AGA治療の副作用とは?ミノキシジルやフィナステリドのリスクと対処法を解説

AGA副作用

AGA治療で最も多く使用されるのが内服薬と外用薬。抜け毛予防と発毛促進に効果がありますが、薬の副作用が心配な人も多いのではないでしょうか?

本記事では、AGA治療に使用される成分「フィナステリド」や「ミノキシジル」などの副作用や副作用が起こる確率について医師が解説します。

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福永医師記事監修

MSCルナクリニック 院長
福永医師
2017年聖マリアンナ医科大学卒業、同年済生会川口総合病院にて初期研修入職。 その後、都内某有名美容クリニックを経て銀座水の森美容外科で二重埋没年間症例数 5000人以上を経験。 特に予約の取れないドクターとして知名度が高い。 2021年埋没専門クリニックとして宇都宮市にMSCルナクリニック開業。2021年9月には、渋谷院も開業。 
※本記事は、メディカルオンライン日本皮膚科学会ガイドライン男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版を参考にしています。
※AGA治療は、自由診療・保険適用外です。

AGA治療の副作用には
肝機能障害や男性機能障害などがある

AGA治療薬は効果を実感した人が多いですが、その反面、多くの副作用もあります。副作用が出る確率は極めて稀ですが、AGA治療を受ける際は副作用がでる可能性があることを理解しておきましょう。

肝機能障害

AGA治療の内服薬には、肝機能障害を起こす可能性があるものもあります。吐き気、食欲不振などの症状が起こったり、極稀に肝不全になったりする危険があります。

男性機能障害

AGA治療の内服薬には、男性機能障害を起こす可能性があるものもあります。リドビー減退(性欲減退)、精子減少、ED・勃起不全、射精障害が主な症状

リビドー減退(性欲減退)が起こる確率は1〜5%、精子減少、ED・勃起不全、射精障害が起こる確率は1%未満なので副作用が起こる確率は高くありませんが0ではありません。

心機能不全、心筋梗塞や頭痛

AGA治療の内服薬には、血管拡張作用があり血行を良くして発毛促進をする効果があります。

血管が拡張し、心臓に戻る血流が増えることで心臓に負担がかかって呼吸困難や動悸が起こったり、血管が広がりすぎて血管壁から出血が起こり心筋梗塞を引き起こしたりする可能性があります。

また、血管が拡張されて神経が圧迫され頭痛が起こる、皮膚の細胞分裂が盛んになって皮脂の分泌が増えニキビや肌荒れの原因になる場合もあります。

頭痛薬など別の薬を服用すると、組み合わせによってはさらなる副作用を引き起こす恐れもあるので、体調不良を感じたら医師に相談するようにしましょう。

多毛症

AGA治療の内服薬は、高い発毛効果があります。そのため体毛も濃くなる可能性があります

多毛症は、薬の使用をやめると徐々に薄くなり改善されるので、今以上に体毛を濃くしたくない人や女性で不安な人は医師と相談するといいでしょう。

精神疾患

AGA治療の内服薬を使用するとホルモンバランスが崩れ、精神不安やうつ病など精神疾患を引き起こす可能性があります

うつ病の症状が発症する確率は1%未満で極稀ですが、眠れない、不安感やイライラが増えた、気分が沈むなどの症状が現れた場合は、医師に相談しましょう。

皮膚炎

AGA治療の外用薬には、かゆみ、かぶれなど皮膚炎やフケを起こす可能性があるものもあります。外用薬の使用で副作用が起こる原因は、肌と薬が合ってないから

副作用が起こる可能性は高くありませんが、肌に合わないと感じたら医師に相談するようにしましょう。

AGA治療の副作用が起こる確率は
全体の0.1%〜0.2%と極わずか

AGA治療薬で副作用を感じる人は、全体の0.1~0.2%と極わずか。ただし、どんな薬でも副作用は起こりうることで、可能性をゼロにすることはできません。

副作用が心配な人や体調に異変を感じた人は、まず医師に相談してください。

AGA治療薬では、さまざまな副作用が報告されていますが、実際に副作用を感じる患者様は全体の0.1〜0.2%と非常にまれです。
引用:AGA治療薬の副作用について|AGAメディカルケアクリニック

