歯の黄ばみが気になり、手軽に白くできないかと考える方もいるでしょう。費用面を抑えつつ、自宅で手軽に白い歯を目指せる方法が「ホームホワイトニング」です。
この記事では、ホームホワイトニングの特徴から費用・期間の目安、メリット・デメリット、具体的なやり方まで詳しく解説します。オフィスホワイトニングとの違いも紹介しますので、ご自身に最適なホワイトニング方法を選択する参考にしてください。
ホームホワイトニングとは

ホームホワイトニングとは、自宅などで自分の好きなタイミングで行うホワイトニングのことです。歯科クリニックでマウスピースを作成後、処方されたホワイトニング剤をつけて歯に装着します。
低濃度の薬剤を使用するため、歯への負担が少なく、自然な白さに仕上がります。また、ゆっくりと歯を白くしていくため、色戻りもしにくいでしょう。
自分のペースでホワイトニングを進められるため、忙しい方におすすめの方法です。
オフィスホワイトニングとの違い
オフィスホワイトニングは、歯科クリニックで歯科医や歯科衛生士といった専門家に直接施術してもらうホワイトニングです。
ホームホワイトニングとの主な違いは、以下のとおりです。
違い | オフィスホワイトニング | ホームホワイトニング |
---|---|---|
実施場所 | 歯科クリニック | 自宅 |
薬剤の濃度 | 高濃度 | 低濃度 |
効果が出るまでの期間の目安 | 即効性を感じやすい | 約2週間 |
費用目安 | 約2万~7万円 | 約2万~5万円 |
オフィスホワイトニングは、高濃度の薬剤と特殊な光を用いるため、短期間で効果を実感しやすい特徴があります。1回の施術で変化を感じられる方もいますが、繰り返すことで、より白く感じやすいでしょう。
一方、ホームホワイトニングは低濃度の薬剤を使用するため、オフィスホワイトニングより効果が出るまでの期間が長い傾向があります。
費用面でみても、専門家による施術と高価な機材を使用するオフィスホワイトニングは、ホームホワイトニングより高額になります。
デュアルホワイトニングとの違い
ホームホワイトニングとデュアルホワイトニングの大きな違いは、オフィスホワイトニングを併用するかどうかです。
違い | デュアルホワイトニング | ホームホワイトニング |
---|---|---|
実施場所 | 自宅、歯科クリニック | 自宅 |
効果が出るまでの期間の目安 | オフィスホワイトニングのタイミングによるが、ホームホワイトニングより速い | 約2週間 |
費用目安 | 約5万~10万円 | 約2万~5万円 |
デュアルホワイトニングは、ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングを組み合わせて行い、短期間で自然な白い歯を目指します。薬剤を効果的に浸透させられるため、色戻りもしにくいでしょう。
ただし、オフィスホワイトニングにかかる費用がある分、ホームホワイトニングのみより費用がかかりやすく、通院にかかる負担も生じます。薬剤によっては、知覚過敏などにつながる可能性もあります。
ホームホワイトニングの費用と期間の目安

ホームホワイトニングの費用は、使用する薬剤の種類や量、マウスピースの製作費などで変動します。一般的には、初回の通院で2万円~5万円程度が相場です。
費用内訳の目安は、以下のとおりです。
内訳 | 費用目安 |
---|---|
マウスピース製作費 | 約1万5,000~4万円 |
薬剤費(7日分) | 約5,000円 |
個人差はありますが、ホームホワイトニングで希望の白さになるまでの期間は、2週間~1ヵ月程度が目安です。通算2万5,000円~6万円程度はかかるでしょう。
しかし、費用を抑えたいがために薬剤の量を減らすと、目標の白さにならない可能性があります。ホームホワイトニングをする場合は、医師の指示に従って、適切な量のホワイトニング剤を使用することが大切です。
ホームホワイトニングのメリット

