前歯を失ってしまうと見た目に大きな影響を与えるだけでなく、噛み合わせや周囲の歯に悪影響をおよぼすこともあります。できるだけ早めに治療を受けることが大切ですが、見えやすい前歯だからこそ治療法に迷っている方も多いのではないでしょうか。メジャーな治療方法である「ブリッジ」を検討している方も多いでしょう。
そこで今回は、前歯のブリッジ治療について解説します。メリット・デメリットや向いている人の特徴を解説するので、前歯のブリッジ治療でお悩みの方はぜひ参考にしてください。
前歯に適用できるブリッジ治療とは
前歯のブリッジ治療とは、橋渡しのような形の被せ物を装着して歯を補う治療法です。見えやすい表面には白い素材でコーティングし、周囲の歯と馴染みやすいよう作製されます。
前歯のブリッジ治療と同じ固定式の治療法にはインプラントがあり、顎の骨を利用するため周囲の歯に頼らない治療が可能です。前歯のブリッジ治療と比べると費用は高くなりますが、機能面・審美面に優れた治療といえるでしょう。ほかにも、取り外しが可能な装置には入れ歯があります。周囲の歯を支えにして入れ歯を装着しますが、ブリッジ治療と比べると体への負担が少なく歯を補えることが特徴です。
前歯のブリッジ治療の費用と治療期間
前歯のブリッジ治療は、保険適用であれば欠損歯1本で約2万円、被せ物を作製する期間は約1ヶ月です。被せ物を作製するまでに必要な治療がある場合は、口内の状況によって費用や治療期間が異なります。
自由診療で前歯のブリッジ治療を行う場合は、素材によって異なりますが1本5~15万円ほど、被せ物を作製する期間は約1ヶ月です。保険適用のブリッジ治療と同じように、被せ物を作製するまでに必要な治療がある場合、口内の状況によって費用や治療期間が異なります。また、同じ素材でも医院によって費用に大きな差がでることがあるため、治療を開始する前に確認しておくと安心です。
ブリッジ治療で前歯を治す際の注意点
ブリッジ治療は、両隣の歯を削って橋渡しのように被せ物を装着するため、周囲の歯に大きな負担がかかってしまいます。土台となる健康な歯を大きく削ることで、ブリッジ治療をした箇所は寿命が短くなることも考えられるでしょう。固定式の治療にはインプラントもあるため、医師とよく相談して自分にとって最適な方法を選ぶことが大切です。
前歯の治療にブリッジ治療を選択するメリット
前歯のブリッジ治療は、メジャーな治療法として多くの方に適用されています。しかし、前歯のブリッジ治療にはどのようなメリットがあるのか気になる方も多いでしょう。
ここでは、前歯の治療にブリッジ治療を選択するメリットを解説します。
保険適用でのブリッジ治療のメリット
保険適用でブリッジ治療を受けると、以下のようなメリットが得られます。
- 費用を安く抑えられる
- どこの医院でも治療を受けられる
保険適用の場合、使用する素材は決まっていますが費用を安く抑えて治療を受けられます。治療する箇所が多い方や、歯科治療にお金をかけられない方はメリットが大きいといえるでしょう。また、保険適用の治療は全国どこの医院でも同じ治療が受けられます。使用する素材も同じなため、医院選びに時間がかからない点もメリットといえるのではないでしょうか。
自由診療でのブリッジ治療のメリット
一方で自由診療のブリッジ治療を受けると、以下のようなメリットが得られます。
- 天然歯とよく馴染む白い素材で作製できる
- 自分に最適な素材を選択できる
自由診療では、複数ある素材のなかから予算などに応じて選択することができます。それぞれの素材によって強度や色味が異なるため、残っている歯にあわせた最適な治療が可能です。また、色味は自分の歯に馴染むようオーダーメイドで作製されるので、被せ物だけが大きく目立つことはありません。
前歯の治療にブリッジ治療を選択するデメリット
前歯のブリッジ治療にはさまざまなメリットがありますが、いくつかのデメリットも存在します。メリット・デメリットの両方を把握した上で、しっかりと検討するようにしましょう。
ここでは、前歯の治療にブリッジ治療を選択するデメリットを解説します。
保険適用でのブリッジ治療のデメリット
保険適用でブリッジ治療を受けると、以下のようなデメリットがあります。
- 天然歯と色味が馴染まないことがある
- 経年劣化を起こしやすい
- 素材を選択できない
保険適用のブリッジ治療では、限られた色味のなかから自分の歯に近い色味を選択して作製するため、うまく馴染まないことがあります。使用する素材も選択できないため、別の素材に変更することはできません。また、経年劣化を起こしやすいため、白くコーティングしている箇所が黄ばんだり剥げたりすることがあります。
自由診療でのブリッジ治療のデメリット
一方の自由診療では、以下のようなデメリットがあります。
- 全て白い素材のものだと歯を削る量が多くなる
- 費用が高額になる
自由診療では白い素材を選択できますが、強度を高めるため厚みをもたせる必要があります。被せ物が厚くなるとその分歯を削る必要があるため、土台となる歯が弱ってしまうことが考えられます。また、それぞれの医院が自由に費用を設定できるため、費用が高額になりがちです。地域によって大きな差がでることもあるでしょう。
前歯に適用できるブリッジ治療以外の治療方法
前歯を失った際の治療法は、ブリッジだけではありません。口内の状態によって、その他の治療法が最適と診断されることもあるため、複数の治療法について説明を受けておくとよいでしょう。
ここでは、前歯に適用できるブリッジ治療以外の方法について解説します。
入れ歯
入れ歯は、金属のフックでプラスチックの人工歯を固定して失った歯を補います。ブリッジ治療との大きな違いは、いつでも自分で取り外せる点です。歯磨きの際も取り外して行えるため、清潔な状態を保ちやすいといえるでしょう。しかし、金属のフックをかけて入れ歯を固定するため、大きく目立ってしまうことがあります。口元の印象が気になる方には、向いていないかもしれません。
インプラント
インプラントは、顎の骨のなかに人工歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工歯を装着して失った歯を補う治療法です。ブリッジ治療と同じ固定式ではありますが、インプラントは周囲の歯に頼らない独立した治療が可能であることが大きな特徴です。残された歯の健康を守りながら、機能的で審美性の高い前歯を取り戻せます。
前歯治療にブリッジ治療を選択するのが向いている人
ブリッジ治療を受けようと思っていても、口内の状況によっては向いていない可能性も考えられます。前歯のブリッジ治療を選択するのが向いているのは、以下のような特徴がある人です。
- 固定式の治療を受けたい人
- あまり費用をかけられない人
- 周囲の歯が健康な人
ブリッジは一度装着すると自分では取り外せないため、入れ歯のように取り外して使用することに抵抗を感じる人に向いています。また、同じ固定式の治療であるインプラントよりも費用を抑えられるため、歯科治療にあまりお金をかけられない人もブリッジ治療が向いているといえるでしょう。さらに、ブリッジは両隣の歯を支えとするため、残っている歯が健康である人もブリッジ治療が適用されやすいです。
まとめ
前歯のブリッジ治療について解説しました。保険適用・自由診療によってメリット・デメリットが異なるため、医師とよく相談して最適な方法を選択するようにしましょう。また、他にも失った歯を補う治療法があるため、ブリッジだけにこだわらず他の治療法の説明も受けておくと選択肢が広がります。
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