神経を抜いた歯が、茶色や黒色に変色して悩んではいませんか?
特に前歯などが変色していると、人前で話すのが億劫になってしまうかもしれません。
白くする治療方法があるので、検討してみてはいかがでしょうか。
この記事では「神経を抜いて変色した歯を白くする治療」を紹介していきます。
変色した歯を白くする方法はいくつもありますが、神経を抜いた歯が変色してしまった場合には「セラミッククラウン」による治療がおすすめです。
「歯の神経を抜く根管治療とは何か」「神経を抜いた歯が変色する時期や理由」についても説明していきます。
また、その他の方法として「ウォーキングブリーチ」も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事で分かること
- 歯の神経を抜く根管治療とは何か
- 神経を抜いた歯が変色する時期・理由
- 【神経を抜いた歯を白くする方法】セラミッククラウン
- セラミッククラウンのメリット
- セラミッククラウンのデメリット
- 【神経を抜いた歯を白くする方法】ウォーキングブリーチ
歯の神経を抜く根管治療とは?
歯医者で「歯の神経を抜く」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、実際にどのような治療を指すのか、わからない人もいるかもしれません。
歯の神経を抜く治療は「根管治療」と呼ばれるものです。
まずは、根管治療がどのような治療なのか理解するために、以下について説明します。
- 根管治療を行うケース
- 根管治療は何をするのか
根管治療を行うケース
歯の内部の組織のことを「歯髄(しずい)」と言います。
歯髄には神経や血管が含まれています。
虫歯や外傷により歯髄の中に細菌が侵入すると、痛みや腫れが発生し、自然に良くなることはありません。
放置していると抜歯しなければならなくなってしまいます。
具体的には、次のようなケースにおいて根管治療が行われます。
- 虫歯の原因菌が歯髄に達しており、歯の神経がズキズキと強く痛む。
- 神経を取った歯であるのにも関わらず、噛んだ時に痛む。細菌の繁殖による可能性があります。
- 歯根の先に膿が溜まっている。痛みがあるとは限りません。
- 歯茎に異変がある。歯茎にニキビのようなものが発生したり、腫れた状態が続いている場合にも、膿が溜まっている可能性があります。
適切に根管治療を行うことによって、抜歯を避けられるケースも多いので、気になる症状のある人は歯科医に相談することをおすすめします。
根管治療は何をするのか
細菌の感染した歯髄を除去するのが根管治療です。
まず、虫歯部分を削り、根管治療用の器具を用いて、細菌に侵された歯髄や根の先に溜まった膿を除去します。
次に薬剤によって歯の内部を洗浄・消毒を行うまでが一連の流れです。
数回通院して、歯髄・膿の除去、洗浄・消毒を繰り返さなければなりません。
最後に樹脂状の詰め物を根幹に充填し、被せ物を接着して治療は完了です。
神経を抜いた歯は変色してしまう場合がある
根管治療とは何かについて説明しましたが、神経を抜いた歯は、少しずつ茶色や黒色に変色してしまうケースがあります。
変色した歯を白くする治療について知る前に、変色する時期や仕組みについて理解しておきましょう。以下について説明していきます。
- 神経を抜いた歯が変色する時期
- 神経を抜いた歯が変色する理由
- 内側から黒くなった歯にはホワイトニングの効果がない
神経を抜いた歯が変色する時期
虫歯などのために歯の神経を抜く「根管治療」を行った場合、治療後2〜3年経つと、白色だった歯が、茶色、茶褐色、黒色と変色が進んでいくケースが多いと言われています。
自然と着色は進行していき、セルフケアで変色を止めることはできません。
神経を抜いた歯が変色する理由
歯の内部の歯髄には神経と細かい血管が入っており、血液の流れによって歯に栄養が運ばれ、老廃物が排出されるという代謝が行われています。
根管治療のために神経を抜く際には、同時に血管も抜かれてしまうので、この代謝のメカニズムが働かなくなるのです。