初期脱毛は副作用ではなく毛の成長過程

AGA治療薬を使用すると、開始して2週間から1ヶ月は初期脱毛が起こりやすいです。

初期脱毛の原因は、短くなったヘアサイクルを整える働きによるもの。一時的に抜け毛が多くなってもAGAが進行しているわけではないので安心してください。

AGA治療の副作用は成分で異なる

AGA治療の代表的な内服薬として、フィナステリド(プロペシア)、デュタステリド(ザガーロ)、ミノキシジルがあります。外用薬は、ミノキシジル外用薬、フロジン外用液(アロビックス)が代表的。

内服療法としては、フィナステリド、デュタステリド等の国内承認薬、ミノキシジル等の国内未承認薬(臨床では薬監証明にて輸入処方可能)・ミレット & リジン等のサプリメントが挙げられる。外用療法としてはミノキシジル、フロジン外用液(塩化カルプロニウム)、t- フラバノン、アデノシンなどが用いられている。

引用:国際抗老化再生医療学会雑誌 第1号(25−30)2018「臨床発毛医学の現状と展望 2018」

ここからは治療薬別に起こりうる副作用を解説します。

ミノキシジル

ミノキシジルは、髪の毛の成長に関わる毛乳頭に働きかけて発毛を促す効果や、毛母細胞へ栄養や指令を送る毛乳頭細胞そのものを増殖させる効果のある成分。

主な副作用は、動悸・息切れ、頭痛やめまい、手足や顔のむくみ、多毛症など。また、極稀に、肝機能障害、心機能不全や心疾患の副作用が起こることもあります。

ミノキシジル内服薬は、国内での臨床試験が行われておらず、薄毛治療薬として推奨されていません。内服薬での治療を希望する場合は、知識や経験がある医師のもとで使用するようにしてください。

頭皮に塗布するミノキシジル外用薬は、毛髪のサイクルを整えて成長期を延長し、抜け毛を予防する効果があります。

ミノキシジル外用薬の副作用は、発疹や頭皮のかゆみ、フケ、かぶれ、熱感、発疹、皮膚炎、紅斑や手足のむくみ。厚生労働省のデータによると、ミノキシジルの副作用の発症率は8.82%です。

副作用発現症例は3,072例中271例(8.82%)、378件であった。
引用:ミノキシジルのリスク区分について|厚生労働省

また、ミノキシジル外用薬を使用し始めてから、1~3か月程度、ヘアサイクルを整える過程で毛が抜けていく症状(初期脱毛)が出ることがあります。初期脱毛は副作用ではなく、しっかりとした毛を生やし、生えた毛を成長させるために必要な過程です。

フィナステリド(薬:プロペシア)

フィナステリドは、抜け毛の原因であるジヒドロテストステロン(DHT)を抑制する効果があり、飲み続けることで薄毛改善につながります。フィナステリドを成分とする薬プロペシアは、2005年に抜け毛を防止する治療薬として厚生労働省から承認されています。

フィナステリドの副作用は、初期脱毛や勃起不全、性欲減退や肝機能障害、うつ病など。

薬を飲み始めた初期の段階で表れるものや、長期間飲み続けることで表れるものなど症状のタイミングはさまざまです。

有害事象は23例(2.5%)で、その内訳は、その内訳は性欲低下が 4 例、体毛の減少が4例、頭皮の異常が3例、血性精液が2例、肝機能障害2例、精液減少・勃起時違和感・女性化乳房・前額部発毛・初期脱毛・蕁麻疹・眠気・尿量増加が各1例であった。しかし23例全例が最大でも数か月の中止後に副作用が消失したので、服用を再開、継続した。5 年後にも訴えが持続した症例はなかった。

引用:日本人の男性型脱毛症に対するフィナステリド長期投与の801例調査

デュタステリド(薬:ザガーロ)