ホームホワイトニングは、通院回数が抑えられるため、忙しい方でも手軽にホワイトニングを実施できます。低濃度の薬剤で刺激も抑えられるうえ、長持ちしやすいでしょう。
また、オフィスホワイトニングよりコストも抑えられます。それぞれ詳しく解説します。
好きなタイミングでできる
ホームホワイトニングは、初回の通院でマウスピースとホワイトニング剤を受け取ったあとは、自宅での隙間時間を活用して実施できます。たとえば、就寝前や家事の合間、読書やテレビ鑑賞をしながらなどのタイミングで利用できるでしょう。
夜型の方は就寝前に、朝型の方は起床後にと、自分のライフスタイルに合わせた時間帯を選択できます。また、急な予定変更があっても、その日の都合の良い時間帯に変更可能です。
長持ちしやすい
ホームホワイトニングは、オフィスホワイトニングと比較して効果の持続期間が長い特徴があります。
オフィスホワイトニングが高濃度の薬剤で即効性を目指すのに対し、ホームホワイトニングは低濃度の薬剤で時間をかけて歯を白くしていくため、色戻りもしにくくなります。
一般的な持続期間の比較は、以下のとおりです。
ホワイトニング方法 | 持続期間の目安 |
---|---|
ホームホワイトニング | 約1年間 |
オフィスホワイトニング | 約6ヵ月間 |
ただし、持続期間は生活習慣によって大きく左右されます。たとえば、着色の原因となる飲食物を控えたり、定期的な歯のクリーニングに通ったりすると、長期間の持続が期待できます。
低濃度の薬剤で刺激が抑えられる
ホワイトニングは痛い、しみるなどの違和感を生じやすい施術です。
刺激を感じる理由は、歯周病で歯茎が下がっている、知覚過敏があるなどさまざまですが、ホームホワイトニングのホワイトニング剤は低濃度の薬剤が使用されるため、刺激を抑えることが可能です。
ホームホワイトニングで痛みを感じる場合には、すぐに中断し、歯科クリニックに相談しましょう。医師が放置時間を短くする、薬剤を変更するなど、あなたに負担のない方法を検討します。
オフィスホワイトニングより安価にできる
ホームホワイトニングは、オフィスホワイトニングと比べ、費用を抑えて白い歯を目指せる方法です。
ただし、実際にかかる費用は、使用する薬剤や施術回数によって変動します。詳細は、かかりつけの歯科クリニックに聞くとよいでしょう。
ホームホワイトニングのデメリット

ホームホワイトニングは、自宅で手軽にできる反面、効果が出るまでに時間がかかりやすい、自己管理が必要など、いくつかのデメリットも存在します。それぞれ詳しく解説します。
効果が出るまでに時間がかかりやすい
ホームホワイトニングは自分のペースで白い歯を目指せる魅力的な方法ですが、効果があらわれるまでにある程度の期間を要します。
オフィスホワイトニングと比較すると、じっくりと時間をかけて白くしていくため、一般的に効果を実感するには2週間ほどの期間が必要です。
ホームホワイトニングで効果を早く実感したい場合は、ホワイトニング剤の使用時間を守る、色の濃い飲食物を控えるなど、生活習慣にも気を配ることが大切です。
自己管理が必要
ホームホワイトニングでは、以下のような自己管理が必要です。
自己管理項目 | 詳細 |
---|---|
薬剤の管理 | ・処方された薬剤の量を厳密に守る ・指定された使用時間を遵守する ・薬剤が歯茎に付着しないよう注意する |
マウスピースの管理 | ・装着中は強く噛みしめない ・就寝中の装着は避ける ・使用後は必ず洗浄する |
ホワイトニング後の管理 | ・すぐに歯磨きやうがいをする ・2時間は食事を控える ・着色しやすい飲食物を避ける |
これらの管理を怠ると、知覚過敏や歯茎の炎症などのトラブルを招いたり、効果が半減したりする可能性があります。安全で効果的なホワイトニングを目指せるよう、自己管理をしっかり行うことが大切です。
ホームホワイトニングのやり方例5ステップ

