合併症
クローン病の炎症は浅い粘膜から始まり、深い粘膜へと進行します。腸管壁の深くまで炎症が進行すると、腸にさまざまな合併症(腸管合併症)が起こることがあります。そのほか、腸以外の全身に合併症(腸管外合併症)が起こることもあります。腸管合併症としては、狭窄<きょうさく>(炎症を繰り返すことで腸管の内腔が狭くなる)、穿孔<せんこう>(深い潰瘍ができて腸に穴が開く)、瘻孔<ろうこう>(腸どうし、あるいは腸と他の臓器や皮膚がつながる)、膿腫<のうしゅ>(膿がたまる)などのほか、まれに大量の出血、大腸・肛門癌がみられます。腸管外の合併症としては、関節、皮膚や眼の病変などがあります。関節の病変は30%以上の患者さんに、皮膚の病変は2%程度の患者さんに、眼の病変は1~2%の患者さんにみられます。そのほかにも、アフタ性口内炎、肝胆道系障害、結節性紅斑などがみられることがあります。