デュタステリドは、元々は前立腺肥大の治療薬ですが、AGAにも効果があるとして2015年に厚生労働省に承認されています。デュタステリドを成分とする薬ザガーロは、抜け毛防止効果のある薬

デュタステリドは、フィナステリドより作用する範囲が広く、AGAの進行だけでなく薄毛部分の改善が認められています。国際共同試験を行った結果、頭頂部の毛髪量や毛髪の太さ、硬毛数でザガーロが1.6倍上回ったという報告も。

頭頂部の毛髪数、毛髪の太さ、硬毛数においてザガーロが1.6倍上回るという結果となりました。
引用:ザガーロによる治療|AGAスキンクリニック
参考:ザガーロ製品情報概要|グラクソ・スミスクラ イン

デュタステリドの副作用は、射精障害や性欲減退、勃起不全などの性機能不全、発疹や頭痛、抑うつや腹部不快感、乳房の女性化や痛み、肝機能障害やアレルギー反応、むくみやめまいなどがあります。

性機能不全の発生確率は1〜5%、発疹~女性化乳房の症状は1%未満です。

デュタステリドの副作用に関して、前述の国際臨床試験において37)、有害事象頻度はリビドー減少 3.3%、インポテンツ 5.4%、射精障害 3.3%、韓国の 712 例,平均観察期間 204.7 日の市販後調査39)では、リビドー減少 1.3%、インポテンツ 1%、射精障害 0.1%であった。他方、前述の国内非ランダム化試験(120 例,52 週間)38)では、リビドー減少 8.3%、インポテンツ 11.7%、射精障害 5.0%と比較的高率であった。

引用:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 疾患概念

また、デュタステリドは男性型脱毛症を改善するための薬で、女性と子どもは服用禁止。妊娠中や授乳中の女性が体内に取り込むと、赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性があり、20歳未満で服用した場合の安全性や効果性は実証されていません。

経口吸収だけでなく、皮膚からも吸収されてしまうので、付着した場合はすぐに水で洗い流しましょう。

フロジン外用液(カルプロニウム塩化物)

カルプロニウム塩化物という有効成分を含んだ外用薬アロビックスは、血流を促進することで薄毛改善の効果があります。

アロビックスの副作用は、過敏症状やアセチルコリン様作用。過敏症状は、皮膚の赤みやかゆみなどがあり、アセチルコリン様作用は発汗や発熱、悪寒、吐き気などがあります。

お風呂上がりなど血流がよくなった状態で使用すると、副作用があらわれやすくなるので注意が必要です。

AGA治療の副作用が出た時の対処法

AGA治療で副作用を感じたときの対処法ご紹介します。

医師に相談する

体調の変化や異変を感じたら、すぐに担当の医師に相談しましょう。そのまま放置すると、症状が悪化する原因になってしまう可能性も。自己判断で内服薬を飲み続けたり、反対に飲むのをやめたりせず、医師に相談してみましょう。

薬の量を減らす

薬の量が多いために副作用が出ている可能性もあります。副作用が出ている場合、薬の量を調節することも選択肢のひとつ。薬の量が多いからと言って、発毛効果が高くなることはないので、医師に相談して減薬を検討しましょう。

薬の種類を変えてみる

副作用があらわれる場合、治療薬が体に合っていない可能性もあります。AGA治療薬にはさまざまな種類があるので、別の薬に変えてもらうのも一つの方法。副作用が不安な場合は、担当医師に相談しましょう。

AGA治療を服用する際の注意点

女性は服用しない

AGA治療薬のフィナステリド(プロペシア)は男性専用の薬。女性が飲んでしまうと健康を害する可能性もあるのでとても危険です。デュタステリドもフィナステリド同様危険な薬ので、女性は絶対に使用しないでください。

女性のAGA治療では、アデノシン、スピロノラクトン、パントガールを使用することが多いです。

AGA治療薬を服用中は献血をしない

妊娠中の女性へAGA治療薬の成分が輸血される恐れがあるため、AGA治療薬を服用中の男性は献血が禁止されています。

治療薬を飲んでいる期間はもちろん、薬の成分が体から抜けきるまで献血はNG。服用を止めてから1ヶ月間は献血をしないようにして下さい。

過度な飲酒をしたあとは服用しない

AGA治療薬に飲酒の制限はありませんが、飲酒をすると薬とアルコールを分解するために肝臓に負担がかかります。AGA治療薬の副作用には肝機能障害があるため肝臓に負担をかけないためにもお酒は控えましょう

AGA治療のよくあるQ&A

AGA治療をやめると副作用はとまる?

