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過敏性腸症候群(=過敏性大腸炎:IBS)と最新治療法の腸内フローラに関して

過敏性腸症候群(IBS)の最新の治療法として注目を集める、腸内フローラ治療。「第二の脳」と呼ばれる腸の細菌叢を整えることによって、免疫機能が高まることはもちろん、これまで難しかった病気の治療やダイエットなどにおいても様々な改善の可能性が見えてきました。

本質的な治療がが難しいと言われてきた過敏性腸症候群も腸内フローラ治療でかなり治癒率が高まっています。

このページでは過敏性腸症候群と最新治療法の腸内フローラについて解説します。

うつ病などの精神疾患にも有効?腸内フローラ治療とは

私たちの腸管内には約1200種、約100兆個という多種多様な菌が生息しています。重さでいうと個人差はありますが、大人で1kg〜2kgほどにもなります。腸内フローラ(腸内細菌叢)については日々次々と新事実が解明されていますが、研究が進むにつれ、ことでこれまで根本からの治療が難しかった病気への活路が見えてきました。

これまでの腸内フローラは、健康に良い影響を与える「善玉菌」、悪い影響を与える「悪玉菌」、その両方の働きをする「日和見菌」の3種があり、善玉菌は多いほどよく悪玉菌は少ないに越したことがないというのが常識でした。

しかし最新の研究で、善玉菌も悪玉菌もその働きは絶対的なものではないということがわかってきたのです。つまり、それぞれの菌がその人にとってどんな働きをするかによって、その菌の善し悪しの判断が必要というわけです。

太ったり痩せたりということも腸内フローラの影響が大きいことがわかっています。どんなに食事制限をしても運動をしてもなかなか痩せなかったという人は、太る腸内細菌に侵されていた可能性が高いのです。

さらに驚くべきことに、人の性格も腸内フローラが影響しているようなのです。腸内フローラはドーパミンやセロトニンなど脳内伝達物質の合成に関わっているため、腸内フローラのバランスを整えることにより、うつ病をはじめとするさまざまな精神疾患の改善が期待できます。

特に、過敏性腸症候群(IBS)との関わりも深い精神安定に欠かせないセロトニンはおよそ90%が腸(腸内細菌叢)で産生されることがわかっており、腸からの治療法である腸内フローラ治療に注目が集まっています。

過敏性腸症候群(=過敏性大腸炎:IBS)とその原因とは?

10代〜30代と若年層を中心に増加している過敏性腸症候群(IBS)はストレスと深い関係があるため、特に先進国での罹患率が高い病気です。自律神経の乱れにより症状があらわれますが、腸管には腫瘍や潰瘍といった器質的な異常が認められないため、診断が難しい病気の一つと言えます。

過敏性腸症候群(IBS)は下痢または便秘、もしくは便秘と下痢が数日おきに交替で起こる症状が2ヶ月以上、週に一度以上の割合で続きます。

過敏性腸症候群の症状の原因は、大きく分けて2つと考えられています。

一つは、自律神経のバランスが乱れた結果、不安や緊張といったストレスが自律神経や液性因子(ホルモン、サイトカインなど)を介して腸の異常な蠕動運動を引き起こしているもの。

もう一つは神経伝達物質「セロトニン」の影響です。精神の安定に関わるため幸せホルモンとも呼ばれるセロトニンは約90%が腸内で作られますが、腸内フローラのバランス崩壊により産生過多が起こると自律神経に影響を与えます。

ストレスによって腸のセロトニンが過剰に分泌されると腸内のセロトニン受容体と結合し蠕動運動に異常が発生。それにより腸の不快感、腹痛、下痢などを引き起こされると考えられています。

腸と脳は「腸脳相関」と言われるほど密接な関わりがあり、自律神経やホルモン、サイトカインを介し、伝達しあっているため過度の緊張やプレッシャー、ストレスなどが引き金となり、症状が引き起こされます。

この自律神経が実は腸内フローラ(腸内細菌叢)と深い関係にあることが近年の研究でわかってきました。安定した自律神経のバランスを維持できるか否かは、腸内フローラ(腸内細菌叢)次第ともいえるのです。