ホームホワイトニングを始めるためには、まず歯科クリニックで以下の準備を進める必要があります。
<ホームホワイトニングの準備>
- 歯科医院で治療前カウンセリングを受ける
- オーダーメイドマウスピースを作成する
- ホワイトニング剤を選択し、受け取る
- 使用方法の説明を受ける
これらの準備が整ってから、自宅でのホワイトニングケアがスタートします。以下でホームホワイトニングのやり方を詳しく解説します。
1.歯磨きをする
ホワイトニング剤を使用する前に、まずは丁寧に歯磨きをしましょう。歯の表面の汚れをしっかり落とすと、ホワイトニング効果をより引き出しやすくなります。
2.ホワイトニング剤をマウスピースの内側につける
専用のホワイトニング剤を、マウスピースの内側につけます。歯の1本ずつ、丁寧に薬剤を塗布しましょう。
薬剤の塗布量が多すぎると、歯茎への付着による炎症や知覚過敏の症状悪化、薬剤の無駄遣いなどにつながる可能性があります。歯科医師の指示通りに、量を調整することが重要です。
3.マウスピースを装着して放置
マウスピースは両手で持ち、ゆっくりと丁寧に装着します。その際、特に以下の3点に注意が必要です。
<マウスピース装着時の注意点>
- 歯茎からホワイトニング剤がはみ出した場合は、必ずティッシュで拭き取る
- 装着時間を守る
- 装着中は喫煙や飲食を控える
装着時間が終わるまでは、できるだけ会話を控えめにし、安静にするのがおすすめです。また、薬剤のついたマウスピースをつけたまま就寝してしまうと、薬剤が喉に落ちたり、装着時間が長くなってしまったりするため、注意しましょう。
4.マウスピースを外して、歯の表面のホワイトニング剤を落とす
指定の時間が過ぎたら、マウスピースを外し、ホワイトニング剤を歯の表面から丁寧に落とします。以下の流れで行います。
<ホワイトニング後の洗浄手順>
- マウスピースを優しく取り外す
- 口をすすいで、大まかな薬剤を洗い流す
- 歯ブラシを使用して歯を1本ずつ丁寧にブラッシングする
- 再度口をすすいで、残った薬剤を完全に洗い流す
歯ブラシはやわらかめのものを使用し、優しくブラッシングすることが大切です。歯間や歯茎にも気を配りましょう。
この工程をしっかり行うと、その後の着色予防にもつながります。また、歯の表面を清潔に保つことで、次回のホワイトニング効果も高まります。
5.マウスピースを洗う
マウスピースの使用後は、丁寧な洗浄が必要です。適切な洗浄方法を守ると、マウスピースの変形を防ぎつつ、清潔に保てます。
水道水で軽くすすいだあとは、歯ブラシやガーゼで優しく洗い、残った薬剤を完全に落としてから乾燥させて保管ケースにしまいます。
洗浄時の注意点は、以下のとおりです。
<洗浄時の注意点>
- 熱湯は使用しない(変形の原因)
- 強くこすりすぎない(傷つきの防止)
- 洗剤は使用しない(薬剤との反応防止)
- 水気はしっかり拭き取る(雑菌繁殖の予防)
適切なお手入れは、ホワイトニング効果にも影響するでしょう。
ホームホワイトニングで理想の白い歯を目指そう
ホームホワイトニングは、歯科クリニックでマウスピースを作成後、処方されたホワイトニング剤をつけて歯に装着するホワイトニング方法です。低濃度の薬剤を使用するため、歯への負担が少なく、自然な白さに仕上がります。
また、オフィスホワイトニングより、費用や通院にかかる負担を抑えられる特徴があります。自分のペースで手軽にホワイトニングを進めたい方や、忙しい方におすすめの方法といえるでしょう。
低刺激をそのままに、光を利用することで効果を加速させ、従来のホームホワイトニングに比べて短期間で白い歯を目指せるホームホワイトニングもあります。ご自身のライフスタイルや予算に合わせ、検討してみてください。