AGA治療をやめると、副作用は止まります。ただし、これまでの治療効果も失くなり元の薄毛や抜け毛の状態に戻ります。副作用が心配な人は自己判断で治療をやめずに医師と相談して、できるだけ継続したほうがいいでしょう。

AGA治療の副作用は妊活・妊娠に影響がある?

男性がAGA治療薬を服用しながら子作りをしても、胎児や母体に悪影響は及ぼさないといわれています。AGA治療薬が精液に移行するのは極微量で、動物実験でも胎児への悪影響を及ぼす可能性が低いことが証明済みです。

ただし、AGA治療薬に含まれる成分は、胎児の発育に悪影響を及ぼす恐れがあるので、妊娠中の女性は絶対に服用しないでください。服用はもちろん皮膚からも吸収されるので、AGA治療薬に触れることもやめましょう。

男性型脱毛症患者にフィナステリド1mgを1日1回6週間経口投与した時の精液中への移行量は極めて微量(投与量の0.00076%以下)であった
引用:プロペシア添付文書

海外臨床試験において、18〜52歳の健康成人(デュタステリド群:27例、プラセボ群:23例)を対象に、52週間の投与期間及び24週間の投与後追跡期間を通して、デュタステリド0.5mg/日の精液特性に対する影響を評価した。投与52週目における総精子数、精液量及び精子運動率の投与前値からの平均減少率(プラセボ群の投与前値からの変化で調整)は、それぞれ23、26及び18%であり、精子濃度及び精子形態への影響は認められなかった。
引用:ザガーロ添付文書

AGA治療薬は個人輸入しても大丈夫?

個人輸入したAGA治療薬は、表示された成分が含まれていなかったり、表示とは異なる成分が含まれていたりする可能性があります。万が一、体に悪影響を及ぼす成分や不純物が混入していた場合、取り返しのつかないことになる恐れも。

また、個人輸入の場合過剰摂取により副作用が起きたり、摂取量が少なく効果が現れなかったりという可能性もあります。安全で効果的な治療を行うためにも、専門クリニックで治療薬を処方してもらうようにしましょう。

クリニックで処方された治療薬を正しく服用していたにも関わらず、重篤な健康被害を受けた場合、医薬品副作用被害救済制度が利用できます。医薬品副作用被害救済制度は、入院治療が必要になるほどの副作用が出た場合、患者や遺族に対して医療費・年金などを国が給付してくれる公的制度です。

医薬品(病院・診療所で処方されたものの他、薬局等で購入したものも含みます)を適正に使用したにもかかわらず、その副作用により入院治療が必要になるほど重篤な健康被害が生じた場合に、医療費や年金などの給付を行う公的な制度が、「医薬品副作用被害救済制度」です。
引用:医薬品副作用被害救済制度|医薬品医療機器総合機構

ただし、国内の正規品を正しく使用した場合のみ適用されるため、個人輸入で副作用が起きた場合は、救済措置が受けられません。個人輸入での治療薬は服用せず、専門のクリニックを受診するようにしましょう。

参考:医薬品等を海外から購入しようとされる方へ

AGA治療の副作用を理解して
治療を選ぼう

AGA治療には肝機能障害や男性機能障害など様々な副作用がありますが、起こる確率は全体の0.1~0.2%と極わずか。

どのような薬にも副作用はつきものなので、医師の説明を聞き自分にあった治療薬を見つけてAGA治療に取り組みましょう

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この記事を書いた人

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