そのため、歯の象牙質への栄養の供給がストップし、不要な物質が象牙質の内部に侵入して蓄積し、歯は変色してしまいます。
内側から黒くなった歯にはホワイトニングの効果がない
神経を抜いたために変色した歯は、歯の内側から黒くなっている状態です。
そのため、歯の外側をいくら丁寧にブラッシングしても、白くできません。
また、ホワイトニングも、歯の表面に働きかけるものであるため、内側から黒くなった歯にはホワイトニングの効果は出ないと理解しておきましょう。
【神経を抜いた歯を白くする方法】セラミッククラウン
神経を抜いた歯を白くする治療方法として、セラミッククラウンを紹介します。
- セラミッククラウンとは何か
- セラミッククラウンの価格
以上の2点について説明します。
セラミッククラウンとは何か
セラミッククラウンとは、神経を抜いて変色した歯を削って、セラミック製の人工歯を被せる治療方法です。
セラミックは、アルミナやジルコニアなどの粉末素材を、高温度で長時間焼いて固めたもので、強度もあり、天然の歯のように見える人工歯を作ることができます。
セラミッククラウンの価格
セラミッククラウンの治療は、保険適用外となります。
価格は材質の種類によっても異なり、1本当たり 40,000円~150,000円程度かかります。
セラミッククラウンにもさまざまなタイプがあるため、歯科医とよく相談して、自分に合ったものを選択しましょう。
セラミッククラウンのメリット
セラミッククラウンという治療方法があることを紹介しましたが、どのようなメリットがある方法なのでしょうか。
セラミッククラウンのメリットとして、以下の 5点について説明します。
- 自然で美しい歯の色にできる
- 歯の大きさや形も整えられる
- 歯を動かさないので後戻りしない
- プラークがつきにくくなる
- 金属アレルギーの心配がない
自然で美しい歯の色にできる
セラミッククラウンは、天然の歯に近い透明感や白さを持っています。
さらに、耐久性にも優れているため、自然で美しい歯の色が長く保たれ、変色する心配もありません。
歯の大きさや形も整えられる
セラミック製の人工歯を被せる治療方法であるため、自分がもともと持っている歯の大きさや形に左右されることなく、セラミッククラウンを形成できます。
そのため、他の歯との並びやバランスを考慮した上で、歯の大きさや形も整えられるのが特徴です。
歯を動かさないので後戻りしない
元からある歯に人工歯を被せるため、歯自体を動かすことのない治療方法です。
歯を動かす場合には、自然と後戻りする心配がありますが、セラミッククラウンの場合には後戻りすることはありません。
プラークがつきにくくなる
セラミッククラウンの表面は滑らかですので、金属などと比べて、プラーク(歯垢)がつきにくいという特性があります。
また、プラークが付着しても、ブラッシングにより比較的簡単に取り除くことが可能です。
口の中を清潔に保てるため、虫歯になりにくい口腔環境を整えられるでしょう。
金属アレルギーの心配がない
セラミッククラウンは、陶器のような成分の物質であるため、金属を含んでいません。
そのため、銀歯などを被せる治療と異なり、金属アレルギーが出る心配がないのが特徴です。
セラミッククラウンのデメリット
セラミッククラウンのメリットを紹介してきましたが、デメリットもあることを押さえておきましょう。
セラミッククラウンのデメリットとして、以下の3点を紹介します。
- 健康な歯を大きく削らなければならない
- 高額な費用がかかる
- 部分的に欠けることがある
メリットだけではなく、デメリットについても正しい知識を身に付けた上で、自分に最適な治療方法を選びましょう。
健康な歯を大きく削らなければならない
セラミッククラウンを被せる場合には、銀歯などを被せる場合に比べて、深く歯を削らなければなりません。
これは、自然で美しい歯の色を再現するためと強度を保つために必要な治療です。
健康な歯を大きく削らなければならないことは、セラミッククラウンのデメリットであると言えるでしょう。
高額な費用がかかる
