過敏性腸症候群のガス漏れをそろそろ根本治療しませんか? ぜひ一度当クリニックにご相談ください。
このページでは、過敏性腸症候群におけるガス(おなら)型を解説し、その対処方法を見ていきます。
過敏性腸症候群(IBS)のガス(おなら)型とは
過敏性腸症候群(=過敏性大腸炎 :IBS)の症状の一つにガス(おなら)漏れが頻繁に起こるガス型があります。慢性的にガスが漏れ続けたり、人が近くに来ると(特に背後)ガスが漏れてしまうといった症状のためニオイが気になって人が多い場所に行けなくなるなど精神面での問題も生じやすいのが特徴です。そもそも過敏性腸症候群は、神経質で繊細な人がかかりやすいため、症状のために生活の質(QOL)が低下するなど難しい状況に陥りがちです。
そもそも過敏性腸症候群は腫瘍や潰瘍、炎症といった器質的異常は認められず、大腸の蠕動運動の乱れなど機能的な異常のみが認められるため、診断そのものが難しい病気です。それゆえガス型の人はガス漏れが病気であるという認識を持ちづらく、症状が長引いてしまう傾向にあります。
過敏性腸症候群( IBS)の原因とは
なぜ過敏性腸症候群(IBS)は起こるのでしょうか? 過敏性腸症候群を引き起こす原因は、大きく分けて2つ考えられています。一つは、自律神経のバランスが乱れた結果、不安や緊張といったストレスが自律神経や液性因子(ホルモン、サイトカインなど)を介して腸の異常な蠕動運動を引き起こしているというもの。過度の緊張やプレッシャー、ストレスなどが引き金となり、症状が引き起こされます。
もう一つが、神経伝達物質「セロトニン」の影響です。精神の安定に関わるセロトニンは約90%が腸内で作られますが、腸内フローラのバランス崩壊により産生過多が起こると自律神経に影響を与えます。ストレスによって腸のセロトニンが過剰に分泌されると腸内のセロトニン受容体と結合し蠕動運動に異常が発生。それにより腸の不快感、腹痛、下痢、またガス漏れなどを引き起こします。
腸と脳は「腸脳相関」と言われるほど密接な関わりがあり、自律神経やホルモン、サイトカインを介し、伝達しあっています。寝不足続きや外食続きなどによってたまたま腸内環境が悪化しているときなどにも過敏性腸症候群(過敏性大腸炎 IBS)は発症しやすくなりますし、ストレスが重なって症状が慢性化することにより、過敏性腸症候群に罹患する可能性が高まります。ガス漏れも、自律神経の影響や腸内環境の悪化により起こりやすいため、根本的な改善を目指すことが大切です。
過敏性腸症候群(IBS)の一般的な症状とは
「2ヶ月以上、下痢もしくは便秘が続いている」「下痢と便秘を交互に繰り返す」「不安や緊張といったストレスによって急に激しい腹痛に襲われる」「ガス漏れが続く」「人が背後にいるとガスが止まらなくなる」「急にトイレに行きたくなるので外出が不安」「ストレスを感じやすい」「頭痛が続く」「慢性的に吐き気がある」「うつっぽい」
これらの症状が2ヶ月以上続きながらも、器質的異常が認められない場合は過敏性腸症候群(IBS)に罹患している可能性があります。
症状は便の形状によって便秘型、下痢型、混合型(便秘と下痢を交互に繰り返す)、分類不能型の4タイプに大別されます。
下痢型
男性に多く、少しでもストレスを感じると下痢を引き起こします。腹痛を伴うことが多く、便に粘液が混ざることもあります。
便秘型
女性に多く、ストレスにより便秘が続きます。硬い便やコロコロ便が多いです。
混合型
腹痛及び腹部の違和感、下痢と便秘が複数日間隔で交互に現れます(交代性便通異常)。
分類不能型
上記いずれにも当てはまりませんが、便の形などで判断します。 さらに、ガス(おなら)がずっと漏れ続けたり、背後に人が立つとかならずガスが漏れてしまうというガス型の症状があります
ガス(おなら)はなぜ出るのか
では、ガス(おなら)はなぜ出るのでしょうか?
