
すべての歯を入れ替える必要が出てきた場合、どのような治療法を選ぶかは悩むポイントですよね。
とくにインプラント治療をおこなうのか、総入れ歯にするのかは費用の面で大きく異なるので、比較して検討したいと思う方も多いでしょう。
また、インプラントと総入れ歯の違いは費用の面だけではありません。今後の使用感や見た目にも影響するので、治療法は慎重に決めましょう。
今回はインプラントと総入れ歯の費用の相場や、治療法の特徴を解説します。
インプラントのオールオン4とは

オールオン4とは、すべての歯を4本のインプラントで支える治療法です。
従来のインプラント治療だと、歯の本数分のインプラントが必要になり、その分費用がかさみます。また、治療期間が長くなる可能性もあります。
インプラントのオールオン4は、4本のインプラントのみ使うため費用を抑えやすく、治療期間も短縮しやすいという特徴があります。
さらに、オールオン4は顎の骨に厚みがある部分を選んで治療するため、骨造成の費用がかかりません。通常のインプラント費用でデメリットになりがちな骨造成費用がかからないのは、オールオン4の大きな特徴です。
インプラント治療を考えているけれど費用の面や治療期間に不安があるという方にとって、オールオン4は希望を叶えやすい治療法といえるでしょう。
オールオン4の費用の相場
インプラントのオールオン4の費用の相場は【200〜400万円】です。
インプラントは自由診療のため、歯科医院によって費用に大きな差が出ます。
また、骨が少ない上あごのほうが一般的に費用が高額になる傾向があり、口腔内の環境によっても費用は変動します。
残存歯があったり歯周病があったりと、インプラントにする際に取り除かなくてはならないリスクがある場合は、その治療や対処をしなくてはならないので当然費用がかかります。
インプラントのオールオン4での治療を検討している場合は、歯科医院で診察と検査を受け、見積もりを出してもらいましょう。
総入れ歯とは
総入れ歯とは、失った歯をすべて人口歯で補う治療法です。
総入れ歯は人口歯と、歯茎を覆う義歯床から作られています。
簡単に取り外しができるため、日常的なメンテナンスがしやすいのが総入れ歯の特徴といえるでしょう。
また、総入れ歯の作成には外科手術が必要ありません。体の負担が少ない治療法である点も総入れ歯の特徴です。
また、総入れ歯は保険が適用される治療法です。
そのため、費用を抑えやすいのも総入れ歯の大きなメリットです。
総入れ歯の費用の相場
総入れ歯の費用の相場は、保険適用(3割負担)で【1万〜1万5,000円】です。
素材はアクリルレジンを使用します。アクリルレジンは日常的な使用によって摩耗が起こるため、定期的に作り変える必要があります。また、水分の影響を受けやすいのもアクリルレジンの特徴といえるでしょう。そのため、総入れ歯は定期的な作り変えを想定しておく必要があります。
しかし、総入れ歯は自由診療のインプラント治療と比べると圧倒的に費用を抑えられ、支払いに不安がないのが大きな特徴といえます。
インプラントのオールオン4と総入れ歯の違い

