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実は妊娠と歯周病は密接な関係で結ばれている!具体的な症状や予防策について解説

頬に手を当てる妊婦

歯周病にかかりやすいタイミングのひとつが妊娠中です。妊娠中はさまざまな事情によって歯周病になりやすく、妊娠中の歯周病のことは「妊娠性歯肉炎」とも呼ばれています。この記事には、妊娠性歯肉炎を予防する方法から、妊娠性歯肉炎が胎児に及ぼす影響までをまとめました。妊娠中の方・妊活中の方はぜひご一読ください。

妊娠と歯周病の関係性

歯に痛みを感じる女性

妊娠中は女性ホルモンが過剰に分泌されやすくなるほか、つわりなどで生活習慣が一変する妊婦さんが増えるため、歯周病にかかりやすくなります。妊娠中の女性がかかる歯周病は「妊娠性歯肉炎」とも呼ばれるほどで、妊娠と歯周病には密接な関係があるのです。

妊娠性歯肉炎は胎児にも悪影響を及ぼす可能性があります。一説によると低体重児を出産するリスクは、歯周病にかかっていない妊婦さんと比べて7倍以上になるとされています。妊娠中でも、安定期に差し掛かったあとは歯周病や虫歯の治療を受けられるため、母子双方の健康を守るためにも充分な歯周病対策を行いましょう。

妊娠中の女性が歯周病になりやすい理由

吐き気を患う女性

妊娠中の女性が歯周病にかかりやすい理由は以下の3つあります。

<妊娠中の女性が歯周病になりやすい理由>

  • つわりによる歯磨き回数の減少
  • 嗜好品や食事をする回数の変化
  • 女性ホルモン分泌の活発さ

それぞれをくわしく解説していきましょう。

つわりによる歯磨き回数の減少

妊娠初期は多くの女性がつわりに襲われます。口内に歯ブラシを入れるだけで吐き気をもよおす方も多く、そうなると歯磨きの回数が減り、歯垢がたまりやすくなるのです。つわりが落ち着いた頃には歯磨きの回数を増やせるものの、すでに歯肉炎が発生している場合、これが進行して歯周炎・歯槽膿漏に発展する可能性があります。

嗜好品や食事をする回数の変化

妊娠中は味覚が変わることもあり、嗜好品や食事の回数そのものが変化します。食べつわりやはきづわりなどで口腔内が酸性に傾くと、口内環境が虫歯や歯周病に対応しにくくなるため注意しなければなりません。仮に虫歯ができた場合、周囲には歯垢が付着しやすくなり、やがて炎症が発生して歯周病に発展します。

女性ホルモン分泌の活発さ

妊娠中は女性ホルモンの分泌が活発になります。歯周病菌のなかには、女性ホルモンをエサにして増殖するものがあり、これも歯周病を生み出す原因となるため要注意です。妊娠前なら炎症につながらない程度の軽度な汚れだとしても、歯周病菌が爆発的に増殖するせいで、歯茎の炎症を引き起こす可能性があります。

妊娠中の歯周病(妊娠性歯肉炎)の具体的な症状

妊娠中の歯周病(妊娠性歯肉炎)の具体的な症状をリストアップします。

<妊娠性歯肉炎の具体的な症状>

  • 歯茎の色が赤くなっている、もしくはどす黒くなっている
  • 歯茎がブヨブヨと腫れている
  • 歯と歯の間の歯茎が丸みを帯びて膨らんでいる
  • 歯磨きの際に出血する

上記のうちどれか1つでも当てはまるものがあれば、残念ながら妊娠性歯肉炎にかかっている可能性があります。妊娠性歯肉炎は進行がとても早く、油断していると歯周炎・歯槽膿漏へと発展するため、できる限り早く歯科医院で検査を受けましょう。

妊娠性歯肉炎には、通常の歯肉炎と比べて部分的な症状が出やすいという特徴があります。とくに腫れることが多いのが上の前歯と奥歯です。この箇所が赤っぽく変色していたり、腫れていたり、小さな衝撃でも出血したりする場合は、妊娠性歯肉炎を疑わなければなりません。

