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歯周病とタバコの関係性とは?悪影響がある成分や与える影響などについて解説します

タバコの汚れが付いた女性の口元

歯周病にかかる原因はさまざまですが、そのなかのひとつとして警戒すべきなのはタバコ(喫煙)です。タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素といった成分は、口腔内の環境に悪影響をおよぼし、歯周病を招く可能性があるため注意しなければなりません。この記事では、タバコが歯周病や口内環境に与える影響について、わかりやすく解説します。

そもそも歯周病(歯槽膿漏)とはどんな病気?

歯周病とは、歯に付着した歯垢が持つ細菌によって歯肉が炎症を起こす病気です。歯槽膿漏という言葉と混同されますが、歯槽膿漏は歯周病の程度を示す言葉です。歯周病は軽度(歯肉炎)、中度(歯周炎)、重度(歯槽膿漏)の3種類にわかれ、すべてをまとめた言葉が歯周病です。

歯周病の初期段階である歯肉炎は、歯垢・歯石の除去やブラッシングの改善などにより完治を見込めますが、歯周炎・歯槽膿漏に発展するとセルフケアだけでは治療が難しくなります。歯槽膿漏は歯を支えている歯槽骨が溶けた状態なので、治療には再生医療が必要な場合もあります。

歯周病による主な症状は以下のとおりです。

<歯周病の主な症状>

  • 歯磨きの際に出血しやすい
  • 歯茎が腫れている
  • 歯茎が下がっている
  • 歯に触るとグラグラする
  • 起床時に口内がネバネバしている
  • 口臭が気になる

これらの症状を自覚している場合、すでに歯周病にかかっている可能性があります。

タバコと歯周病(歯槽膿漏)の関係性

歯の模型と治療器具

歯周病にかかる原因はたくさんありますが、タバコとはとくに密接な関係があると指摘されています。喫煙者は、喫煙しない人と比べて歯周病になりやすく、進行も早いです。具体的な原因の詳細は後述しますが、タバコに含まれる成分が血流を阻害することや、唾液の分泌が減ることが歯周病にかかりやすくなる原因と考えられます。

また、いざ歯周病の治療を開始したとしても処置による効果が低く、治りにくいことも問題です。歯周ポケットを浅くする、骨の形をよくするといった外科的な治療を加えた場合も、喫煙者は非喫煙者よりも治療による効果を受けにくいとされています。歯周病と真剣に向き合うならば、禁煙する、もしくはタバコの本数を減らすといった対策が必要になるでしょう。

歯周病(歯槽膿漏)を悪化させる具体的なタバコの成分

タバコに含まれる有害物質は、一説によると200~300種類とされています。そのなかでもとくに歯周病を悪化させる成分と考えられているのは以下の2種類です。

<歯周病を悪化させる具体的なタバコの成分>

  • タバコ成分①:ニコチン
  • タバコ成分②:一酸化炭素

なぜ2種類の成分が歯周病を発症・悪化させるのか、わかりやすくお伝えしましょう。

タバコ成分①:ニコチン

タバコに含まれる代表的な成分がニコチンです。ニコチンには血流を阻害する作用が含まれており、喫煙によりニコチンを摂取すると、歯茎にも十分な量の血液が流れなくなります。結果として歯茎にとって必要な栄養素が行き渡りにくくなり、歯周病を誘発するリスクが高まるのです。

また、ニコチンは唾液の分泌量も抑え込む恐れがあります。歯周病の原因となる歯垢は唾液の分泌によってある程度除去できますが、唾液量が減ると自浄作用が低下し、歯周病にかかりやすくなるのです。おまけに細菌は乾燥した環境下で増殖しやすく、これも歯周病を誘発する原因のひとつです。

タバコ成分②:一酸化炭素

歯周病を招きやすいもうひとつのタバコ成分が一酸化炭素です。一酸化炭素のニコチンと同じく血流を阻害する作用を持つため、摂取すると歯茎に栄養素が行き渡りにくくなります。さらに一酸化炭素は白血球の機能を低下させる作用もあり、歯周病菌への対抗力を低下させることにも警戒しなければなりません。