ここでは、インプラントのオールオン4と総入れ歯の違いを解説します。
治療法を選ぶ際に、違いをしっかり把握しておくことは大切です。
なぜなら、治療開始後や治療が完了した後に、イメージと異なってしまったり不便を感じたりといった事態を防ぐことができるからです。
主に3つの観点からインプラントと総入れ歯それぞれの治療法について解説しましょう。
インプラント|保険が適用されるか
インプラントのオールオン4は保険が適用されない自由診療の治療法です。
そのため、費用の全額が患者さまの負担となります。
大きな額の支払いとなるため、インプラントを取り入れるなら支払いができるのか、どのように支払っていくのか、計画を立てておきましょう。
また、保険が適用されない自由診療の費用は、歯科医院によって大きな差があります。
想定した費用と異なる場合、他の歯科医院で見積もりを出してもらうことも検討しましょう。
インプラント|治療後の見た目の変化
インプラントのオールオン4は、審美性が高いのが特徴です。
インプラントを埋め込むため金具が外側から見えず、自然な見た目になります。
入れ歯であることを知られたくない、わからないようにしたい、という方にとって、インプラントのオールオン4は理想的な仕上がりになりやすいといえるでしょう。
また、インプラントの治療では、素材をいくつかの種類から選べるのが一般的です。
歯科医院でそれぞれの素材の特徴やメリットを確認したうえで、よりイメージに近い見た目の素材を選ぶのがよいでしょう
インプラント|寿命の長さ
インプラントの寿命は10~15年が一般的です。
歯科医院によってはインプラントの保証期間を設けている場合もあります。長く使い続けるものですから、保証期間もあわせて確認しておくとよいでしょう。
また、インプラントは定期的なメンテナンスをすることで長持ちします。
インプラントを埋め込んだ骨の部分や口腔内の環境を清潔に保つことで、より長い期間での使用も可能となるのです。
総入れ歯|保険が適用されるか
総入れ歯は保険が適用され、一般的に治療費の3割を負担します。
そのため費用が抑えやすく、支払いやすいのが特徴といえるでしょう。
総入れ歯はインプラントと比べて早く劣化するという特徴がありますが、保険が適用されるため買い替えがしやすく、破損時の費用面での負担が少ないのもメリットの1つです。
また、口腔内の環境や状態は年を重ねていくと変化します。
入れ歯の土台となる「歯槽骨」は、痩せていく傾向があり、そのときの口腔内の状態に合った入れ歯に作り変えることが大切なのです。
総入れ歯|治療後の見た目の変化
総入れ歯は、場合によっては見た目に影響する治療法です。
人口歯を歯茎にはめるので、笑ったときや口を大きく開けたときに、入れ歯であることがわかりやすいといえるでしょう。
また、入れ歯安定剤で固定するため、ずれたり外れたりといった事態も想定できます。
インプラントと比べて審美性は高くありません。しかし、定期的なメンテナンスと買い替えで、見た目をきれいに保つことは可能です。
総入れ歯|寿命の長さ
総入れ歯の寿命は3~5年が一般的です。
保険適用の入れ歯の素材は「レジン」と呼ばれるプラスチックです。
レジンは水分の影響を受けやすいため、ていねいにメンテナンスをしても、3~5年ごとに作り直す必要があります。
総入れ歯の寿命は短いですが、高額な治療費が必要ではありません。歯周病などのトラブルを防ぎ、口腔内を清潔に保つためにも定期的に交換するようにしましょう。
インプラントのオールオン4は後悔しない?

インプラントのオールオン4の治療を検討する際、あとで後悔しないのかは気になるポイントでしょう。
使用感や費用の面での不安な点を確認しておくことで、安心感をもって治療を受けられます。
また、インプラントに限らず治療にはデメリットやリスクがあります。
インプラントのオールオン4治療を受けるなら、デメリットやリスクもあわせて確認しておきましょう。
噛み合わせはよいか
インプラントのオールオン4では、高い技術が必要なため、治療後に噛み合わせが悪くなる場合があります。
上あご、下あごともに歯をすべて入れ替える治療法なので、治療後の噛み合わせはとくに気にしたいポイントです。
噛み合わせが悪いと食事の際に不便を感じるだけでなく、顎や顔周りの筋肉の形に影響し、ゆがんでしまう可能性があります。
そのため、オールオン4の治療法を選ぶ際には確かな技術と実績がある歯科医院を選ぶようにしましょう。
外科手術が必要
インプラントのオールオン4は、骨にインプラントを埋め込むため外科手術が必要です。
出血したり、神経を傷つけたりといったトラブルが想定されます。
オールオン4では、0.13~8.5%と出現率は低いものの、神経性の麻痺が起こる場合もあります。
インプラントに限らず、外科手術にはリスクがつきものである点を留意しておきましょう。
また、個人差はありますが痛みを感じやすかったり、外科手術に心理的な負担を感じやすかったりする場合もあります。
歯科医院での施術説明をしっかり把握し、納得したうえで治療にのぞむとよいでしょう。
治療費が高額
前述した通り、インプラントのオールオン4には高額な費用が必要です。
そのため、医療費控除制度を利用したり、デンタルローンを組んだりといった、支払いに対する対策や計画を立てておきましょう。
医療費控除では、年10万円以上の医療費について確定申告で申請することにより、所得税から控除が受けられます。
デンタルローンでは費用総額そのものは変わらないものの、月々の支払いに分割することで家計への負担を減らせる場合もあるでしょう。
オールオン4は魅力的な治療ですが、家計を圧迫してしまっては後々後悔する事態につながります。
また、治療費の総額は定期的なメンテナンスの分も含まれます。
歯科医院で費用についてもしっかり確認しておくことが大切です。
インプラントのオールオン4は賢く選択しよう
インプラントのオールオン4を選ぶのなら、賢い選択をしましょう。
そのためにはまず、技術と実績が豊富な歯科医院を選ぶことが大切です。
当院では医科と歯科でつながりを持ち、多面的なアプローチが可能です。また、金属アレルギーの方のために、チタンフリーでの治療法もご提案しています。
ぜひ一度ご来院のうえ、今後の治療方針や費用の面でご不安やご希望をお聞かせください。