セラミッククラウンの治療は保険適用外となるため、保険が適用できる銀歯などと比べて、高額な費用がかかってしまうのがデメリットです。
ケースによっては、一度に何本ものセラミッククラウンを被せることもあり、本数が増えるほど費用はかさんでしまいます。
部分的に欠けることがある
セラミックは金属ではなく陶材であるため、構造上、薄い部分に力がかかると、部分的に欠けてしまう可能性があります。
また、被せた人工歯が外れてしまうケースもあるでしょう。
【神経を抜いた歯を白くする方法】ウォーキングブリーチ
セラミッククラウンのメリットやデメリットを紹介してきましたが、その他にも歯を白くする治療方法があります。
歯の中にホワイトニング剤を入れて白くする「ウォーキングブリーチ」という治療方法は、神経を抜いた歯を白くする方法の1つです。ここでは、ウォーキングブリーチについて、以下のとおり解説します。
- ウォーキングブリーチとは何か
- ウォーキングブリーチのメリット
- ウォーキングブリーチのデメリット
ウォーキングブリーチとは何か
ウォーキングブリーチとは、神経を抜いた歯の中に、漂白作用のあるホワイトニング剤を入れる治療方法です。
1週間後に様子を確認して、薬剤を交換することを繰り返します。
歯が白くなったら、ホワイトニング剤を取り除いて治療は完了です。
ウォーキングブリーチのメリット
ウォーキングブリーチのメリットには以下のようなものがあります。
- 変色した歯が1本だけの場合、その歯だけを白くすることができる
- 日常生活を送りながら歯を白くすることができる
歩くなどの日常生活を送っている間に歯を漂白している方法なので、「ウォーキング」ブリーチと呼ばれています。
ウォーキングブリーチのデメリット
実は、ウォーキングブリーチのデメリットは、以下のようにいくつもあります。
- 確実に白くなるとは限らない
- 歯の色を細かく調整することはできないので、他の歯の色と同じにできないことがある
- 痛みを感じるケースがある
- 強度が残っている歯・薬剤に耐えられる歯など治療対象となる歯が限定される
- 治療後数年経ってから、歯の根や周りの骨が溶けてしまうことがある
変色した神経を抜いた歯はセラミッククラウンで白くしよう
この記事では、神経を抜いた歯が変色して悩んでいる人に向けて、神経を抜いて変色した歯を白くする治療であるセラミッククラウンを紹介しました。
変色した神経を抜いた歯を白くする治療についてのまとめは次のとおりです。
歯の神経を抜く根管治療とは
- 歯髄の中に細菌が侵入したケースで行う
- 細菌の感染した歯髄を除去する
神経を抜いた歯の変色について
- 神経を抜いた歯が変色する時期は治療後2〜3年
- 神経を抜いた歯が変色する理由は、神経を抜く際には血管も抜かれ代謝のメカニズムが働かなくなるため
- 内側から黒くなった歯にはホワイトニングの効果がない
セラミッククラウンについて
- 神経を抜いて変色した歯を削って、セラミック製の人工歯を被せる治療方法
- 1本当たり 40,000円~150,000円程度かかる
セラミッククラウンのメリット
- 自然で美しい歯の色にできる
- 歯の大きさや形も整えられる
- 歯を動かさないので後戻りしない
- プラークがつきにくくなる
- 金属アレルギーの心配がない
セラミッククラウンのデメリット
- 健康な歯を大きく削らなければならない
- 高額な費用がかかる
- 部分的に欠けることがある
ウォーキングブリーチについて
- 神経を抜いた歯の中にホワイトニング剤を入れる治療法
- ウォーキングブリーチのメリット
- 特定の歯だけ白くできる
- 日常生活を送りながら歯を白くできる
- ウォーキングブリーチのデメリット
- 確実に白くなるとは限らない
- 歯の色を細かく調整することはできない
- 痛みを感じるケースがある
- 治療対象となる歯が限定される
- 治療後数年経ってから歯の根や周りの骨が溶けてしまうことがある
セラミッククラウンのメリット、デメリットを理解した上で、神経を抜いて変色した歯を白くする治療を受けて、白く輝く歯を手に入れましょう。