妊娠中の歯周病(妊娠性歯肉炎)が胎児に及ぼす影響

妊娠性歯肉炎は、母体だけでなく胎児にも悪影響を及ぼす可能性があると指摘されています。1996年にアメリカで発表された報告によると、妊婦さんが歯周病にかかっている場合、そうでない妊婦さんと比べて、低体重児の出産リスクが約7倍も高まるというのです。

また、歯周病は人から人へうつる感染症でもあります。妊婦さんが歯周病を持っており、出産後に赤ちゃんとキスをしたり、食器などを共有したりすると、お母さんの歯周病菌が赤ちゃんに移る可能性もあるため注意しなければなりません。歯周病は予防・治療ができるので、後回しせずに素早く対処しましょう。

妊娠中の歯周病(妊娠性歯肉炎)を予防する方法

歯ブラシと紙コップと歯磨き粉を持つ妊婦

妊娠中の歯周病(妊娠性歯肉炎)を予防する方法として有効なのは以下の3点です。

<妊娠性歯肉炎を予防する方法>

  • 毎日必ず歯を磨く
  • 充分な量の水分を摂取する
  • 定期的に歯科診療にかかる

基本を守ることにより、妊娠中でも歯周病にかかるリスクを大幅に引き下げられます。「つわりのせいで歯磨きをするのがつらい」という方に向けた対策もあわせてお伝えするので、それぞれの項目を細かくチェックしてぜひ実践してください。

毎日必ず歯を磨く

毎日必ず歯を磨くことが歯周病予防の基本です。歯周病は歯垢が毒素を発生させ、歯茎の炎症を招くことにより発症します。つまり熱心に歯垢のケアをするだけでも歯周病にかかるリスクを低下させられるため、妊娠初期でつわりがひどい時期でも、これまでと同じ頻度で歯を磨くことを心がけましょう。

つわりのせいで歯を磨きたくても、気分が悪くなったりえずいてしまって磨けないという女性も多いですよね。その場合は1日に1度でも構わないので、少しでも調子のよい時間帯を選んで歯磨きしましょう。それでも口の中に不快感を感じてしまう場合などどうしても難しいときは、飲食をしたあとに水やお茶で口をゆすぐだけでも一定の効果があります。

また、できるだけヘッドが小さい歯ブラシを使うのもおすすめです。ヘッドが舌に触れた際に吐き気をもよおすことが多いため、子ども用の歯ブラシを使うなどの対策が有効になります。歯磨き粉に関しては、無理をして使う必要はありません。

充分な量の水分を摂取する

意識的に水分を多く摂取するのもおすすめです。口腔内が乾燥すると歯周病菌が増殖しやすい環境になるため、こまめに水分を摂取して口内を潤しましょう。このときは、水やルイボスティーといったノンカフェインの飲み物をおすすめします。糖分が多いジュースや、牛乳や飲むヨーグルトなどの乳製品は、歯垢を増やす原因になるため要注意です。

定期的に歯科診療にかかる

歯周病対策としてもっとも有効なのは、定期的に歯科診療(予防歯科)にかかることです。歯科診療では虫歯や歯周病の有無を確認できるほか、正しいブラッシング方法の指導や、患者さんに合ったケア用品の紹介も受けられます。

3~6ヶ月に1度の定期健診を受けることにより、仮に歯周病にかかっていたとしても、初期段階で治療に乗り出せることもメリットです。より直しにくくなる歯周炎・歯槽膿漏に発展する前に歯周病を治療することで、妊婦さんや胎児に与える悪影響を減らせます。

まとめ

妊娠中は歯周病にかかる可能性が高まります。妊婦さんがかかる歯周病のことは「妊娠性歯肉炎」と呼び、通常の歯肉炎と比べて進行が早いなどの特徴があるため要注意です。高輪クリニックでは、妊婦さん特有の症状に配慮した歯科健診や治療を行っています。胎児への悪影響を防ぐためにも、自覚症状がなくても検診を受け、歯周病の予防・早期治療を実現させましょう。

出産後は赤ちゃんのお世話にばかり意識が向きがちです。お母さんが健康でいることが何よりも家庭の安心感につながるのでぜひご相談ください。

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