には優れていますが、強い力をかけると破損する恐れがあるので、奥歯への使用はおすすめできません。
メタルボンド
メダルボンドとは、金属の土台にセラミックを貼り付けた被せ物のことです。
耐久性が高く審美性も保たれているため、噛む力が強い人も比較的安心して使用できます。
しかし、金属を土台にしているため、金属アレルギーの症状や歯茎への黒ずみが起こる可能性があります。
セラミック歯の寿命
セラミック歯の寿命は、10年~20年程度といわれています。
しかし、メンテナンスをせずに使用を続けていると、10年しないうちに交換しなくてはいけなくなります。
また、セラミックを接着している材料の寿命は5年程度といわれているので、3年ごとの定期検診を受けるのがおすすめです。
セラミック歯の値段
セラミック歯の値段は、セラミックの素材や形状によって異なります。
オールセラミックがもっとも高く、e-maxがもっとも安価に治療を受けられるでしょう。
しかし、歯科医院によってセラミック費用に含まれる治療内容が異なるので、治療を受ける前に確認しておいてくださいね。
種類 | 費用相場 |
---|---|
ラミネートベニア | 5万円~10万円程度 |
オールセラミック | インレー:6万円~8万円程度 クラウン8万円~22万円程度 |
ジルコニア | インレー:4万円~6万円程度 クラウン:10万円~20万円程度 |
e-max | インレー:4万円~6万円程度 クラウン:7万円~10万円程度 |
メタルボンド | クラウン:8万円~15万円程度 |
セラミック歯のメリット・デメリット
セラミック歯は銀歯に比べて審美性が高く、むし歯や歯周病になりにくいことがメリットです。
しかし、保険適用外の治療になるため、治療費用が高くなります。
ほかにも、セラミック歯にはメリット・デメリットがあるのでくわしく解説していきます。
セラミック歯のメリット
セラミック歯のメリットは、審美性の高さや劣化が少ないことにあります。
天然歯と謙遜がない見た目で、表面がツルッとしているため着色による汚れがつきにくいです。
セラミック歯のメリットをくわしく解説していくので、治療を悩んでいる人はメリット・デメリットを比較してみてくださいね。
- 審美性が高い
- 変色が少ない
- 変形が少ない
審美性が高い
セラミックは、透明感があり天然歯と並んでいても見た目に違和感がありません。
銀歯の場合は口の中で治療した歯が目立ってしまいコンプレックスに感じることがありますが、セラミックの場合はそのような悩みも起こらないでしょう。
色や形も整えられるので、歯の捻れや色みを部分的に整えたい人にもおすすめです。
変色が少ない
セラミックは表面がツルッとしているため、着色や汚れが付きにくいという特徴があります。
コーヒーやカレーを食べても黄ばむことがないので、ホワイトニングのような後戻りの心配がありません。
経年劣化による変色もないので、長い期間きれいな歯を保てます。
変形が少ない
銀歯は経年劣化によって変形が起こり、銀歯と歯の隙間がむし歯になることがあります。
しかし、セラミックは経年での変形が起こらないので、むし歯のリスクが銀歯よりも低いです。
定期検診をして適切なケアをしていれば、長い間使い続けられるので、歯への負担も少ないでしょう。
セラミック歯のデメリット
セラミック歯のデメリットは、保険を使った治療ができないことです。
自由診療なので治療費用が高く、複数本の治療を受ける場合は負担が大きくなります。
ほかのデメリットもくわしく解説していくので、治療を開始する前に確認しておきましょう。
- 保険適用外の治療になる
- 割れ・欠けのリスクがある
- 歯を削らなくてはいけない
保険適用外の治療になる
セラミック歯への治療は基本的に保険外診療になります。
治療は全額自己負担になるので、複数本治療を受けるとそれだけ費用負担が大きくなってしまうので注意してください。
セラミック歯への治療は医療費控除が受けられる可能性があるので、確定申告で医療費控除の申請をしましょう。
割れ・欠けのリスクがある
セラミックは陶器でできているので、強い衝撃に弱いという特徴があります。
そのため、歯ぎしりや食いしばりをする人、噛み合わせに癖がある人が治療を受けると、セラミックが割れたり欠けたりするかもしれません。
上記にあてはまる人は、セラミック歯の治療をする場合マウスピースの使用も検討しましょう。
歯を削らなくてはいけない
セラミック歯への治療は、基本的に歯を削る必要があります。
歯科矯正やホワイトニングを目的に治療する場合、健康な歯を削らなくてはいけないのはデメリットになるでしょう。
矯正やホワイトニング目的での治療を検討している人は、ほかの治療方法も検討してみてくださいね。
セラミック治療で後悔しないためのポイント
セラミック治療を受けるとき、デメリットを考慮せずに治療を受けると後悔してしまうかもしれません。
そこで最後に、セラミック治療で後悔しないためのポイントを解説します。
治療を受ける前にポイントを確認して、後悔のないセラミック治療を受けてくださいね。
- マウスピースの使用を検討する
- 噛み合わせを考慮する
- 適切な素材を選ぶ
マウスピースの使用を検討する
セラミックは強い力で破損してしまう可能性があるため、歯ぎしりや食いしばりがある人は、マウスピースの使用を検討しましょう。
夜寝るときにナイトガードを使用すると、歯や歯茎への負担が軽減され、身体の不調も改善される可能性があります。
マウスピースについては、下記の記事を参考にしてみてください。
噛み合わせを考慮する
セラミックへの負担が大きくなると破損の原因になってしまうので、噛み合わせを考慮した治療やメンテナンスを受けることが大切です。
噛み合わせで不具合がある場合は、セラミック治療の際に治療しておきましょう。
また、セラミックの使用を続けていると、すり減って噛み合わせが変化することがあるので、定期検診でメンテナンスを受けてくださいね。
適切な素材を選ぶ
セラミック歯への治療をする場合は、部位によって適切な素材を選ぶ必要があります。
たとえば、奥歯にオールセラミックを使用すると、破損しやすいため寿命が短くなるでしょう。
逆に、前歯にメタルボンドのセラミックを使用すると、歯茎への黒ずみが気になってしまう可能性があるので、治療前に歯科医で適切なセラミックの種類のアドバイスをしてもらうのがおすすめです。
定期検診で歯の状態を確認してもらう
セラミック歯への治療をした人は、歯の状態を定期検診で確認してもらい、適切なメンテナンスを受けることが大切です。
治療をしっぱなしの状態で放置していると、セラミックが欠けたりヒビが入ったりしても気づかず、そこからむし歯や歯周病になってしまうかもしれません。
定期検診でこまめに口腔内の状態をチェックしてもらっていれば、状態に応じて最適なケアが受けられるので、結果的にQOL(=クオリティオブライフ)向上に繋がります。