口内炎が何度も再発してしまう場合、その原因は生活習慣など意外なところに潜んでいるかもしれません。本記事では、口内炎の種類を4つに分類して、種類ごとの原因や対処法をご紹介します。この記事を読むことで、憂鬱な口内炎の発症を抑えやすくなりますよ。
そもそも口内炎とは
口内炎とは、口内の粘膜に起こる炎症を総称したものです。一言で口内炎といっても種類や原因はさまざまで、大きく5つのカテゴリーに分類できます。
【主な口内炎の種類と症状】
種類 | 症状 |
---|---|
アフタ性口内炎 | 円形もしくは楕円形で白っぽい潰瘍ができる |
カタル性口内炎 | 水ぶくれができてすぐに潰瘍になる |
ウイルス性口内炎 | 赤くただれる |
アレルギー性口内炎 | アレルギー反応による炎症が起こる |
ニコチン性口内炎 | 粘膜や舌に白斑ができる |
本記事では口内炎の種類ごとに再発する原因と対処法を解説するので、口内炎がよくできる人はぜひ対処法をお試しになってください。
アフタ性口内炎がよくできる原因・対処法
アフタ性口内炎がよくできる原因は次のとおりです。
<アフタ性口内炎がよくできる原因>
- 栄養バランスの偏った食事を摂っている
- 睡眠不足・睡眠の質が悪い
- ストレスを溜め込みやすい
それぞれの原因と対処法をくわしく解説しましょう。
栄養バランスの偏った食事を摂っている
栄養バランスが偏ると口内炎を発症しやすくなります。とくにビタミンB群は粘膜の働きを促進させるうえで重要な役割を果たすため、欠乏しないように注意しなければなりません。
睡眠不足・睡眠の質が悪い
睡眠不足に陥ったり、睡眠の質が悪かったりすると、免疫力の低下を招いてしまいます。口内の細菌に対抗する力を失い、口内炎の発症リスクを高めることになるため注意しましょう。
ストレスを溜め込みやすい
ストレスを過剰に溜め込むことも免疫力の低下を招きます。ストレスをゼロにすることは困難ですが、趣味の時間やリラックスできる時間を可能な限り増やしてストレスを発散しましょう。
カタル性口内炎(外傷性口内炎)がよくできる原因・対処法
カタル性口内炎がよくできる場合、その原因は以下のいずれかにあると考えましょう。
<カタル性口内炎がよくできる原因>
- 歯並びの影響
- 入れ歯や矯正器具が接触している
- 熱々のもの頻繁に食べる・飲む
- 虫歯や歯周病、歯槽膿漏などの影響
それぞれの対処法をわかりやすくお伝えします。
歯並びの影響
歯並びが悪いと噛み合わせがうまくいかず、誤って頬や唇を噛んでしまうことがあります。傷から細菌が侵入して口内炎を引き起こすため、思い当たる節がある場合は歯並びの改善を検討しましょう。歯列矯正を行うことで、大人でも子どもでも歯並びを改善させられます。
入れ歯や矯正器具が接触している
入れ歯や矯正器具が粘膜に接触し、傷を付けることがあります。入れ歯や矯正器具が常に干渉している箇所や、咀嚼する際などに接触する箇所がある場合は、歯科医に相談して調整を依頼しましょう。
熱々のものを頻繁に食べる・飲む
熱々のものを頻繁に食べたり飲んだりすると、粘膜がダメージを受けて炎症を起こすことがあります。皮がめくれて敏感になった場所に口内炎ができることも多いため、やけどしない温度にまで冷ましてから口に含むよう意識しましょう。
虫歯や歯周病、歯槽膿漏などの影響
虫歯や歯周病、歯槽膿漏の影響を受けて口内炎を発症させることもあります。当該箇所そのものが細菌に感染しやすくなっていたり、虫歯を気にして舌で触った結果、舌に傷が付いたりなど影響を受ける場所はさまざまです。虫歯や歯周病を素早く治療することも、口内炎予防に有効といえます。
ウイルス性口内炎がよくできる原因・対処法
ウイルス性口内炎がよくできる原因を3つご紹介します。
<ウイルス性口内炎がよくできる原因>
- 歯磨きが不十分
- ドライマウス
- 抗生物質やステロイド薬を使用している
それぞれの対処法をチェックしておきましょう。
歯磨きが不十分
口内には多くの細菌が潜んでいて、歯磨きが不十分な状態が続くと過剰に増えてしまいます。ウイルスによる影響を極力避けるために、歯磨きなどのセルフケアに力を注ぎ、クリニックで歯石取りなどのケアも受けましょう。
ドライマウス
口内が乾燥していると細菌が増殖しやすくなります。唾液には殺菌作用も含まれるため、ドライマウスを改善させて口腔内を湿らせましょう。食事はよく噛んで食べたり、口呼吸を鼻呼吸に直したりすると有効的です。
抗生物質やステロイド薬を使用している
抗生物質やステロイド薬を長期間使い続けていると、ビタミン不足に陥ったり、口内の細菌やカビの量を増やしたりする恐れがあります。これらの薬剤が口内炎の原因と考えられる場合は、担当医に相談して負担の少ない薬に変えられるか検討してもらいましょう。
その他の口内炎がよくできる原因・対処法
先述した以外にも、以下の原因により口内炎の発生・再発もあります。
<その他の口内炎がよくできる原因>
- アレルギーを発症している
- ニコチンの影響
- 薬の副作用
それぞれの対処法をご紹介します。
アレルギーを発症している
何らかのアレルギー反応の一環として口内炎ができることがあります。とくに注意しなければならないのが金属アレルギーです。入れ歯や矯正器具に使われている金属が反応している可能性があるため、当該箇所の周辺に口内炎がよくできる場合は担当医に相談しましょう。
ニコチンの影響
喫煙をするとタバコの煙で口内にやけどすることがあり、これが原因による口内炎の発症もあります。また、ニコチンが口蓋と呼ばれる口の天井に悪影響を与え、赤く腫れたりひび割れを起こしたりすることもあるため要注意です。これらのニコチン性口内炎を防ぐためには、禁煙したり、タバコの量を減らしたりするしか方法がありません。
薬の副作用
服用している薬の副作用で口内炎を発症するケースも少なくありません。とくに抗がん剤を使っている人に見られる症状ですが、風邪薬などの市販薬でも副作用を起こすことがあります。薬の副作用が疑われる場合は担当医に相談し、使っている薬を見直しましょう。
口内炎がよくできる場合、病気が潜んでいる可能性もある
口内炎がよくできる場合は、通常の口内炎とは違う病気が潜んでいる可能性もあります。口内炎と同等の症状が見られることのある病名をリストアップしました。
<口内炎と同等の症状が出ることのある主な病気>
- 口腔がん
- 白板症
- ベーチェット病
- 性感染症
- 手足口病
- 白血病
- クローン病
通常の口内炎は、発症してから約2週間での完治がほとんどです。2週間が経過しても一向に回復が見られない場合や、悪化している場合、口内炎の数が増えた場合などは病院で検査を受け、上記のような病気が潜んでいないか調べましょう。
まとめ
口内炎がよくできる場合は、何らかの原因が潜んでいる可能性が高いでしょう。まずは口内炎の種類を把握したうえで、最適な予防法を試してみてください。また、口内炎以外の病気が潜んでいる可能性も考えられるため、疑わしい場合は検査を受けることをおすすめします。
高輪クリニックでは、医科・歯科に横のつながりを持たせた治療を行っています。口内炎の原因を徹底的に究明し、解決に向けた最適な治療を提案できますので、口内炎がよくできて困っている方はぜひ当院をご利用ください。