失った歯を補う治療の代表例としては、インプラント・ブリッジ・入れ歯が挙げられます。3つのなかでも、インプラントとブリッジは装着時の違和感が少ない治療法です。歯を失った方のなかには「インプラントとブリッジは何が違うのか」「どちらを選んだほうが良いのか」と迷われている方も多いでしょう。
当記事では、インプラントとブリッジ治療のどちらのほうが良いかについてや、それぞれの概要、それぞれをおすすめできる人の特徴などについて解説します。インプラントとブリッジ、どちらの治療を受けるべきか悩んでいる方は、ぜひお読みください。
インプラントとブリッジ治療のどちらが良い?
「インプラントとブリッジ治療ではどちらのほうが絶対に良い」といい切ることはできません。なぜなら、どちらもそれぞれ良いところと悪いところがあるためです。
インプラントとブリッジ治療が持つ特徴やメリット、デメリットについては以下でくわしく解説していきます。当記事を参考に、自分にはどちらが合っているかを検討してみてください。
インプラントとブリッジの比較
インプラントとブリッジが持つ特徴を比較すると、以下の表のとおりです。
インプラント治療 | ブリッジ治療 | |
---|---|---|
費用相場 | 30〜40万円 | 1〜15万円 |
寿命 | 10~15年程度 | 7~8年程度 |
使用感 | かなり良い | 良い |
それぞれの具体的な内容については、以下でくわしく解説していきます。
インプラント治療とは
インプラント治療とは、歯を欠損した場所に人工歯根を埋入し、上部に歯を模した被せ物を被せる治療のことです。インプラント治療では、外科的な手術を通して顎の骨に歯根を埋め込みます。
ブリッジ治療とは
ブリッジ治療とは、両隣にある歯を利用して、失った歯を補う治療のことです。ブリッジ(橋)をかけるように被せることから、ブリッジ治療と呼ばれています。
外科的な手術は必要ありませんが、支えとして利用する歯を削らねばならない点については注意が必要です。
インプラントとブリッジの費用相場の比較
インプラントとブリッジの費用相場は、以下の表のとおりです。
インプラント治療 | 30〜40万円 |
---|---|
ブリッジ治療 | 1〜15万円 |
ブリッジ治療の料金に幅があるのは、保険を適用させるかによって異なるためです。
保険適用のブリッジ治療を行った場合、歯1本につき2万円程度で治療が行えます。奥歯の場合はさらに安く、1万円程度となるケースもあります。オールセラミックやメタルボンドなどの被せ物を使用する保険適用外の治療は、5〜15万円程度が相場です。
対してインプラント治療は、ほとんどの場合保険が適用できず全額自己負担です。したがって、1本につき30万円を超える高額な費用が発生するケースがほとんどといえます。
インプラントとブリッジの寿命の比較
インプラントとブリッジそれぞれの寿命は、以下の表のとおりです。
インプラント治療 | 10〜15年程度 |
---|---|
ブリッジ治療 | 7〜8年程度 |
インプラントとブリッジでは、インプラントのほうが寿命は長い傾向にあります。ブリッジ治療では両隣にある歯を支えとして使用しているため、隣の歯に大きな負担がかかります。長い間負担がかかってダメージが蓄積した結果、インプラントよりも早く破損しやすくなってしまうのです。
対してインプラントの場合、ほかの歯に頼っていないため、破損しにくい傾向にあります。周りの歯に負担をかけることもないため、長い間使用できます。
インプラントとブリッジの使用感の比較
インプラントとブリッジの使用感は、どちらも良いといえます。歯を補う治療にはインプラント・ブリッジのほかに入れ歯がありますが、入れ歯に比べるとどちらも違和感は大きく抑えられています。
微小な差ではありますが、ブリッジよりもインプラントのほうが使用感はより良いケースがほとんどです。というのも、インプラントは顎の骨に人工歯根が埋め込まれているためです。ブリッジ以上に本物の歯に近い形で取り付けられているため、自分の歯のように違和感なく食事や会話を楽しめるでしょう。
インプラントとブリッジがおすすめの人の特徴
インプラントとブリッジのどちらがおすすめであるかは、患者さんがどういった要素を優先して治療するかによっても異なります。以下からは、インプラントとブリッジそれぞれがおすすめできる人の特徴について解説します。
インプラントがおすすめの人の特徴
インプラントがおすすめできるのは、以下に該当する方です。
- 長く使用したい方
- より本物の歯に近づけたい方
- 食事や会話をしっかりと楽しみたい方
- ほかの歯を削りたくない方
インプラントは、ブリッジに比べて寿命が長い傾向にあるという特徴を持っています。再度治療を行うとなると、手間や時間、お金もかかります。「何度も治療をやり直すことはできるだけ避けたい」という方にはインプラントがおすすめです。
インプラントは顎の骨にしっかりと固定されているため、より本物の歯に近い感覚で食事や会話を楽しめます。違和感を抑えてストレスなく日常生活を送りたい方は、インプラントが向いているといえるでしょう。
また、インプラントはブリッジと異なり、両隣の歯を削る必要がありません。インプラントそのものがしっかりと独立しているため、周りの歯に負担をかける心配がほぼないという特徴を持っています。
「周囲の歯に余分なダメージが加わって、病気や欠損のリスクが高まるのは防ぎたい」という方にも、インプラントは向いています。
ブリッジがおすすめの人の特徴
ブリッジがおすすめできるのは、以下に該当する方です。
- 経済的負担を抑えて治療したい方
- 見栄えにはあまりこだわらない方
- 寿命が多少短めであっても良いという方
- 外科的な手術を避けたい方
ブリッジは保険を適用させられる治療です。少しでも安く済ませたいという方は、保険適用のブリッジで治療を行うことをおすすめします。
保険を適用させた場合、保険適用外の被せ物よりもやや審美性は劣ってしまいます。人前に出る機会の少ない方や、口を開けた際に見えにくい奥歯の治療を行う方など、補う歯の見栄えをそこまで気にしない方は、保険適用のブリッジがさらにおすすめできるといえるでしょう。
また、ブリッジはインプラントよりも寿命が短めとなります。ブリッジを選択する場合は、数年後に作り直しを行わねばならないという点を覚悟しなければなりません。
ブリッジはインプラントとは異なり、治療の際に外科的な手術を要しません。手術することに不安を感じる方や、健康状態に問題があって手術できないという方にもブリッジはおすすめできます。
まとめ
インプラント治療とブリッジ治療どちらを選ぶべきかは、患者さんの優先したい事項によっても異なります。
長く使い続けたい方や本物に近い歯でしっかりと食事・会話を楽しみたい方には、インプラントが向いています。対して、できる限り安く済ませたい方や見た目に深いこだわりがない方、外科的な手術を行いたくない方はブリッジが向いているといえるでしょう。
今回の記事をもとに、自分にはどちらが合っているのかを今一度検討してみることをおすすめします。
高輪クリニックグループは、安心・安全・自然をモットーに、根拠のしっかりした生薬・生菌・再生医療を提供しています。歯を補う治療を検討中の方は、ぜひ一度ご相談ください。