口に水ぶくれや腫れができたり、ピリピリとした感覚を覚えたりした場合、口唇ヘルペスを発症している可能性があります。
当記事では、口唇ヘルペスの概要、症状、原因、予防方法などについて解説します。口唇ヘルペスになったのではないかと不安を感じている方、口唇ヘルペスについてくわしく知りたい方は、ぜひお読みください。
口唇ヘルペスとは
口唇ヘルペスとは、唇や唇周辺に水ぶくれができる病気です。水ぶくれは、軽度な痛みを生じさせます。口唇ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスと呼ばれるウイルスに感染することで発症します。
口唇ヘルペスの特徴のひとつは、再感染や再発を繰り返すことが多いという点です。一度の感染で免疫を得たとしても、繰り返し発症するケースが多くあります。大人の方が口唇ヘルペスになった場合、再発してなったケースがほとんどです。再発する頻度としては、平均して1年間に1〜2回ほどです。
肌に合わない口紅を使用した際などにも水ぶくれが生じるケースがありますが、口唇ヘルペスの発症によってできる水ぶくれとは少し異なっています。口紅によって生じる水ぶくれは、唇の広範囲にわたってできるケースがほとんどです。片や口唇ヘルペスの場合は、唇周辺の1ヶ所にできるケースが多くなっています。
子どもの頃に口唇ヘルペスに感染した場合、無症状〜軽度の症状で済むケースがほとんどです。対して大人になってから初めて口唇ヘルペスに感染すると、重い症状が出る可能性もあります。
口唇ヘルペスによる症状
口唇ヘルペスは、ニキビや口唇炎と間違えられることもしばしばあります。口唇ヘルペスかどうかを判断する場合、口唇ヘルペスの症状についてしっかりと知っておく必要があります。
口唇ヘルペスは一般的に、日が経つにつれて以下のような形で進行していきます。
再発の兆し・・・ピリピリ・チクチクする
最初は、唇付近にピリピリ・チクチクとした痛みが表れます。痛み以外には、むずむずとした感覚やかゆみ、熱を持っている感覚を覚えるケースもあります。唇に対し、普段とは異なる違和感を覚えた際は注意しましょう。
発症(半日以内)・・・赤く腫れる
上記から半日以内に、患部が赤く腫れ上がります。患部でウイルスが活発に増えている状態です。当時期に治療を始めることで、早期に症状を抑えられる可能性が高まります。
1~3日後・・・赤く腫れた患部に水ぶくれができる
1〜3日経つと、赤く腫れていた場所に水ぶくれが生じます。水ぶくれの内部は、たくさんのウイルスが存在する状態です。水ぶくれが破裂すると、ほかの部位にも感染するケースがあるため注意が必要です。
最初の感染では、大きな水ぶくれができやすい傾向にあります。水ぶくれは、再発を繰り返していくうちに小さくなってくるケースがほとんどです。
回復期・・・かさぶたができる
回復期に入ると、患部にかさぶたが生じます。かさぶたになってからは、徐々に治っていくことが期待されます。ほとんどの場合、治ってから皮膚に痕が残ることはありません。しかし抵抗力が弱まっていると、えぐれたような痕が残るケースもあります。また、患部周辺のリンパ節が腫れ上がることもまれにあります。
口唇ヘルペスを引き起こす主な原因
口唇ヘルペスを引き起こす主な原因は、主に以下の2つです。
- ウイルスがついた食器やタオルを共有した
- 免疫力が下がっている
ウイルスがついた食器やタオルを共有したとき
1つ目の原因は、ウイルスがついた食器やタオルを共有したことです。食器やタオルを介して感染するため、家族間での感染が多くあります。口唇ヘルペスの症状が見られるときには、共用の食器やタオルを使用しないことをおすすめします。
免疫力が下がっているとき
2つ目に考えられる原因は、免疫力が下がっていることです。ストレスや疲労を感じると、人間の体は免疫力が低下しやすくなります。免疫力が低下すると、ウイルスが活性化して増え、肌や粘膜に広がっていき、口唇ヘルペスを引き起こしやすくなります。
口唇ヘルペスは人にうつる?
「口唇ヘルペスを引き起こす主な原因」でも解説したとおり、ウイルスが付着した食器やタオルを共有すると、他人にうつる可能性があります。水ぶくれや腫れといった症状が出ている際は、とくにたくさんのウイルスが排出されます。同時期はとりわけ感染リスクが上昇するため、注意しましょう。
口唇ヘルペスの予防方法
口唇ヘルペスを予防したい場合、普段の生活のなかでさまざまな点に注意して過ごす必要があります。予防につながるポイントは、以下のとおりです。
- 手洗いやうがいなどを行う
- 適切に休養をとる
- バランスの良い食生活を心がける
手洗いやうがいなどを行う
最初の予防方法は、手洗いやうがいなどを行うことです。手洗いやうがいをこまめに行い、体を常に清潔に保つようにしましょう。手洗いうがいを忘れると、風邪をひくリスクが上昇します。そして風邪をひくと、免疫力が低下する恐れがあります。口唇ヘルペスは免疫力が低下している際に発症しやすい病気であるため、風邪による免疫力の低下が口唇ヘルペスを引き起こす可能性があるのです。
適切に休養をとる
続いての予防方法は、適切に休養をとることです。十分な睡眠をとることで、毎日しっかりと体を休めましょう。不十分な睡眠も、免疫力を低下させる原因のひとつになり得ます。
加えて、定期的に心の休養をとることも大切です。過度なストレスがかかるような生活は、できる限り避けるのがベターです。
ストレスがたまってしまった場合には、風呂に入ったり、好きな音楽を聴いたりするなど、リラックスできる時間を定期的に設けるようにしましょう。ストレスがたまることでも、免疫力が弱まる可能性があるためです。
バランスの良い食生活を心がける
最後の予防方法は、バランスの良い食生活を心がけることです。毎日の食事は、バランスの重視を心がけましょう。偏った食事や不十分な食事を続けていると、免疫力が弱まりやすくなり、口唇ヘルペスを引き起こすリスクが上昇します。
まとめ
口唇ヘルペスとは、唇や唇の付近に水ぶくれができる病気のことです。口唇ヘルペスになると、最初にピリピリとした痛みを感じるようになります。徐々に赤く腫れ、次第に水ぶくれのような見た目になりますが、かさぶたが出来て快方にむかっていきます。共用の食器やタオルから感染しやすいことから、家族間での感染が多い病気といえます。
口唇ヘルペスは他人に感染する病気であるため、他人から菌をもらったり、他人にうつしたりすることがないよう注意しましょう。水ぶくれや腫れなどの症状がある時期はとくに感染力が強いため、注意が必要です。
口唇ヘルペスを予防する上では、免疫力を低下させないことが重要です。具体的には、手洗いやうがいをこまめに行ったり、心身ともに適切な休養をとったり、バランスの良い食生活を心がけたりすることが大切です。
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