急にお腹が痛くなって冷や汗を浮かべながらトイレに駆け込む。こんな下痢の症状は男性により多く見られます。電車に乗っている時、外で人を待っているとき、仕事で緊張したときなど、なぜか急に辛い腹痛に襲われ困った経験を持つ方も少なくないでしょう。
そもそも男性は女性と比べてとんかつや焼き肉などの脂っこい料理やビール、炭酸飲料などの冷たい飲み物を好む傾向にあります。それが刺激となって胃腸が消化不良を起こし、下痢になるというケースはよく見られます。
しかしながら、「数ヶ月にわたり下痢もしくは便秘が続いている」「下痢と便秘を交互に繰り返す」「不安や緊張といったストレスによって急に激しい腹痛に襲われる」「ガス漏れが続く」「通勤や通学途中、あるいは会議の前に急に腹痛を伴う下痢が起こる」「急にトイレに行きたくなるので外出が不安」「ストレスを感じやすい」「頭痛が続く」「慢性的に吐き気がある」「うつっぽい」……
そんな症状がなかなか改善しない、あるいは病院へ行っても病気と診断されないようなら、それは過敏性腸症候群(IBS)かもしれません。
このページでは過敏性腸症候群の男性特有の症状について解説します。
過敏性腸症候群(IBS)とは
病院で血液検査や内視鏡検査を受けても腸管には腫瘍や潰瘍などの器質的異常が見つからず、診断が難しい過敏性腸症候群(IBS)。
罹患すると、大腸の運動および分泌機能の異常により、下痢が続く、ストレスを感じると急な腹痛を伴う下痢になる、便秘が続く、下痢と便秘を数日おきに繰り返すなどの症状があらわれます。
ガス症状が伴う場合はガス漏れが続いたり、後ろに人が立つとガス漏れが起きるといった症状があるケースもあります。
原因は大きく分けて2つ考えらます。
一つは、ストレスや極度のプレッシャーなどで自律神経のバランスが崩れた結果、腸が異常な蠕動運動を引き起こしてしまうこと。
もう一つは神経伝達物質「セロトニン」の影響によるものです。精神の安定に関わるセロトニンは約90%が腸内で作られますが、ストレスによって腸のセロトニンが多量分泌されると腸内のセロトニン受容体と結合し蠕動運動に異常が発生。それにより腸の不快感、腹痛、下痢などが引き起こされます。
腸と脳は「腸脳相関」と言われるほど密接な関わりがあり、そのシグナルが自律神経の乱れにより、異常な伝達をしてしまうと症状へと繋がります。
過敏性腸症候群(IBS)の4つのタイプを紹介!男性に多いのは下痢タイプ?
過敏性腸症候群(IBS)は便の形状から、便秘型、下痢型、混合型(便秘と下痢を交互に繰り返す)、分類不能型の4タイプに分類されます。
下痢型
男性に多く、ストレスを感じると急激な下痢を引き起こします。腹痛を伴うことが多く、便に粘液が混ざることもあります。過度の緊張やストレスが引き金となり、会議の前や通勤、通学の途中などで急な腹痛を伴う下痢になってしまう症状などが顕著です。受験生など精神的プレッシャーに強くさらされている状態においても下痢型の傾向は多く見られます。
便秘型
女性に多く、ストレスを感じると便秘が続きます。硬い便やコロコロ便です。
混合型
下痢と便秘が複数日間隔で交互に現れます(交代性便通異常)。
分類不能型
上記いづれにも当てはまりませんが、便の形などで判断します。
男性には下痢タイプが多くみられますが、男性に多い理由としては、社会でストレスにさらされる機会が多いことが一因といえるでしょう。
病院で診察を受けても病名が診断されないのに、不安やストレスと関係した急な腹痛を伴う慢性的な下痢、あるいは粘液が混ざった状態の排便が2ヶ月以上続いている場合は、過敏性腸症候群(過敏性大腸炎)に罹患している可能性があります。
またガスがずっと漏れ続けるガス漏れ症状や、まれに人が背後に立つとガス漏れが止まらなくなるという症状もあります。
過敏性腸症候群(過敏性大腸炎 略称;IBS)にかかりやすい男性とは
過敏性腸症候群(IBS)はストレスの多い先進国の10代~30代と若い世代の患者が多く、繊細で神経質な真面目タイプの男性ほどかかりやすい傾向にあります。
また、急激なストレスで発症しやすいことから、神経症、うつ病の一つと診断されることもあります。胃腸の身体的症状のみならず、めまいや頭痛、同期、肩こりなどを伴う自律神経失調症や睡眠障害、不安、気分の落ち込みによるうつ症状、イライラといった精神状態に陥りやすいのも特徴と言えます。
過敏性腸症候群(IBS)の治療方法
過敏性腸症候群(IBS)の治療方法としては食事療法、運動療法、薬物療法、心理療法が一般的です。まずはストレスの原因となっているものをはっきりさせ、精神的不安定を解消していくこと。
ライフスタイルを見直し、まず、脂質の高い、刺激の多い食生活を改め、飲酒、喫煙などの嗜好、運動、睡眠時間などについても改善すべきと言えます。
ガスの症状が強い場合は、腸に空気を送り込んでしまいやすい早食いやすすりながら飲む熱すぎる飲料、炭酸飲料をなるべく避け、適度な運動、水分や食物繊維の摂取を心がけましょう。
その上で、セロトニン3受容体拮抗薬、抗コリン薬、免疫抑制剤などを用いる薬物療法や、カウンセリングや心療内科での心理療法といった治療法が一般的に行われます。
しかしながらそれらの治療をもってしても症状が改善しないケースは多く、より抜本的な治療が必要とされます。
治癒率の高い過敏性腸症候群(IBS)の最新の治療方法
近年、過敏性腸症候群(過敏性大腸炎 IBS)は腸内フローラの乱れや歯の金属によるアレルギー、及び発生するガルバニック電流などの影響が大きいことも分かってきました。過敏性腸症候群の方の腸内フローラは腸の健康を保つために必要な乳酸菌が殆ど存在しないケースも見られます。
その見地から改善率も高くたくさんの患者さんを治癒へと導いているのが、腸内フローラ治療です。腸内フローラ検査により、腸内細菌叢の構成を検査したうえで適切な乳酸菌マッチングを行います。
また、患者さんによっては関連していると考えられている口腔内の金属の状態をチェックし、口腔内金属アレルギーからの改善をはかることも治療の鍵となっています。
一般の診療で行われる血液検査や内視鏡検査では一人の体に1200種類、100兆個も存在すると言われる腸内フローラの状態をチェックすることはできません。
当クリニックでは、腸内フローラ検査や口腔内金属アレルギー検査などによって根本原因に辿り着き、それに沿った治療法での改善、治癒実績を数多くあげております。まずは過敏性腸症候群の根本原因を調べる初回カウンセリングをお受けください。 これまで諦めていた症状を改善して、QOL(生活の質)の高い毎日を送りませんか?
監修:長岡 美妃
現代医療に携わりながら病の根本原因、医療本来の在り方、さらに真の社会の在り方、女性の生き方を追求している医師。 東京女子医大消化器外科センターにて癌の外科治療に従事。
その後、福岡の秋本病院にて緩和ケアセンター長として多数の方の精神的苦痛を和らげてきた経験をもつ。 内視鏡の技術にも定評がある上、コミュニケーション能力が非常に高く、患者様からの信頼がとても厚い。 著書:『「真の」医療者をめざして』 他