口から入った食べ物は胃で消化され腸で吸収されます。この腸で分解されたときに腸内の菌がガスを出します。また、口から入った空気もガスのもとになります。ガスの臭いが強い場合は腸内のバランスが乱れて、悪玉菌に寄っていることや、食生活が脂っこいもの、肉類などに偏っていることが考えられます。腸内フローラ(腸内細菌叢)のバランスが壊れると、ガスが発生しやすくなり、ガス漏れが続きやすくなります。
さらに女性のガス型に多いのが「空気呑気症」といって、空気を肺ではなく胃に飲み込んでしまう人です。男女共、特に次のような特徴のある人は注意が必要です。
- 胃もたれしている人
- 鼻炎気味の人
- 猫背で姿勢が悪い人
- 鼻ではなく口呼吸がメインの人
- つばを飛ばしながら話す、早口の人
- 緊張しやすく、よくつばをゴクリと飲み込む人
- 歯を噛みしめる人
- すすりながら熱い飲み物をよく飲む人
- 早食いの人
- 炭酸飲料をよく飲む人
一時的なガス漏れにとどまらず、慢性化している過敏性腸症候群のガス型の人は、まず腸内環境を整えることと、上記のような習慣を改善することが治癒への近道です。
ガス型の過敏性腸症候群(IBS)改善方法
ガス型の人がまず気軽に取り組める対処法をいくつかご紹介しましょう。
ランニングやストレッチ、腹筋などの運動
ランニングは気分転換に適しているのでガス漏れの原因にもなっているストレスをリセットできます。ストレッチで体をのばすこともリラクゼーションに繋がりますし、腹筋は排便促進にも繋がりますので便秘によるガス漏れにも効果的です。
朝起きてコップ一杯の水を飲む
朝一番の水は腸の運動を活性化しますので、便秘の解消や朝のリラックス効果のためにもおすすめです。
お腹の指圧
おへそにある「神闕(しんけつ)」というツボとおへそから指3〜4本のところにある「天枢(てんすう)」というツボを軽く押したり温めると腸の調子が整います。ツボにドライヤーをあてて温めるのも効果的です。
過敏性腸症候群(IBS)の最新の治療法とは
過敏性腸症候群(IBS)は一般的な治療として生活習慣の見直しや心理療法、薬物療法などが行われますが、一定の改善はあるものの根本的な治癒には及んでいないのが現状です。ガス漏れも、命に関わるような病状ではないとしても、症状が長期に渡って改善しない場合は生活の質(QOL)の低下を招き、また精神的ストレスの要因となります。
今、過敏性腸症候群(IBS)の最新の治療方法として注目を集めているのが、腸内フローラ治療です。患者さんがどのような腸内細菌叢(腸内フローラ)であるかを腸内フローラ検査で確認し、検査結果から適切な乳酸菌をマッチングさせることで腸内フローラのバランスを整えます。腸内環境が整えば自律神経の乱れも改善するため、長年悩まされていた過敏性腸症候群の症状から根本的な回復に至るケースが既にかなりの数に上っています。また、口腔内の金属が原因のアレルギーやガルバニー電流なども自律神経に悪影響を与えるため、それらの有無を確認して原因と考えられる場合は取り除いていくことも効果的な治癒に繋がります。
一般の診療で行われる血液検査や内視鏡検査では一人の体に1200種 100兆個存在すると言われる腸内フローラを検査することはできません。当クリニックでは腸内フローラ検査と口腔内金属アレルギー検査をいち早く取り入れ、数多くの治療実績を上げております。
過敏性腸症候群のガス漏れをそろそろ根本治療しませんか? ぜひ一度当クリニックにご相談ください。
監修:長岡 美妃
現代医療に携わりながら病の根本原因、医療本来の在り方、さらに真の社会の在り方、女性の生き方を追求している医師。 東京女子医大消化器外科センターにて癌の外科治療に従事。
その後、福岡の秋本病院にて緩和ケアセンター長として多数の方の精神的苦痛を和らげてきた経験をもつ。 内視鏡の技術にも定評がある上、コミュニケーション能力が非常に高く、患者様からの信頼がとても厚い。 著書:『「真の」医療者をめざして』 他