一酸化炭素やニコチンの影響を受けて血流が悪くなると、歯肉は通常の状態よりも硬くなります。これが原因で歯周病の炎症などの初期症状を見逃しやすくなることも問題です。気付いた頃には歯槽膿漏などの重度な症状に陥っている可能性もあります。喫煙が重症化リスクまで高めてしまうので、できるだけ喫煙はおさえられるといいですね。

タバコで歯周病(歯槽膿漏)以外にも悪影響を与える可能性がある

歯に汚れがある女性の口元

タバコ(喫煙)は歯周病を招きやすくなるほか、重症化させやすいリスクも持つことはことがわかましたね。しかし、タバコによる脅威はそれだけには留まりません。歯周病以外にも、以下のような影響を口腔内に与える可能性があります。

<タバコによる歯周病(歯槽膿漏)以外の影響>

  • 歯周病以外の影響①:歯の着色汚れ
  • 歯周病以外の影響②:口臭
  • 歯周病以外の影響③:虫歯

いずれも見た目の印象を損ない他人と接しにくくなるものや、全身の健康に悪影響を与える問題です。なぜタバコがこれらの影響を与えることがあるのか、メカニズムにも触れながらわかりやすく解説します。

タバコによる歯周病以外の影響①:歯の着色汚れ

タバコの煙に含まれるヤニが歯の着色汚れを招きます。喫煙者の部屋の壁紙が黄色く汚れることは有名ですが、黄色くなる主な原因となるのがヤニです。喫煙するとヤニが歯に密着するため、次第に黄ばんでいき、非喫煙者と比べると黄ばんで汚く見えてしまいます。

また、ヤニにはネバネバした粘着力があるため、飲食による着色汚れも際立ちます。とくにコーヒーや赤ワイン、紅茶などは着色しやすく、タバコと一緒に摂取するのは危険です。また、タバコにはメラニン色素を生み出すタールも含まれているため、歯だけでなく歯茎まで変色させる恐れもあります。

タバコによる歯周病以外の影響②:口臭

タバコは口臭の原因にもなります。とくにタール、ニコチン、一酸化炭素という3つの成分は口臭の原因になりやすいため要注意です。タールには汚物に含まれる成分と同じ成分が含まれるとされており、これが歯や歯茎、舌などに付着し、臭いを発してしまいます。

また、タバコによって発生する恐れがある歯周病も口臭の原因になりがちです。歯周病が進行すると歯周ポケットや歯と歯の間が広がり、この部分に食べ物のかすが挟まりやすくなります。ものが挟まったまま掃除できずにいると、やがて醗酵して腐り、強烈な腐敗臭を放つようになるのです。

タバコによる歯周病以外の影響③:虫歯

タバコは虫歯の原因になる可能性もあります。喫煙により唾液の分泌量が減ること、口腔内の免疫力の低下、歯についたヤニが細菌を繁殖させることなどがその理由です。喫煙者は、非喫煙者以上に口腔内のトラブルに備えなければなりません。

歯周病(歯槽膿漏)予防のために定期的な歯科健診に行こう

歯ブラシを持つ歯科衛生士

歯周病(歯槽膿漏)を予防するために有効なのが歯科健診です。歯科健診では虫歯・歯周病の確認のほか、歯周病の原因となる歯垢・歯石の掃除、根本的な改善に生かせるブラッシングのアドバイスなどを受けられます。

また、3~6ヶ月に1度のペースで定期的に歯科健診を受けることで、虫歯や歯周病の早期発見が可能です。重症化する前に虫歯・歯周病の治療を始めることにより、歯の健康を維持できることに加えて、治療期間や費用も削減できるため、定期的な受診をおすすめします。

まとめ

歯周病とタバコには大きな影響を与える関係性にあります。タバコを吸うことで歯周病以外にも歯の着色、口臭、虫歯といったトラブルを引き起こす可能性があるため、歯の健康を重視するならば禁煙やタバコの本数を減らすなどの対策を検討しましょう。

高輪クリニックでは、歯周病の早期発見につながる定期健診を実施するとともに、喫煙者の方が歯周病などのトラブルを予防するために有効な方法をやさしく指導しています。周りの人のことも考えて、ぜひ一度ご相談下さい。

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