過敏性腸症候群(=過敏性大腸炎:IBS)の4つの症状を解説

「2ヶ月以上、下痢もしくは便秘が続いている」「下痢と便秘を交互に繰り返す」「不安や緊張といったストレスによって急に激しい腹痛に襲われる」「ガス漏れが続く」「人が背後にいるとガスが止まらなくなる」「急にトイレに行きたくなるので外出が不安」「ストレスを感じやすい」「頭痛が続く」「慢性的に吐き気がある」「うつっぽい」

これらの症状が2ヶ月以上続きながらも、器質的異常が認められない場合は過敏性腸症候群(IBS)に罹患している可能性があります。

症状は便の形状によって便秘型、下痢型、混合型(便秘と下痢を交互に繰り返す)、分類不能型の4タイプに大別されます。

下痢型

男性に多く、少しでもストレスを感じると下痢を引き起こします。腹痛を伴うことが多く、便に粘液が混ざることもあります。

便秘型

女性に多く、ストレスにより便秘が続きます。硬い便やコロコロ便が多いです。

混合型

腹痛及び腹部の違和感、下痢と便秘が複数日間隔で交互に現れます(交代性便通異常)。

分類不能型

上記いずれにも当てはまりませんが、便の形などで判断します。

また、ガス漏れの症状もあり、自分でコントロールがきかずガス(おなら)が漏れ続けたり、背後に人が立つとかならずガスが漏れてしまうという患者さんもまれに見られます。

過敏性腸症候群(IBS)の一般的な治療方法

過敏性腸症候群はストレスと関わりの深い病気であり、治療方法も食事療法や運動療法、薬物療法、心理療法等が一般的です。食事療法や運動療法はライフスタイルの見直しからはじめます脂質の多い食事や辛いスパイスなど刺激が強すぎる食事をとりすぎていないか?

アルコールやタバコ、カフェインなどの嗜好品を取りすぎていないかなど、食の傾向をチェック。適度な運動はストレスマネジメントにも繋がるため、無理のない範囲での運動も推奨されます。

薬物療法では整腸剤や高分子重合体、抗コリン剤、止瀉薬、漢方などが症状に応じて処方されます。心理療法ではカウンセリングをはじめ、症状に応じて心療内科や精神科での治療も行われます。

必要に応じて抗うつ剤などの薬剤が処方されることもあります。しかしながら、一般的なこれらの治療法はなかなか根本的な改善、治癒に繋がっていないのが現状です。

腸内フローラ治療による過敏性腸症候群(IBS) 

過敏性腸症候群(IBS)の最新の治療方法として注目を集めているのが、腸内フローラ治療による腸内環境の抜本的改善です。患者さんがどのような腸内細菌叢(腸内フローラ)であるかを腸内フローラ検査で確認し、検査結果から適切な乳酸菌をマッチングさせることで腸内フローラのバランスを整えます。

腸内環境が整えば自律神経の乱れも、過敏性腸症候群の原因の一つと考えられるセロトニンの過剰もしくは過小産生も、バランスが向上することで改善へと向かいます。

そのため長年悩んでいた過敏性腸症候群の症状からもたくさんの方が回復されています。また、口腔内の金属が原因のアレルギーや金属の接触で発生するガルバニー電流なども自律神経に悪影響を与えるため、それらを取り除いていくことも大変に効果的であることがわかってきています。

一般の病院における血液検査や内視鏡検査が中心の診療では一人の体に1200種 100兆個存在すると言われる腸内フローラを検査することはできません。

当クリニックでは腸内フローラ検査及び腸内フローラマッチングと口腔内金属アレルギー検査をいち早く取り入れ、数多くの治療実績を上げております。過敏性腸症候群でお悩みでしたら、ぜひ一度当クリニックにご相談ください。

監修:長岡 美妃

現代医療に携わりながら病の根本原因、医療本来の在り方、さらに真の社会の在り方、女性の生き方を追求している医師。 東京女子医大消化器外科センターにて癌の外科治療に従事。

その後、福岡の秋本病院にて緩和ケアセンター長として多数の方の精神的苦痛を和らげてきた経験をもつ。 内視鏡の技術にも定評がある上、コミュニケーション能力が非常に高く、患者様からの信頼がとても厚い。 著書:『「真の」医療者をめざして』 他

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