以前治療を受けた虫歯の詰め物が取れた場合、なるべく早く歯科医院を受診する必要があります。本記事では、今この瞬間にすべきこと・やってはいけないことを紹介するので、自己流で対処する前にご確認ください。また、受診までの間に注意すべきことなどについても解説します。
虫歯の詰め物が取れたら!まず確認すべき3つのポイント
虫歯の詰め物が取れた場合は、まず以下の3ポイントを確認しましょう。
<虫歯の詰め物が取れた際に確認すべき3つのポイント>
- 自分で詰め直さない
- 取れた詰め物は保管しておく
- なるべく早く歯科医院を受診する
この3つが重要な理由を解説します。
自分で詰め直さない
取れた詰め物を自分で直そうとしても、元通りには再接着できません。たとえ一時的に再接着できたとしても、またすぐに外れてしまい可能性があります。他の歯にダメージを与えたり、詰め物が不意に取れて飲み込んでしまったりするリスクもあるので、自分で詰め直すのはやめましょう。
取れた詰め物は保管しておく
取れた詰め物は、専用の接着剤を使用すれば医院で元通りに再接着できる可能性があります。変形しないようにタッパーなどに包んで保管して、医院に持参しましょう。捨ててしまうと詰め物を作り直すことになり、治療が完了するまでに時間がかかる場合があるため要注意です。
なるべく早く歯科医院を受診する
詰め物が取れたまま放置せず、なるべく早く歯科医院を受診しましょう。詰め物が取れたあとの歯は、デリケートな象牙質が露出した状態です。虫歯菌の影響を受けやすいほか、患部に触れると強い痛みが生じる可能性が高いため、できる限り早い受診をおすすめします。
詰め物が取れた歯を放置するリスク
詰め物が取れた歯を放置すると、以下のようなリスクにさらされます。
<詰め物が取れた歯を放置するリスク>
- 虫歯の発症リスクや重症化リスクが上がる
- 痛みが原因で飲食しにくくなる
- 象牙質が欠けたり、割れたりする可能性がある
- 詰め物を紛失したり、状態を悪化させたりする場合がある
詰め物が取れた歯は象牙質が露出した状態で、虫歯のリスクが上がり、痛みも感じやすくなります。象牙質そのものが欠けるとさらに大掛かりな治療が必要になるほか、取れた詰め物を失くしたり、コンディションを悪化させたりするかもしれません。このようなリスクを避けるためにも、素早く歯科医院を受診しましょう。
【原因別】虫歯の詰め物が取れた場合の治療方法
虫歯の詰め物が取れた場合の治療方法を、詰め物が取れた原因別に解説します。
<【原因別】虫歯の詰め物が取れた場合の治療方法>
- 接着用セメントの劣化
- 詰め物の劣化・変形
- 詰め物と歯の間の虫歯
- 歯ぎしりや食いしばり
- 噛み合わせの変化
順番にチェックして、再発を防ぐための治療を受けられる歯科医院に対応を任せましょう。
接着用セメントの劣化
詰め物は接着用セメントを使って歯に取り付けており、これが劣化すると剥がれるため、再接着により治療を行います。とくに保険適用で作れる金属製のインレーは接着剤が剥がれやすい素材です。できる限り接着用セメントの劣化を防ぎたいならば、セラミック製の詰め物に作り直すとよいでしょう。
詰め物の劣化・変形
詰め物自体が劣化・変形して取れた場合は、再接着だけでは元の状態に戻せません。この場合は詰め物を作り直す必要があります。詰め物には保険適用できるものもあれば、高額ながら審美的なものもあるので、素材ごとのメリット・デメリットの説明を受けて利用する詰め物を選びましょう。
詰め物と歯の間の虫歯
詰め物と歯の間に虫歯ができると、エナメル質などの歯質が溶け、詰め物と歯が噛み合わなくなって取れてしまいます。この場合は虫歯を治療したうえで、新しい歯の形に合った詰め物を作り直さなければなりません。また、虫歯が重症化している場合は、被せ物などその他の治療が必要な場合もあります。
歯ぎしりや食いしばり
歯ぎしり・食いしばりといった日常の癖が原因で詰め物に圧力がかかり、詰め物が取れてしまうこともあります。とくにコンポジットレジンやセラミック製の詰め物は割れやすいため注意しなければなりません。このケースでは再接着を試み、不可能な場合は詰め物を作り直し、さらに歯ぎしり・食いしばりを解消させる治療も検討します。
噛み合わせの変化
噛み合わせの変化も詰め物が取れる原因のひとつです。詰め物の治療から長い時間が経ち、噛み合わせが変化して詰め物が圧力を受け、取れたり壊れたりするケースは頻繁に見られます。この場合も詰め物の再接着や作り直しで治療しますが、必要に応じて噛み合わせ自体の治療を受けるのもおすすめです。
虫歯の詰め物が取れたとき、受診までに注意したいこと
虫歯の詰め物が取れたときは、受診まで以下の3点を守りましょう。
<虫歯の詰め物が取れたとき、受診までに注意したいこと>
- 普段より入念に歯磨きを行う
- 詰め物が取れた歯で噛まないようにする
- 熱い・冷たい飲食物を避ける
先述したとおり詰め物が取れたときは素早く治療を受けることが重要です。上記のポイントを守っているからといって、そのまま放置することはおすすめできません。あくまでも歯科医院を受診するまでの注意点として確認しておきましょう。
普段より入念に歯磨きを行う
詰め物が取れた箇所は象牙質が露出していて、細菌に感染しやすい状態です。虫歯のリスクが高いため、普段より入念に歯磨きをしましょう。ただし、後述するように詰め物が取れたあとの歯はとてもデリケートですから、毛先のやわらかい歯ブラシを使ってやさしく丁寧に磨くことがポイントです。
詰め物が取れた歯で噛まないようにする
詰め物が取れた歯はデリケートな状態で、小さな圧力でも痛んだり、傷付けたりする恐れがあります。詰め物が取れた歯では噛まないように注意して、できるだけ他の歯を使って飲食しましょう。また、治療が終わるまではなるべく硬いものは食べず、すり潰して食べられる食材や料理を選ぶのがおすすめです。
熱い、冷たい飲食物を避ける
詰め物が取れたあとの象牙質は敏感で、熱いもの・冷たいものが患部に触れると強く痛むことがあります。強い痛みが生じると指や舌で触りたくなることが多く、これが原因で細菌が侵入したり、口腔内を傷付けたりする恐れもあるため要注意です。歯に刺激を与える飲食物は、治療が終わるまで避けましょう。
まとめ
虫歯の詰め物が取れたときは、詰め物が壊れないようにタッパーなどで保管し、すぐに歯科医院で治療を受けましょう。そのまま放置すると虫歯になったり、強く痛んだりするリスクがあります。治療を受けるまでに時間がかかる場合、その間は丁寧に歯磨きをして、歯に負担をかけないように過ごすのがポイントです。
高輪クリニックでは、当院の虫歯治療後に取れた詰め物を直すことはもちろん、他院で受けた治療後の処置もお任せいただけます。詰め物が取れた原因を特定し、再発を防ぐための治療法も案内できますので、虫歯の詰め物が取れてお困りならばすぐ当院にご連絡ください。